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	<title>南アジア | dotworld｜ドットワールド｜現地から見た「世界の姿」を知るニュースサイト</title>
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	<description>ドットワールドは、一般財団法人国際開発センター（IDCJ）が運営する国際ニュースの情報サイトです。基本姿勢は、「現地から見た世界を知る」です。開発途上国をはじめ、世界のさまざまな国で起きている事象やニュースについて、現地に精通した識者が背景を掘り下げ、社会的な文脈と併せて分かりやすく解説します。</description>
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	<title>南アジア | dotworld｜ドットワールド｜現地から見た「世界の姿」を知るニュースサイト</title>
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		<title>『LOST LAND／ロストランド』が公開　遠い場所の物語はなぜ私たちに届くのか</title>
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		<pubDate>Sun, 19 Apr 2026 23:10:44 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[バングラディシュ]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>　世界の映画祭を巡りながら、観る者の心を静かに、そして確実に揺さぶっている映画が、４月24日より一般公開されます。アジアを舞台に合作映画の制作を続ける藤元明緒監督の最新作『LOST LAND／ロストランド』。少数派イスラ [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p>　世界の映画祭を巡りながら、観る者の心を静かに、そして確実に揺さぶっている映画が、４月24日より一般公開されます。アジアを舞台に合作映画の制作を続ける藤元明緒監督の最新作『LOST LAND／ロストランド』。少数派イスラム教徒ロヒンギャの人々の証言を基に紡がれたこの映画は、第82回ベネチア国際映画祭をはじめ数々の国際的な舞台で高い評価を受けており、これまでに21カ国・35カ所の映画祭で上映され、９カ国で15の賞に輝きました。さらに、フランス、イタリア、スイス、チェコ、スロバキアなどでの劇場公開も決まっています。</p>
<p>　しかし、この作品が目指すのは、スクリーンの中の成功にとどまりません。映画はどこまで社会に届くのか。その根源的な問いに向き合い続ける藤元明緒監督と渡邉一孝プロデューサーに聞きました。</p>

<div id="attachment_19497" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/a6f27a14aacf6e344c494bc85e6fc908.jpg"><img fetchpriority="high" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-19497" class="wp-image-19497" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/a6f27a14aacf6e344c494bc85e6fc908.jpg" alt="" width="500" height="333" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/a6f27a14aacf6e344c494bc85e6fc908.jpg 1080w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/a6f27a14aacf6e344c494bc85e6fc908-300x200.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/a6f27a14aacf6e344c494bc85e6fc908-1024x683.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/a6f27a14aacf6e344c494bc85e6fc908-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 500px) 100vw, 500px" /></a><p id="caption-attachment-19497" class="wp-caption-text">映画『LOST LAND／ロストランド』のワンシーンより ©2025 E.x.N K.K.</p></div>

<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>向き合わなかった罪悪感から撮ることを決意</strong></span></p>
<p>　「いよいよこれから始まるんだなと実感しています。すべての都道府県に彼らの物語が届いてほしいです」――。４月初旬、東京・新宿で行われた特別先行上映後に、かみしめるようにこう語った藤元明緒監督の声は、ところどころ震えていた。映画が描く現実の重さや、その現実を前に込み上げる無力さ、そして、それでもなお「伝えたい」という思い。それらすべてが言葉の端々に滲んでいるようだった。</p>

<div id="attachment_19499" style="width: 460px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG20260407185748b-scaled.jpg"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-19499" class="wp-image-19499" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG20260407185748b-scaled.jpg" alt="" width="450" height="218" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG20260407185748b-scaled.jpg 2560w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG20260407185748b-300x145.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG20260407185748b-1024x496.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG20260407185748b-768x372.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG20260407185748b-1536x744.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG20260407185748b-2048x991.jpg 2048w" sizes="(max-width: 450px) 100vw, 450px" /></a><p id="caption-attachment-19499" class="wp-caption-text">予告編のナレーションを担当した俳優の河合優実さんとともに先行上映会の舞台に立つ藤元監督（2026年４月７日、都内で筆者撮影）</p></div>

<p>　『LOST LAND／ロストランド』は、ミャンマーから逃れてバングラデシュの難民キャンプで暮らしていた無国籍の幼い姉弟、ソミーラとシャフィが家族との再会を願い、いくつもの国境を命懸けで越えていく旅路を描いている。総勢200人以上のロヒンギャが出演し、全編にわたってロヒンギャ語で撮られた世界初の長編映画だ。</p>
<p>　日本で生まれ育ったミャンマー人の兄弟が二つの国の間で揺れ動く姿とその家族の物語を描いた『僕の帰る場所』や、ベトナム人技能実習生と日本社会の在り様を描写した『海辺の彼女たち』など、アジアを舞台に合作映画の制作を行う藤元監督が、今回、ロヒンギャを題材に選んだのは、長年、抱えてきた問題意識からだった。</p>
<p>　映画製作のために2013年に初めてミャンマーを訪れ、一時は最大都市ヤンゴンに拠点も構えるなど、一貫して現地と関わり続けてきた藤元監督は、ロヒンギャが直面してきた迫害について、幾度となく耳にしたことがあったという。にもかかわらず、あえて向き合おうとしてこなかったことに対して抱き続けてきた忸怩たる思いを、監督は独占手記でこう明かしている。</p>
<div style="background: #F2EAD4; padding: 15px; border: 0px solid #F2EAD4; border-radius: 10px; word-break: break-all;">
<p><span style="font-family: 'times new roman', times, serif; font-size: 12pt;"><em>「…（前略）&#8230;ミャンマーではロヒンギャの話題を口にすること自体がタブー視される風潮があり、私自身、仕事を失うことへの恐れもあって声を上げることができずにいました。身近で異常な出来事が起きているのに見て見ぬふりをしていた罪悪感こそが、『LOST LAND／ロストランド』を撮ろうと決意したきっかけです。…（後略）&#8230;」</em></span></p>
<div>
<p>（「<a href="https://dotworld.press/lost_land_venezia_film_festival_2025/">【藤元明緒監督 独占手記】第82回ベネチア国際映画祭で感じた芸術の価値 | dotworld｜ドットワールド｜現地から見た「世界の姿」を知るニュースサイト</a>」2025年11月５日付）</p>
</div>
</div>
<div>
<p>&nbsp;</p>
<p>　とはいえ、国籍を持たず、居場所を奪われてきたロヒンギャの現実は、日本ではニュースとして断片的に伝えられることはあっても、実態が広く理解されているとは言い難い。そのため、監督は当初、「ロヒンギャ」の名前を出さず、架空の設定の中に彼らの状況をモチーフとして織り込んだシナリオを準備していたという。しかし、過酷な移動を生き延びて海外にたどり着いた人々や、彼らの支援団体に聞き取りを進めるうちに、正面からロヒンギャを扱おうと決意。ブローカーによる恐喝や暴行、船上の嵐、機銃掃射など人々の実体験を投影しつつ、ゼロからシナリオを書き直した。</p>
</div>

<div id="attachment_18678" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2025/11/1.jpg"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-18678" class="wp-image-18678" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2025/11/1.jpg" alt="" width="400" height="267" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2025/11/1.jpg 800w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2025/11/1-300x200.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2025/11/1-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-18678" class="wp-caption-text">映画『LOST LAND／ロストランド』のワンシーンより ©2025 E.x.N K.K.</p></div>

<p>　それでもこの映画では、彼らがなぜ難民キャンプに住み、なぜ国境を越えようとしているのかという背景情報や、迫害の歴史は、一切、語られない。「子どもの目線で、彼らに寄り添いながら一緒に旅をしてほしい」という監督の思いからだ。その代わりにスクリーンでは、子どもたちが道中、お腹を空かせないようにと甲斐甲斐しく食べ物を荷物に詰める叔母や、将来の夢を語り合う青年たちの明るい笑顔、母との再会にむせび泣く息子、そして、幼い弟を守り続ける強くて優しい姉の愛情が次々と映し出される。特別な誰かではなく、観客と同じように、時に迷いながらも、誰かを思い、希望を胸に日々を生きる人々の普遍的な姿を描いているからこそ、言語や文化の違いを超えて観る者の胸を打つのだろう。</p>
<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>意思と共感を基に製作</strong></span></p>
<p>　各国の映画祭で受賞が相次いでいる『LOST LAND／ロストランド』は、どのようにして製作されたのか。『僕の帰る場所』以来、藤元監督とタッグを組んでいるプロデューサーの渡邉一孝さんは、「大型映画祭に出品したことで、いわゆる商業映画のような大きな後ろ盾があったのだろうとしばしば言われるが、実際はその逆。資金繰りは常に綱渡り状態で、多くの無理と自助努力を重ねてようやく成立した」と話す。</p>

<div id="attachment_18680" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2025/11/3b.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-18680" class="wp-image-18680" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2025/11/3b.jpg" alt="" width="400" height="267" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2025/11/3b.jpg 800w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2025/11/3b-300x200.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2025/11/3b-768x512.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-18680" class="wp-caption-text">ベネチア国際映画祭の上映会場は1500人近い人々で埋め尽くされた（2025年９月１日撮影） （藤元監督提供）</p></div>

<p>　その一方で、チームが出来上がる過程は、ダイナミック、かつ、しなやかだった。日本、フランス、マレーシア、ドイツの４カ国共同製作は藤元作品のなかで最も多いうえ、プロデューサーも、渡邉さんに加え、エグゼクティブプロデューサーや共同プロデューサー、コンサルティング・プロデューサーなど、７人が名前を連ねる。渡邉さんは「まるで“足し算”のようにメンバーが加わっていった」としたうえで、「共同製作というと、とかく出資割合や役割分担ありきのブロック型の体制になりやすいが、今回は“この作品に関わりたい”という意思を持った人々が集まり、有機的にチームが形成された」と振り返る。</p>
<p>　特にユニークな存在感を発揮したのが、ロヒンギャのスジャウディン・カリムディンさん（スジャさん）だ。第三国に帰化して国籍も取得し、移動が可能なスジャさんは、マレーシアの首都クアラルンプールで子どもたちの教育や若者のエンパワメントに力を尽くすコミュニティリーダーで、本作ではキャストたちとの通訳や文化の監修を担うために撮影現場に入っていた。そんなスジャさんを共同プロデューサーに迎えたのは、渡邉さんの発案だったという。</p>
<p>　「ロヒンギャではない自分たちが、なぜこの映画を企画し、何を撮ろうとしているのか、人々に直接伝えられる言葉を持たないことに対してぽっかりと穴が空いているように思えてならなかった」「スジャさんが入ってくれたおかげで、作品の意図を言語化し、ロヒンギャの人々の内部にその思いを共有することができた」と渡邉さんは振り返り、「共感をもとに映画を作れた」と続けた。</p>
<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>「作品」から「出来事」へと変える仕掛け</strong></span></p>
<p>　一般公開に向けて、新たな挑戦も始まっている。藤元監督が重視するのは、興行収入や動員数の最大化を目指す従来の宣伝活動にとどまらず、社会的な問題に関心を寄せる人々へのアウトリーチだ。映画が持つ社会的なテーマに関連する団体や個人と連携しながら作品を現実の社会課題として提示し、観た人の理解と行動を促すことで制度や価値観の変化を起こすこのアプローチは「インパクト・キャンペーン」と呼ばれ、欧州ではそのための専門職もあるほど社会に根付いている。今年３月のフランスの先行上映では、上映前に支援団体がロヒンギャ問題について詳細に説明。上映後も監督と支援団体が一緒に登壇し、映画に関する質問には藤元監督が、制度や背景に関する質問には支援団体が回答した。</p>
<p>　「日本でも、この映画のメッセージをしっかりと現実社会につなげたい」と意気込む藤元監督は、一般公開によせて、舞台挨拶やイベントなどで当事者のロヒンギャが自らの言葉で語る場を積極的につくろうとしている。たとえば、日本に住む約400人のロヒンギャの多くが群馬県館林市で暮らしていることから、冒頭の新宿に先立ち、県内の高崎市でも先行上映を行った。</p>

<div id="attachment_19503" style="width: 460px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG20260405160628-scaled.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-19503" class="wp-image-19503" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG20260405160628-scaled.jpg" alt="" width="450" height="203" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG20260405160628-scaled.jpg 2560w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG20260405160628-300x135.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG20260405160628-1024x462.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG20260405160628-768x346.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG20260405160628-1536x693.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG20260405160628-2048x924.jpg 2048w" sizes="auto, (max-width: 450px) 100vw, 450px" /></a><p id="caption-attachment-19503" class="wp-caption-text">多くのロヒンギャが暮らす群馬県内で開かれた先行上映後には、在日ビルマロヒンギャ協会のアウンティン副会長（中央）と写真家の新畑克也さん（右）が登壇し、藤元監督と語り合った（2026年４月５日、高崎市で筆者撮影）</p></div>

<p>　また、４月中旬には、館林市で暮らすロヒンギャの子どもたちが日本の大学生と共に作品を鑑賞するイベントも開かれた。慶應大学の学生団体S.A.Lのロヒンギャプロジェクトが企画したもの。当日は、日本に暮らすロヒンギャの女性と子どもたちへの教育支援と自立支援を行うハーモニーシスターズネットワーク代表の春成カディージャさんと藤元監督も駆け付けた。</p>
<p>　上映後、円形に並べた椅子に座った日本とロヒンギャの若者たちは、最初こそはにかむ様子を見せていたものの、次第に熱く感想を語り始めた。日本生まれの10代のロヒンギャの若者は、「親が日本に来るまでの話を聞いてもこれまでピンと来ていなかったが、初めて理解できた」「映画に出てくる子守歌のメロディーに聞き覚えがある気がする」などと発言。一方、日本の大学生からは、「登場人物の演技がとても自然で驚いた」「毎日を必死に生きる子どもたちと自分の幼少期の違いに愕然とした。幼い子どもたちが安心して過ごせる世界にするために行動しようと思った」「困難に直面しても “神が助けてくれる”と信じ続ける人々の姿が印象的だった」という声が上がった。</p>

<div id="attachment_19505" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_1237b.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-19505" class="wp-image-19505" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_1237b.jpg" alt="" width="400" height="267" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_1237b.jpg 2423w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_1237b-300x200.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_1237b-1024x683.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_1237b-768x512.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_1237b-1536x1024.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_1237b-2048x1365.jpg 2048w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-19505" class="wp-caption-text">カディージャさんは19歳の時に難民認定を受けた夫の呼び寄せで来日。言語の壁を乗り越えて大学と大学院を修了した。民間企業などでの勤務を経て、現在はロヒンギャの女性と子どもたちへの支援を行っている（2026年４月12日、都内で筆者撮影）</p></div>

<p>　これを受け、カディージャさんは「最近は自分のルーツを知らない日本生まれの子どもが増えている。上の世代がどんな思いで祖国を離れたのか、この映画で学んでほしい」「第三国にたどり着いても安心して眠れず、教育を受けられない子どもたちは多い。日本で安全に暮らし、学校に通えていることのありがたみを自覚し、自分にできることを考えてほしい」と呼びかけた。また、一人一人の発言にうなずきながら耳を傾けていた藤元監督は、「ロヒンギャの子どもが理解できる映画にするために、主人公の設定を子どもにして、彼らの目から見た旅を描いた。若い皆さんに見てもらえて嬉しい」とほほ笑んだ。</p>

<div id="attachment_19506" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_1235b.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-19506" class="wp-image-19506" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_1235b.jpg" alt="" width="400" height="267" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_1235b.jpg 2346w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_1235b-300x200.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_1235b-1024x683.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_1235b-768x512.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_1235b-1536x1024.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_1235b-2048x1365.jpg 2048w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-19506" class="wp-caption-text">学生たちと語り合う藤元監督（左から2人目）（2026年４月12日、都内で筆者撮影）</p></div>

<p>　このような対話の場を広げていくために、劇場公開後は教育機関などにDVDを貸し出し、自主上映会との連携も進めることも計画されているという。「映画を“作品”として閉じ込めるのではなく、社会に開かれた“出来事”へと変えていく仕掛けを作りたい」と語る藤元監督を突き動かすのは、国籍も移動の自由もないソミーラとシャフィを一人でも多くの観客とつなぎたいという一念だ。</p>
<p>　チャリティーグッズの販売も、その一環だ。１月から３月には寄付付きのムビチケ前売り券を1500枚販売したほか、映画にちなんだトートバッグとTシャツを製作し、劇場で限定販売する。マンゴーと芽のイラストはソミーラとシャフィがそれぞれ描き、映画の原題であるロヒンギャ語の「ハラ・ワタン」（Harà Watan）の文字はソミーラが書いた。売り上げによる収益は、すべてロヒンギャの子どもたちの教育支援に充てられる。</p>

<a href='https://dotworld.press/lost_land_how_far_can_a_film_reach_society/%e3%83%88%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%90%e3%83%83%e3%82%af/'><img loading="lazy" decoding="async" width="300" height="288" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/9424ea4bd84e8ade3721aa7060d630fa-300x288.png" class="attachment-medium size-medium" alt="" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/9424ea4bd84e8ade3721aa7060d630fa-300x288.png 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/9424ea4bd84e8ade3721aa7060d630fa-1024x984.png 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/9424ea4bd84e8ade3721aa7060d630fa-768x738.png 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/9424ea4bd84e8ade3721aa7060d630fa-1536x1476.png 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/9424ea4bd84e8ade3721aa7060d630fa.png 2003w" sizes="auto, (max-width: 300px) 100vw, 300px" /></a>
<a href='https://dotworld.press/lost_land_how_far_can_a_film_reach_society/%ef%bd%94%e3%82%b7%e3%83%a3%e3%83%84/'><img loading="lazy" decoding="async" width="187" height="300" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/ef245744a401d0be50b35f40fcde184f-187x300.png" class="attachment-medium size-medium" alt="" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/ef245744a401d0be50b35f40fcde184f-187x300.png 187w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/ef245744a401d0be50b35f40fcde184f-640x1024.png 640w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/ef245744a401d0be50b35f40fcde184f-768x1229.png 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/ef245744a401d0be50b35f40fcde184f.png 937w" sizes="auto, (max-width: 187px) 100vw, 187px" /></a>

<p><strong><span style="font-size: 14pt;">映画はどこまで社会に届くのか&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; </strong></p>
<p>　映画と社会をつなぐという意識を決定付けた出来事がある。藤元監督は今年１月、日本版予告編のナレーションを担当した俳優の河合優実さんとともに、バングラデシュ・コックスバザールにある難民キャンプを訪れた。2017年の武力弾圧を逃れてきた人々を中心に100万人以上が暮らす世界最大規模のこの難民キャンプは、新たに流入する人々が今なお後を絶たない。</p>
<p>　「問題の深刻さを身体で理解する経験だった」という滞在中、藤元監督は難民キャンプで暮らす人々から「映画を見たい」と、声をかけられた。それまでは映画を見ることで、一人一人のつらい記憶や心の傷を呼び起こしてしまうのではないかと懸念していた監督は、この言葉をきっかけに「”自分たちの存在が忘れられていない”と感じてもらうこと自体に意味があるはず」だと考えるようになったという。</p>

<div id="attachment_19509" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/sub1.jpeg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-19509" class="wp-image-19509" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/sub1.jpeg" alt="" width="400" height="267" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/sub1.jpeg 1620w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/sub1-300x200.jpeg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/sub1-1024x683.jpeg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/sub1-768x512.jpeg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2026/04/sub1-1536x1024.jpeg 1536w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-19509" class="wp-caption-text">映画『LOST LAND／ロストランド』のワンシーンより ©2025 E.x.N K.K.</p></div>

<p>　周囲の人々の手によって目的地へと運ばれたシャフィは、最後、ソミーラの存在を背負って街を歩く。その瞬間、それまで「遠い国の出来事」として見ていた物語は、観る者の暮らす社会と静かに重なり始める。それは、過酷な旅を生き延びて第三国で暮らす人々と都市の中で出会い、彼らの声をすくい上げて映画を生み出した藤元監督自身のプロセスとも重なる。だからこそ、この映画は劇場の暗闇の中では終わらない。スクリーンの向こうにいたはずのシャフィが、同じ時代を生きる隣人として私たちの前に現れる時、私たちは彼とどう向き合い、どのように関わっていくのか。「置かれている環境のために特別な存在にされているだけで、僕らと変わらない人々だ」と力を込めて語る藤元監督のまなざしは、日本をはじめ各国で強まりつつある移民排斥の動きにも向いている。</p>
<p>　映画は、どこまで社会に届くのか。その答えは、まだ途上だ。それでも、『LOST LAND／ロストランド』が示しているのは、映画がスクリーンの中にとどまらず、人と人をつなぎ、対話を生み出し、現実の見え方を変えていく力を持ち得るということだ。遠い場所の物語は、気付けば観る者の足元へ引き寄せられている。その問いに向き合うことで、映画は社会の中で動き出す。映画の力は、その変化のなかにこそ宿っているのかもしれない。</p>
<p style="text-align: center;"><iframe loading="lazy" title="YouTube video player" src="//www.youtube.com/embed/hKuOrfiO8eI?si=8lvqufp4y9uYKxrO" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe><a href="https://www.youtube.com/watch?v=hKuOrfiO8eI">映画『LOST LAND／ロストランド』本予告｜4月24日全国ロードショー</a></p>
<p>&nbsp;</p>
<div style="background: #cccccc; padding: 15px; border: 0px solid #cccccc; border-radius: 10px; word-break: break-all;">
<p>【作品情報】<br>
<span style="font-size: 10pt; font-family: 'book antiqua', palatino, serif;">2025年／日本=フランス=マレーシア=ドイツ</span><br>
<span style="font-size: 10pt; font-family: 'book antiqua', palatino, serif;">脚本・監督・編集： 藤元明緒</span><br>
<span style="font-size: 10pt; font-family: 'book antiqua', palatino, serif;">出演： ムハマド・ショフィック・リア・フッディン、ソミーラ・リア・フッディンほか</span><br>
<span style="font-size: 10pt; font-family: 'book antiqua', palatino, serif;">配給： キノフィルムズ</span><br>
<span style="font-size: 10pt; font-family: 'book antiqua', palatino, serif;">企画・製作： E.x.N</span><br>
<span style="font-size: 10pt; font-family: 'book antiqua', palatino, serif;">©2025 E.x.N K.K.</span></p>
<p><span style="font-size: 10pt; font-family: 'book antiqua', palatino, serif;">※ 2026年４月24日よりヒューマントラストシネマ有楽町、kino cinéma新宿、ポレポレ東中野ほか全国公開</span></p>
</div>
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<div style="height: 12px;"><span style="background: #91D8AC; padding: 6px 10px; border-radius: 5px; color: #ffffff; font-weight: bold; margin-left: 10px;">筆者プロフィール</span></div>
<div style="padding: 30px 15px 10px; border-radius: 5px; border: 2px solid #91D8AC;">
<p><span style="font-size: 10pt;">（たまがけ・みつえ）国際開発センター（IDCJ）研究員／「ドットワールド」編集長。大学教授だった父の研究室の留学生たちとの交流を通じて世界に関心を抱く。東京大学教育学部卒、同大学院修了。カンボジアに渡って日本大使館や国際協力機構（JICA）で勤務後、国際開発ジャーナル社に入社し、2014年から編集長を務めた。2018年より現職。国内外の事業で意識啓発や広報関連業務に携わる傍ら、「現地から見た世界の姿」をテーマに発信を続けている。趣味はチェロ。</span></p>
</div>
</div>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p><p>The post <a href="https://dotworld.press/lost_land_how_far_can_a_film_reach_society/">『LOST LAND／ロストランド』が公開　遠い場所の物語はなぜ私たちに届くのか</a> first appeared on <a href="https://dotworld.press">dotworld｜ドットワールド｜現地から見た「世界の姿」を知るニュースサイト</a>.</p><div class='yarpp yarpp-related yarpp-related-rss yarpp-template-list'>
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</ol>
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]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>届かぬ支援　インドに逃れたミャンマー難民の今（第３回）</title>
		<link>https://dotworld.press/myanmar_refugees_in_indian_border_vol3/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[dotworld_admin]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 27 Dec 2024 11:34:34 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[インド]]></category>
		<category><![CDATA[ミャンマー]]></category>
		<category><![CDATA[丹村智子]]></category>
		<category><![CDATA[届かぬ支援]]></category>
		<category><![CDATA[社会を読み解く]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://dotworld.press/?p=16864</guid>

					<description><![CDATA[<p>　ミャンマーでは、2021年の軍事クーデター以降、国軍と武装勢力の戦闘や弾圧を逃れるために、自宅を離れて避難する人々が急増しています。国連は2024年11月27日、避難を強いられた人々の総数が340万人を超えたと発表しま [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<div style="background: #F2EAD4; padding: 15px; border: 0px solid #F2EAD4; border-radius: 10px; word-break: break-all;">
<p>　ミャンマーでは、2021年の軍事クーデター以降、国軍と武装勢力の戦闘や弾圧を逃れるために、自宅を離れて避難する人々が急増しています。国連は2024年11月27日、避難を強いられた人々の総数が340万人を超えたと発表しました。海外に逃れた難民の多くは陸路で国境を越え、タイやインドで避難生活を送っています。</p>
<p>　このうちタイでは、日本をはじめ、各国のNGOがミャンマー人避難民の支援を行っている一方、ミャンマー北西部のチン州から逃れた人々が多く避難するインド・ミゾラム州は、国際社会からの支援がほとんどなく、関心も高いとは言えません。そんななか、インド内務省は12月下旬、治安悪化を理由に、マニプール、ミゾラム、ナガランドの北東部３州への外国人の自由な入域を14年ぶりに禁止。政府から事前許可を取得することを求める通達を出し、人道支援への影響が懸念されています。</p>
<p>　2024年11月にミゾラム州を訪ねたジャーナリストの丹村智子さんが支援の手が届いていない避難民キャンプの人々の姿を３回にわたり伝える連載の最終回です。（<a href="https://dotworld.press/myanmar_refugees_in_indian_border_vol2/">第２回はこちらからご覧いただけます</a>）</p>
</div>
<p>&nbsp;</p>

<div id="attachment_16866" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/3762f2f485bae955ac54976279f99072-scaled.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-16866" class="wp-image-16866" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/3762f2f485bae955ac54976279f99072-scaled.jpg" alt="" width="600" height="391" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/3762f2f485bae955ac54976279f99072-scaled.jpg 2560w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/3762f2f485bae955ac54976279f99072-300x195.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/3762f2f485bae955ac54976279f99072-1024x667.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/3762f2f485bae955ac54976279f99072-768x500.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/3762f2f485bae955ac54976279f99072-1536x1000.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/3762f2f485bae955ac54976279f99072-2048x1333.jpg 2048w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></a><p id="caption-attachment-16866" class="wp-caption-text">難民が暮らす「住居」。山で集めた枝や竹とブルーシートやトタンを使って作っている（2024年11月、インド・ミゾラム州で筆者撮影）</p></div>

<p>　国軍がクーデターを起こした直後から、ミャンマーでは職務をボイコットすることで社会機能や経済活動をまひさせ、軍の統治に抗議する市民による不服従運動（CDM）が始まった。不服従運動は医療従事者や教員ら公務員から銀行や物流といった民間企業で働く人々へと広がった。市民による抗議デモも各地で行われ、国軍はこれを弾圧。次第に武器の使用や拘束といった強硬手段を取るようになり、武力衝突へと発展した。不服従運動を貫く公務員やその家族は次々に当局に拘束され、国内で潜伏生活を送るか国外に逃げざるを得ない状況に置かれた。</p>
<div class="mceTemp">&nbsp;</div>
<p>　ミゾラム州のある町には、不服従運動に参加した国軍の元兵士をはじめ、元警察官や元公務員が暮らす難民キャンプがある。敷地内には小規模ながら野菜畑や養鶏用のケージも設けられ、組織で働いた経験のある人が多いからなのか、規律ある共同生活を送っている様子が見て取れた。</p>
<p>　「少年時代、村にやってきた軍人の姿を見て、その格好良さに憧れた。でも現実は全く違った」。14歳か15歳で入隊したという30代の元国軍兵士の男性は後悔をにじませた。６人兄弟の末っ子として育った男性の父は早世し、暮らし向きは楽ではなかった。国軍に入れば安定した収入も得られるとあり、魅力的に映ったのは無理もない。だが入隊後は「奴隷のような暮らし」が続き、「10年たったらチャンスがあると聞いていたが、そんなものはなかった」と振り返る。</p>
<div style="text-align: center;"><iframe loading="lazy" style="border: 0;" src="https://www.google.com/maps/embed?pb=!1m10!1m8!1m3!1d936235.9771313438!2d93.077968!3d23.562273!3m2!1i1024!2i768!4f13.1!5e0!3m2!1sja!2skh!4v1734755389974!5m2!1sja!2skh" width="400" height="300" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe></div>
<p style="text-align: center;"><span style="font-size: 8pt;">（編集部注）グーグルマップ上は「ゾーカタール」は「ゾークホーサ」と表記</span></p>
<p>　男性が国軍を抜け出したのは、民主派勢力との戦いでとっさに取った行動がきっかけだった。ある集落での戦闘で、家から逃げ遅れた老人が目に留まった。見過ごせば火に包まれる可能性が高い。「とにかく目の前の人を助けたいと思った」。男性は老人の手を引いて安全な場所に誘導した。腹がすいているだろうと、自身の携行食も分け与えた。ところがそれを見ていた他の兵士が「お前はそっち側なのか」と三本指を立てた。ミャンマーでは民主化を求め国軍に抗議の意を示すポーズだ。その日はやり過ごしたものの、本隊に戻れば死刑になることを悟った男性は、部隊が野営準備している隙を見て逃げ出した。</p>
<p>　ひたすら野山を走り、出会った市民に助けを求め、不服従運動を支援する人々の導きでインド内のキャンプへたどり着いた。ミャンマー国内に残る家族に連絡する手だてはなかった。男性は、自分が脱走したために妻は国軍に拘束されたと推測する。元気ならば70歳近くになる母の状況もわからない。「妻と一緒に穏やかに暮らしたかった。平和な国になってほしい。もうこれ以上死人を出してほしくない」</p>

<div id="attachment_16868" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/fbd17371207d13d1f010371c556cdc08-scaled.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-16868" class="wp-image-16868" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/fbd17371207d13d1f010371c556cdc08-scaled.jpg" alt="" width="600" height="400" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/fbd17371207d13d1f010371c556cdc08-scaled.jpg 2560w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/fbd17371207d13d1f010371c556cdc08-300x200.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/fbd17371207d13d1f010371c556cdc08-1024x683.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/fbd17371207d13d1f010371c556cdc08-768x512.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/fbd17371207d13d1f010371c556cdc08-1536x1024.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/fbd17371207d13d1f010371c556cdc08-2048x1365.jpg 2048w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></a><p id="caption-attachment-16868" class="wp-caption-text">山肌に作られた難民キャンプ（2024年11月、インド・ミゾラム州で筆者撮影）</p></div>

<p>　キャンプ内には非暴力を貫いた元公務員も暮らす。脅威と憎悪の対象だった元国軍兵士との軋轢は生じないのか聞くと、難民を支援する職員は「元兵士や元警察官であっても、不服従運動に加われば民主化を求める仲間として受け入れられる」と話した。クーデターとその後の国軍による弾圧がなければ殺し合うことはなかったはずで、国軍兵士や警察官らも無理を強いられた被害者と考えれば理解できなくもないが、それだけにこの対立の理不尽さを再認識した。</p>
<p>　元兵士、警官らが暮らす難民キャンプを支援する男性によると、ここでの特徴的な課題は、自国民に手をかけたトラウマに苦しむ人の精神的なケアや、荒れた軍隊生活が長く道徳観に欠ける人の再教育だという。話を聞いた元兵士の男性も、戦闘について語る時には前後の脈絡がめちゃくちゃになり興奮気味にまくし立てる場面があった。つらい記憶に心をかき乱されたのかもしれない。</p>

<div id="attachment_16867" style="width: 411px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/e5fab504180e1543ede6df45f8e52adc-scaled.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-16867" class="wp-image-16867" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/e5fab504180e1543ede6df45f8e52adc-scaled.jpg" alt="" width="401" height="600" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/e5fab504180e1543ede6df45f8e52adc-scaled.jpg 1709w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/e5fab504180e1543ede6df45f8e52adc-200x300.jpg 200w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/e5fab504180e1543ede6df45f8e52adc-684x1024.jpg 684w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/e5fab504180e1543ede6df45f8e52adc-768x1150.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/e5fab504180e1543ede6df45f8e52adc-1025x1536.jpg 1025w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/e5fab504180e1543ede6df45f8e52adc-1367x2048.jpg 1367w" sizes="auto, (max-width: 401px) 100vw, 401px" /></a><p id="caption-attachment-16867" class="wp-caption-text">建物の廊下で散髪してもらう難民の男性（2024年11月、インド・ミゾラム州で筆者撮影）</p></div>

<p>　ミャンマー国内の分断は、長期化する中で各民族の思惑の違いが浮き彫りになり、複雑化している。戦いの勢力図が塗り変わっても変わらないのは、多くの難民が食料不足や健康不安に悩む生活を強いられ、一日も早い平和的解決を願っているということだ。日本政府を含め国際社会は、ここまで危機が広がる前に有効な手だてを打てなかった反省とともに、食糧や医療といった難民への人道支援を急ぐ必要がある。</p>
<p style="text-align: right;">（完）</p>
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		<title>届かぬ支援　インドに逃れたミャンマー難民の今（第２回）</title>
		<link>https://dotworld.press/myanmar_refugees_in_indian_border_vol2/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[dotworld_admin]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 26 Dec 2024 12:30:43 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[インド]]></category>
		<category><![CDATA[ミャンマー]]></category>
		<category><![CDATA[丹村智子]]></category>
		<category><![CDATA[届かぬ支援]]></category>
		<category><![CDATA[社会を読み解く]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>　ミャンマーでは、2021年の軍事クーデター以降、国軍と武装勢力の戦闘や弾圧を逃れるために、自宅を離れて避難する人々が急増しています。国連は2024年11月27日、避難を強いられた人々の総数が340万人を超えたと発表しま [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<div style="background: #F2EAD4; padding: 15px; border: 0px solid #F2EAD4; border-radius: 10px; word-break: break-all;">
<p>　ミャンマーでは、2021年の軍事クーデター以降、国軍と武装勢力の戦闘や弾圧を逃れるために、自宅を離れて避難する人々が急増しています。国連は2024年11月27日、避難を強いられた人々の総数が340万人を超えたと発表しました。海外に逃れた難民の多くは陸路で国境を越え、タイやインドで避難生活を送っています。</p>
<p>　このうちタイでは、日本をはじめ、各国のNGOがミャンマー人避難民の支援を行っている一方、ミャンマー北西部のチン州から逃れた人々が多く避難するインド・ミゾラム州は、国際社会からの支援がほとんどなく、関心も高いとは言えません。そんななか、インド内務省は12月下旬、治安悪化を理由に、マニプール、ミゾラム、ナガランドの北東部３州への外国人の自由な入域を14年ぶりに禁止。政府から事前許可を取得することを求める通達を出し、人道支援への影響が懸念されています。</p>
<p>　2024年11月にミゾラム州を訪ねたジャーナリストの丹村智子さんが、支援の手が届いていない避難民キャンプの人々の姿を３回にわたり伝える連載の第２回です。（<a href="https://dotworld.press/myanmar_refugees_in_indian_border_vol1/">第１回はこちらから</a>ご覧いただけます）</p>
</div>
<p>&nbsp;</p>

<div id="attachment_16859" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/4d9dfb6d81f5fc423b6f0c5a03ebab02-scaled.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-16859" class="wp-image-16859" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/4d9dfb6d81f5fc423b6f0c5a03ebab02-scaled.jpg" alt="" width="600" height="400" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/4d9dfb6d81f5fc423b6f0c5a03ebab02-scaled.jpg 2560w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/4d9dfb6d81f5fc423b6f0c5a03ebab02-300x200.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/4d9dfb6d81f5fc423b6f0c5a03ebab02-1024x683.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/4d9dfb6d81f5fc423b6f0c5a03ebab02-768x512.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/4d9dfb6d81f5fc423b6f0c5a03ebab02-1536x1024.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/4d9dfb6d81f5fc423b6f0c5a03ebab02-2048x1365.jpg 2048w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></a><p id="caption-attachment-16859" class="wp-caption-text">国境の町ゾーカタール中心部から臨むミャンマーの町並み。中央やや下の左右に広がる木々の間を国境の川が流れている（2024年11月、インド・ミゾラム州で筆者撮影）</p></div>

<p>　インド政府は、ミャンマーでクーデター以降栽培が増えているとされる麻薬や武器の流入を懸念し、1610キロに及ぶミャンマー国境沿いにフェンスを設置する計画を打ち出している。ミゾラム州の北側に位置するマニプール州では既に一部が完成しているが、510キロに渡る国境を有するミゾラム州は、州議会が全会一致で反対を表明したほか難民支援への理解も求めた。市民もインド政府に抗議するデモを展開し、国の方針とは一線を画す姿勢を示している。</p>
<div style="text-align: center;"><iframe loading="lazy" style="border: 0;" src="https://www.google.com/maps/embed?pb=!1m10!1m8!1m3!1d936235.9771313438!2d93.077968!3d23.562273!3m2!1i1024!2i768!4f13.1!5e0!3m2!1sja!2skh!4v1734755389974!5m2!1sja!2skh" width="400" height="300" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe></div>
<p style="text-align: center;"><span style="font-size: 8pt;">（編集部注）グーグルマップ上は「ゾーカタール」は「ゾークホーサ」と表記</span></p>
<p>　ミゾラム州でミャンマー難民を擁護する声が大きいのは、国境を挟んだチン州と民族的、文化的に近いことが背景にある。ミゾラム州の食堂ではミャンマー料理がメニューに並び、両地域ともキリスト教徒が多いことも共通している。クーデター以前から国境貿易が盛んで、出稼ぎや通学といった人々の往来も日常の風景だった。「チン州とミゾラム州は一つの国家、一つの民族だった。逃げてきた人々はみな兄弟姉妹として歓迎する」。インド国境の町ゾーカタール（編集部注：グーグルマップ上は「ゾークホーサ」と表記）の自治体関係者は住民の声を代弁する。ミゾラム州は難民キャンプに電力を提供し、子どもたちの公立学校通学を認めている。またキャンプの敷地は地元住民が農地を無償で貸しているケースが多い。国境をまたいで血縁者がいる人も多く、ミゾラム州の親戚宅に身を寄せる難民や、親戚を頼って仕事を得る難民もいる。</p>

<div id="attachment_16861" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/209c5765883367f16f0717165227e404-scaled.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-16861" class="wp-image-16861" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/209c5765883367f16f0717165227e404-scaled.jpg" alt="" width="600" height="450" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/209c5765883367f16f0717165227e404-scaled.jpg 2560w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/209c5765883367f16f0717165227e404-300x225.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/209c5765883367f16f0717165227e404-1024x768.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/209c5765883367f16f0717165227e404-768x576.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/209c5765883367f16f0717165227e404-1536x1152.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/209c5765883367f16f0717165227e404-2048x1536.jpg 2048w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/209c5765883367f16f0717165227e404-280x210.jpg 280w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/209c5765883367f16f0717165227e404-150x112.jpg 150w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></a><p id="caption-attachment-16861" class="wp-caption-text">ミャンマー・チン州の料理。インド側の食堂で提供していた（2024年11月、インド・ミゾラム州で筆者撮影）</p></div>

<p>　ミャンマーとの親和性が高い一方で、ミゾラム州はインド「本土」からは距離的にも心理的にも遠い。ミゾラム州のほか、太平洋戦争で旧日本軍が攻略を試みたインパールを州都とするマニプール州や、紅茶の産地アッサム州を含むインド北東部は、ミャンマー、バングラデシュ、中国、ブータンに囲まれている。インド「本土」とは幅わずか約20キロの領土で繋がっているだけで、大半が山岳地帯という地形の困難さも相まってしばしば陸の孤島とも称されてきた。インド独立後も分離独立を求める動きが活発な地域でもあり、自由な往来が制限された地域、期間もあった。</p>
<p>　実質的には周辺諸国から多くの難民が流入しているものの、インド政府は難民保護のための国際法上の枠組みとなる1951年の難民条約を批准していない。これに「本土」との距離感やアクセスの悪さといった要素が重なり、インド側にいるミャンマー難民に関する情報はほとんど外部に伝わってこない。一方でミャンマーとタイの国境地域の難民については、早い段階から難民の存在が知られ、国際NGOによる支援も十分に行き渡っているとは言えないが行われてきた。これには、タイ国境地帯には1980年代から少数民族勢力と国軍の武力衝突から逃れてきた難民や、旧軍政時代の政治犯が難民として流入しており、こうした難民を支援する国際NGOなどの拠点がすでにあったことが大きい。</p>

<div id="attachment_16862" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/84368bc4991707f75e1d613c5a971779-scaled.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-16862" class="wp-image-16862" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/84368bc4991707f75e1d613c5a971779-scaled.jpg" alt="" width="600" height="450" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/84368bc4991707f75e1d613c5a971779-scaled.jpg 2560w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/84368bc4991707f75e1d613c5a971779-300x225.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/84368bc4991707f75e1d613c5a971779-1024x768.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/84368bc4991707f75e1d613c5a971779-768x576.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/84368bc4991707f75e1d613c5a971779-1536x1152.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/84368bc4991707f75e1d613c5a971779-2048x1536.jpg 2048w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/84368bc4991707f75e1d613c5a971779-280x210.jpg 280w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/84368bc4991707f75e1d613c5a971779-150x112.jpg 150w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></a><p id="caption-attachment-16862" class="wp-caption-text">州都アイザウルの町並み。平地はほとんどなく、急斜面に張り付くように建物が並ぶ（2024年11月、インド・ミゾラム州で筆者撮影）</p></div>

<p>　ミゾラム州ではミャンマー難民に対する住民らの理解はあるものの、クーデター前は3700人だった国境の町ゾーカタールの人口が倍になるなど、経験のない事態に対応が追いついていない面もある。着の身着のまま逃げてきた難民はパスポートや身分証を持っておらず、州外への移動や正規の就労は難しい。ミャンマーの人権団体「チン人権機構（CHRO）」のスタッフは「避難生活が長期化すれば難民の中から犯罪に手を染める人が出てくるかもしれない。そうなれば地元の人との関係も難しくなる」と懸念する。</p>
<p>　「今はミゾラムの人たちも同情して無料で土地を貸してくれているが、この場所にいつまで暮らし続けられるかわからない」。100世帯が集まるキャンプの男性リーダー（53）も不安を吐露する。男性は暮らしていた村に国軍が迫り、ミャンマー国内で一時避難した後に安全な場所を求めてインドへと逃げてきた。最初に寝泊まりしていた場所は土地の売却に伴って立ち退きを強いられ、今の場所は自ら地主と交渉してキャンプ設営の許可を得た。明日も見通せない各地を転々とする暮らしの中で、学業を断念した20歳と18歳の息子らの将来も気がかりだ。「薬物や酒の誘惑が心配だ」。そう言うとしばらく黙り込み、「私たちの国が平和を取り戻すよう国際社会も働きかけてほしい」と訴えた。</p>
<p style="text-align: right;">（<a href="https://dotworld.press/myanmar_refugees_in_indian_border_vol3/">第３回に続く</a>）</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p><p>The post <a href="https://dotworld.press/myanmar_refugees_in_indian_border_vol2/">届かぬ支援　インドに逃れたミャンマー難民の今（第２回）</a> first appeared on <a href="https://dotworld.press">dotworld｜ドットワールド｜現地から見た「世界の姿」を知るニュースサイト</a>.</p><div class='yarpp yarpp-related yarpp-related-rss yarpp-related-none yarpp-template-list'>
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		<title>届かぬ支援　インドに逃れたミャンマー難民の今（第１回）</title>
		<link>https://dotworld.press/myanmar_refugees_in_indian_border_vol1/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[dotworld_admin]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 25 Dec 2024 05:02:29 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[インド]]></category>
		<category><![CDATA[ミャンマー]]></category>
		<category><![CDATA[丹村智子]]></category>
		<category><![CDATA[届かぬ支援]]></category>
		<category><![CDATA[社会を読み解く]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://dotworld.press/?p=16853</guid>

					<description><![CDATA[<p>　ミャンマーでは、2021年の軍事クーデター以降、国軍と武装勢力の戦闘や弾圧を逃れるために、自宅を離れて避難する人々が急増しています。国連は2024年11月27日、避難を強いられた人々の総数が340万人を超えたと発表しま [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<div style="background: #F2EAD4; padding: 15px; border: 0px solid #F2EAD4; border-radius: 10px; word-break: break-all;">
<p>　ミャンマーでは、2021年の軍事クーデター以降、国軍と武装勢力の戦闘や弾圧を逃れるために、自宅を離れて避難する人々が急増しています。国連は2024年11月27日、避難を強いられた人々の総数が340万人を超えたと発表しました。海外に逃れた難民の多くは陸路で国境を越え、タイやインドで避難生活を送っています。</p>
<p>　このうちタイでは、日本をはじめ、各国のNGOがミャンマー人避難民の支援を行っている一方、ミャンマー北西部のチン州から逃れた人々が多く避難するインド・ミゾラム州は、国際社会からの支援がほとんどなく、関心も高いとは言えません。そんななか、インド内務省は12月下旬、治安悪化を理由に、マニプール、ミゾラム、ナガランドの北東部３州への外国人の自由な入域を14年ぶりに禁止。政府から事前許可を取得することを求める通達を出し、人道支援への影響が懸念されています。</p>
<p>　2024年11月にミゾラム州を訪ねたジャーナリストの丹村智子さんが、支援の手が届いていない避難民キャンプで暮らす人々の姿を３回にわたって伝えます。</p>
</div>
<p>&nbsp;</p>
<div style="text-align: center;"><iframe loading="lazy" style="border: 0;" src="https://www.google.com/maps/embed?pb=!1m10!1m8!1m3!1d936235.9771313438!2d93.077968!3d23.562273!3m2!1i1024!2i768!4f13.1!5e0!3m2!1sja!2skh!4v1734755389974!5m2!1sja!2skh" width="400" height="300" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe></div>
<div style="text-align: center;"><span style="font-size: 8pt;">（編集部注）グーグルマップ上は「ゾーカタール」は「ゾークホーサ」と表記</span></div>
<div>&nbsp;</div>
<div>&nbsp;</div>
<p>　木々に囲まれた山肌の一角に、トタン屋根やブルーシートに覆われた粗末な小屋がひしめいていた。「冬はとても寒いが毛布が足りない。夜が明けるまでひたすら我慢している」。難民キャンプで暮らすミャンマー人男性（42）の「住居」の中を見せてもらうと、山で集めた枝や竹で組んだ骨組みはむき出しで、風が吹くと壁代わりのビニールシートがバタバタと揺れた。８畳ほどの広さに家族５人で暮らしているという。ミャンマーと隣接するインド北東部のミゾラム州には、こうした世帯が十数から百数十ほど集まったミャンマー難民キャンプが点在している。</p>
<div>
<div id="attachment_16854" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/52a9df6d00d50c75fa62863487e1d30e.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-16854" class="wp-image-16854" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/52a9df6d00d50c75fa62863487e1d30e.jpg" alt="" width="600" height="400" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/52a9df6d00d50c75fa62863487e1d30e.jpg 2500w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/52a9df6d00d50c75fa62863487e1d30e-300x200.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/52a9df6d00d50c75fa62863487e1d30e-1024x683.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/52a9df6d00d50c75fa62863487e1d30e-768x512.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/52a9df6d00d50c75fa62863487e1d30e-1536x1024.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/52a9df6d00d50c75fa62863487e1d30e-2048x1366.jpg 2048w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></a><p id="caption-attachment-16854" class="wp-caption-text">難民キャンプにある「住居」の内部。このスペースに５人ほどが身を寄せ合って暮らす（2024年11月、インド・ミゾラム州で筆者撮影）</p></div>

<p>　ミャンマーでは2021年２月の軍事クーデター以降、国軍とそれに抵抗する市民や少数民族との武力衝突が続く。戦禍を逃れようと隣国インドに渡ったミャンマー難民は増え続け、2024年10月末現在で７万人に上るとみられる（国連）。同じく国境を接するタイにある難民キャンプと比べ、極めて情報が少ないインド側の実情を取材しようと11月、ミゾラム州に渡った。州都アイザウルと国境の町ゾーカタール（編集部注：グーグルマップ上は「ゾークホーサ」と表記）を拠点に、現地で難民を支援する人々の協力を得て複数のキャンプを訪れた。</p>
<p>　ゾーカタールの中心部からは、幅20～30メートルほどのティアウ川の対岸にあるミャンマー側の町並みが臨める。難民の多くがこの川を歩いて、あるいはオートバイで渡って国境を越えた。</p>
<p style="text-align: center;"><iframe loading="lazy" title="YouTube video player" src="//www.youtube.com/embed/k9QlZAs_Kko?si=HPvbIG8eGkHuk_6v" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe><br>
<span style="font-size: 8pt;">ミャンマーとインドを結ぶ国境の橋を多くの人が往来していた。難民の多くは、その下を流れるティアウ川を渡ってインド側に逃げてきた（2024年11月、インド・ミゾラム州で筆者撮影）</span></p>
<p>　夕暮れ時の難民キャンプでは、隙間だらけの小屋からぼうっと裸電球の灯りが漏れ、屋外には七輪を使って料理をする人々や、じゃれあう子どもたちの姿があった。人のぬくもりは感じられるが、膝をつき合わせて話に耳を傾けると、その言葉や表情には長期化する避難生活による疲労や不安がにじんでいた。「クーデターで生活は一変した。肉体的にも精神的にもつらい日々が続いている。ミャンマーで戦いが始まって以来ずっと食べものが足りず、夜は安心して眠ることができない」。2022年１月からここで暮らす女性（24）は視線を落とした。元いた村は国軍に襲撃され、３,４時間の道のりを歩いて逃げてきたという。夫はミャンマー国内で入院しており離れ離れ。幼い子ども２人を抱えての避難生活で心配は尽きない。</p>
<p>　「食糧は足りず仕事もない。子どもが病気になっても医者に診てもらうお金がない。ミャンマーには帰るに帰れないし、考えていると心が沈む」。キャンプでの生活が４年目に入った男性（43）は憂う。男性の息子（14）は栄養不足のためか体力が落ち、徒歩30分の距離にある学校から帰宅すると１,２時間ぐったりと横になる日々が続いた末に通学を諦めたという。120世帯が暮らすキャンプには避難してきた当初は現地の教会やNGOから毎週か隔週で米の寄付があったが、今は一つの団体から年に一度の寄付があるだけ。「難民が増えすぎて手に負えないのでしょう。来なくなったNGOは時間がたち関心が薄れたのかもしれない」</p>

<div id="attachment_16856" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/824b9e51e07a8819efca945c5d354227-scaled.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-16856" class="wp-image-16856" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/824b9e51e07a8819efca945c5d354227-scaled.jpg" alt="" width="600" height="400" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/824b9e51e07a8819efca945c5d354227-scaled.jpg 2560w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/824b9e51e07a8819efca945c5d354227-300x200.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/824b9e51e07a8819efca945c5d354227-1024x683.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/824b9e51e07a8819efca945c5d354227-768x512.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/824b9e51e07a8819efca945c5d354227-1536x1024.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/12/824b9e51e07a8819efca945c5d354227-2048x1366.jpg 2048w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></a><p id="caption-attachment-16856" class="wp-caption-text">キャンプ内にある調理場。七輪と炭を使って料理する女性達の周りを子どもたちが走り回っていた（2024年11月、インド・ミゾラム州で筆者撮影）</p></div>

<p style="text-align: left;">　難民の多くが、元は農業に従事していた。収入を得る手段は、繁忙期の農作業か工事現場の日雇い労働、わずかな土地を耕して育てた野菜や森で採ったタケノコを売るなど、選択肢は多くない。ほぼ全域が山岳地帯にあり大きな産業もないミゾラム州はそもそも働き口が乏しい。難民キャンプの人々はわずかな仕事を分け合っており、「平均すると１カ月に１日ほどしか仕事にありつけない」（43歳男性）。子どもたちの教育を止めないため、学校を自主運営するキャンプも少なくないが、難民の収入が少なく教員に払う給料や学用品代が不足していた。</p>
<p style="text-align: right;">（<a href="https://dotworld.press/myanmar_refugees_in_indian_border_vol2/">第２回に続く</a>）</p>
<div>
<div style="height: 12px;"><span style="background: #91D8AC; padding: 6px 10px; border-radius: 5px; color: #ffffff; font-weight: bold; margin-left: 10px;">著者プロフィール</span></div>
<div style="padding: 30px 15px 10px; border-radius: 5px; border: 2px solid #91D8AC;">
<p><span style="font-size: 16px;">（にむら・ともこ）1976年生まれ。西日本新聞社記者・デスク。スポーツ紙記者を経てJICA海外協力隊（ボリビア）に参加。現職でマレーシアと韓国・釜山に滞在。ミャンマーとの縁は太平洋戦争のビルマ戦線に加わっていた祖父の日記を見つけたことから。戦争の検証から平和構築、国際関係に関心あり。好きなミャンマー料理はシャンカオスエ（挽肉や砕いた落花生を混ぜて食べる麺）</span><span style="font-size: 16px;">とトーフジョー（ひよこ豆の揚げ豆腐）。</span></p>
</div>
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</div><p>The post <a href="https://dotworld.press/myanmar_refugees_in_indian_border_vol1/">届かぬ支援　インドに逃れたミャンマー難民の今（第１回）</a> first appeared on <a href="https://dotworld.press">dotworld｜ドットワールド｜現地から見た「世界の姿」を知るニュースサイト</a>.</p><div class='yarpp yarpp-related yarpp-related-rss yarpp-related-none yarpp-template-list'>
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		<title>「新幹線方式」を採用したインド高速鉄道の今</title>
		<link>https://dotworld.press/india_bullet_train_progress_2024/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[dotworld_admin]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 26 May 2024 23:44:10 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[インド]]></category>
		<category><![CDATA[土方揚]]></category>
		<category><![CDATA[日本]]></category>
		<category><![CDATA[社会を読み解く]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://dotworld.press/?p=15493</guid>

					<description><![CDATA[<p>　インドで初となる高速鉄道の建設が急ピッチで進み出した。農民を中心とした地主の抵抗により遅れていた用地買収が１月にすべての区間で完了した。当初予定していた2023年の開業を断念し、現在は2026年中の一部区間の開業を目指 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p>　インドで初となる高速鉄道の建設が急ピッチで進み出した。農民を中心とした地主の抵抗により遅れていた用地買収が１月にすべての区間で完了した。当初予定していた2023年の開業を断念し、現在は2026年中の一部区間の開業を目指す。</p>

<div id="attachment_15504" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/aflo_60996662-scaled.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-15504" class="wp-image-15504" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/aflo_60996662-scaled.jpg" alt="" width="400" height="229" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/aflo_60996662-scaled.jpg 2560w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/aflo_60996662-300x172.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/aflo_60996662-1024x587.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/aflo_60996662-768x440.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/aflo_60996662-1536x880.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/aflo_60996662-2048x1174.jpg 2048w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-15504" class="wp-caption-text">インドのアフマダーバードで行われた高速鉄道プロジェクトの起工式で手を振る日本の安倍晋三首相（当時）（左）と、インドのナレンドラ・モディ首相（2017年９月14日撮影）(c) AP/アフロ</p></div>

<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>目玉の一つは国内初の海底鉄道トンネル</strong></span></p>
<p>　「軌道は従来のバラスト（砕石）を敷き詰めるのではなく、インド初のスラブ方式を用いてコンクリートで敷き固める」、「軌道に敷設するレールは続々と現地に到着している」「レールの溶接工を対象とした技術向上を目的としたワークショップが開催された」――。開業の遅れにいらだつ国民をなだめるためか、あるいは高速鉄道に対する国民の期待感を醸成するためか、高速鉄道事業を管理運営するために国が設立したインド高速鉄道株式会社（NHSRCL）は、連日のように工事の進捗状況をSNSなどで発表している。</p>

<div id="attachment_15494" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/60b1a2d99faef3618cbb676cd3fb9250.jpeg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-15494" class="wp-image-15494" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/60b1a2d99faef3618cbb676cd3fb9250.jpeg" alt="" width="400" height="267" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/60b1a2d99faef3618cbb676cd3fb9250.jpeg 1600w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/60b1a2d99faef3618cbb676cd3fb9250-300x200.jpeg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/60b1a2d99faef3618cbb676cd3fb9250-1024x682.jpeg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/60b1a2d99faef3618cbb676cd3fb9250-768x512.jpeg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/60b1a2d99faef3618cbb676cd3fb9250-1536x1023.jpeg 1536w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-15494" class="wp-caption-text">海底トンネル建設工事のための準備トンネル (c) NHSRCL</p></div>

<p>　インド側がとりわけアピールするのは、国内初となる海底鉄道トンネル区間だ。ムンバイ近くを流れるターネクリークという河口の地下25～65mに、長さ21kmにわたるトンネルを建設する。この河口とその周辺地域はフラミンゴとマングローブの保護区であるため、環境に配慮して地下を通すことになった。実際に水面下となるのはせいぜい７km程度だが、前後合わせて21kmという長さを盛んに喧伝している。</p>

<div id="attachment_15495" style="width: 321px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/f311cec7748765e221b6f4b703605d35.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-15495" class="wp-image-15495" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/f311cec7748765e221b6f4b703605d35.jpg" alt="" width="311" height="400" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/f311cec7748765e221b6f4b703605d35.jpg 1107w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/f311cec7748765e221b6f4b703605d35-233x300.jpg 233w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/f311cec7748765e221b6f4b703605d35-795x1024.jpg 795w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/f311cec7748765e221b6f4b703605d35-768x989.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 311px) 100vw, 311px" /></a><p id="caption-attachment-15495" class="wp-caption-text">インド高速鉄道の路線図 (c) NHSRCL</p></div>

<p>　インドの鉄道総延長はおよそ７万kmあり、日本をしのぐ鉄道大国だ。そこへ最新技術を駆使した⾼速鉄道が加わろうとしている。先進国の技術を⽤いてデリー、ムンバイ、チェンナイ、ハイデラバードなどの主要都市を⾼速鉄道で結ぼうとしている。</p>
<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>受注合戦を制して採用された専用線方式</strong></span></p>
<p>　国家規模のビッグプロジェクトとあって、ドイツのシーメンス、フランスのアルストムといった大手鉄道メーカーは、自国の政府と連携しながら受注獲得に動く。日本も官民挙げてプロモーションを開始し、ムンバイ～アーメダバード間の受注にこぎつけた。総延長は508kmで、東海道新幹線の東京～新大阪間（552km）に近似している。ムンバイとアーメダバードの両駅だけでなく、途中駅に周辺人口が多いスーラトやバドダラなどがあることも、新横浜、名古屋、京都といった中間駅を抱える東海道新幹線に似ている。これはつまり、途中駅にも停まることで、より多くの利用者を乗せることができることを意味する。</p>

<div id="attachment_15496" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/1f9836ecb3ffc8243360f69fe9d8b9a2.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-15496" class="wp-image-15496" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/1f9836ecb3ffc8243360f69fe9d8b9a2.jpg" alt="" width="400" height="225" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/1f9836ecb3ffc8243360f69fe9d8b9a2.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/1f9836ecb3ffc8243360f69fe9d8b9a2-300x169.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/1f9836ecb3ffc8243360f69fe9d8b9a2-768x432.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-15496" class="wp-caption-text">アーメダバードに建設中の新駅 (c) NHSRCL</p></div>

<p>　ヨーロッパの高速鉄道では、ターミナル駅の近くで在来線に乗り入れ、ターミナル駅から離れると高速鉄道の専用軌道を走るという仕組みが多いが、ムンバイ～アーメダバード間については、新幹線と同じ専⽤線⽅式が採⽤されることが決まった。最高時速320kmで走行し、所要時間は最速で約２時間７分。12駅が設置され、各駅停車で走行すると所要時間は約２時間58分と見込まれる。アーメダバード、サバルマティ、バドダラの３駅は在来線の駅に併設し、⾼速鉄道と在来線の乗り継ぎを容易にする。ピーク時は20分おき、ピーク時以外は30分おきの運行を想定している。</p>
<p>　ムンバイ側の始発・終着駅は、在来線のターミナル駅であるチャトラパティ・シヴァージー駅に併設するのではなく、同駅から約10km北に離れたビジネス街のバーンドラ・クルラ・コンプレックスに地下駅が新設される。多くの国際企業がオフィスを構えるエリアであり、⾼速鉄道の駅を設置することで将来の発展性が期待できる。また、チャトラパティ・シヴァージー駅が世界遺産に登録されているため再開発が容易ではない、新線を建設するには⽴地条件が良くないといった理由も考慮された。</p>

<div id="attachment_15497" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/d7e3c541e989179030ad378ae103fd7a.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-15497" class="wp-image-15497" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/d7e3c541e989179030ad378ae103fd7a.jpg" alt="" width="400" height="225" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/d7e3c541e989179030ad378ae103fd7a.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/d7e3c541e989179030ad378ae103fd7a-300x169.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/d7e3c541e989179030ad378ae103fd7a-768x432.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-15497" class="wp-caption-text">サバルマティに建設中の新駅（c）NHSRCL</p></div>

<p>　なお、アーメダバード駅は始発・終着駅ではなく、中間駅の位置付けであり、実際の始発・終着駅となるのは、アーメダバードから６km程度北に設けられるサバルマティ駅である。昨年７月には菅義偉・前首相を団長とする経済ミッションがインドを訪れ、サバルマティの新駅予定地を視察している。インド西部を結ぶ各鉄道路線、地下鉄、BRT（バス高速輸送システム）などが乗り入れるほか、オフィスや商業施設としても利用される予定だ。</p>
<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>当初計画を上回ることが必至の総工費</strong></span></p>
<p>　⾼速鉄道の総事業費は約9800億ルピー（約1.8兆円）。そのうち８割は円借款で賄われる。2015年12月に実施された日印首脳会談で覚書が交わされ、翌2016年11⽉の⾸脳会議を受けて同年のうちに設計業務がスタート。2017年９月には安倍晋三首相（当時）が出席して起工式が行われた。</p>
<p>　しかし、工事は順調には進んでいない。その理由は、用地取得の遅れに加え、インド側が線路や駅の仕様について変更の要望をしたためだ。たとえば、当初、東海道新幹線のような盛り⼟を想定していた区間で⽤地買収が進まなかったうえ、斜⾯を動物が通過するリスクがあるという理由から、より狭いスペースで建設できる⾼架区間が採用された。当初計画が⽩紙撤回され練り直しになった駅があるうえ、すべての駅にホームドアが設置されることになった。また、コロナ禍で工事が中断したことも相まって、当初予定していた2023年の開業は断念せざるを得なかった。現在は、508kmの区間のほぼ中間に位置するビリモラ～スーラト間（約60km）で集中的に工事が進められており、早期に完成を図って2026年にこの区間のみ先行的に開業させることを⽬指している。</p>
<p>　また、本来の計画では、車両基地の設置は、ムンバイの隣駅ターネ付近とサバルマティ駅付近の２カ所の予定だった。しかし、ビリモラ～スーラト間を先行開業するとなれば、この区間を走る列車を留置する⾞両基地が必要となる。そこで、急遽、⾞両基地を追加設置することも決まった。総事業費が当初計画を上回ることは必至だ。</p>
<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>インド側の将来的な思惑と日本の安全神話</strong></span></p>
<p>　インド側には、もう一つの思惑がある。それは、「メイク・イン・インディア（インドで作ろう）」の実現である。インドのモディ政権は、外国資本を誘致して国内の製造業を発展させるメイク・イン・インディアというスローガンを掲げている。これに応え、日本政府もジェトロ（日本貿易振興機構）を活用した中小企業のインド進出支援など、さまざまな協力を約束している。</p>

<div id="attachment_15498" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/408e9c86dde3ee48b692ca7b4e68c8ae-scaled.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-15498" class="wp-image-15498" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/408e9c86dde3ee48b692ca7b4e68c8ae-scaled.jpg" alt="" width="400" height="268" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/408e9c86dde3ee48b692ca7b4e68c8ae-scaled.jpg 2560w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/408e9c86dde3ee48b692ca7b4e68c8ae-300x201.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/408e9c86dde3ee48b692ca7b4e68c8ae-1024x685.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/408e9c86dde3ee48b692ca7b4e68c8ae-768x514.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/408e9c86dde3ee48b692ca7b4e68c8ae-1536x1028.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2024/05/408e9c86dde3ee48b692ca7b4e68c8ae-2048x1371.jpg 2048w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-15498" class="wp-caption-text">日本の新幹線E5系 (c)筆者撮影</p></div>

<p>　今回の高速鉄道プロジェクトも、その一つに位置付けられる。土木工事の７割は国内業者が受注しており、国内初の海底鉄道トンネルも、その中に含まれる。さらにインド側が期待しているのは、高速鉄道車両だ。ムンバイ～アーメダバード間を走る⾞両は、東北新幹線⽤のE5系をインド向けにカスタマイズする。特にインドは、気温が高く粉塵も多いことから、車両の側で対策が重要となる。まず10両１編成の列⾞を24編成、つまり240両導⼊する。このうち18編成は日本から輸入するが、残り６編成はインドで組み立てられる。その後、利用者の拡大に合わせて順次、車両を投入する。利用者の増加を見込み１編成の車両数を10両から16両に増やす。運用開始から30年後には、16両を71編成、つまり1136両の車両を導入する計画だ。この追加生産のタインミングでインド側は現地生産に切り替えたい意向だ。</p>
<p>　今回の路線運営が軌道に乗った後は、ほかの７路線でも事業化がスタートする。日本以外の国が受注する可能性もあるが、インド側は、車両はE5系の技術を使い、自前で開発する意向だ。インドの高速鉄道関係者は、「インドで製造すれば、中国よりも安くできる。また、インド製は中国製よりも信頼できると考えている国が、中東やアジアには多い」と、話す。つまり、インドは将来的に高速鉄道車両の輸出を見据えているのだ。</p>
<p>　そのためにも、高速鉄道プロジェクトの端緒となるビリモラ～スーラット間の先行開業は、なんとしても成功させる必要がある。これ以上の工期の遅れは避けたいところだが、完成を急いだ結果、運行後に大きな事故が起きてしまっては、日本の新幹線の安全神話が揺らぎかねない。焦ることなく、万全の体制で臨むべきである。</p><p>The post <a href="https://dotworld.press/india_bullet_train_progress_2024/">「新幹線方式」を採用したインド高速鉄道の今</a> first appeared on <a href="https://dotworld.press">dotworld｜ドットワールド｜現地から見た「世界の姿」を知るニュースサイト</a>.</p><div class='yarpp yarpp-related yarpp-related-rss yarpp-related-none yarpp-template-list'>
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		<title>BRICSサミットで浮き彫りになった脱米国一極体制の動き</title>
		<link>https://dotworld.press/china_india_bris_summit/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[dotworld_admin]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 06 Sep 2023 22:41:17 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[インド]]></category>
		<category><![CDATA[中国]]></category>
		<category><![CDATA[社会を読み解く]]></category>
		<category><![CDATA[福島香織]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://dotworld.press/?p=13441</guid>

					<description><![CDATA[<p>　中国の習近平国家主席は８月21日から25日、今年二度目の外遊として南アフリカのヨハネスブルグを訪問した。中国と南アの国交樹立25周年にあたる国事訪問と、BRICSサミットへ参加が目的だった。今回のBRICSサミットの最 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p>　中国の習近平国家主席は８月21日から25日、今年二度目の外遊として南アフリカのヨハネスブルグを訪問した。中国と南アの国交樹立25周年にあたる国事訪問と、BRICSサミットへ参加が目的だった。今回のBRICSサミットの最大の成果は、加盟国が従来の５カ国から６カ国増え、11カ国になったことだと言える。サミットの席上、習近平氏は「団結と協力によって発展を図り、勇気をもって平和への責任を担う」と題する重要演説を行い、BRICSを今後、さらに拡大し、新たな国際社会の枠組みにおいて中心的な存在となる新興国と途上国の勢力を代表する組織にしていきたいとの方向性を強く打ち出した。一部識者の中には、BRICSが今後、G７（先進国首脳会議）に対抗する新興国およびグロバールサウス陣営として発展を遂げ、世界の脱米国一極体制および脱米ドル機軸体制を進めていくのではないかという見方もある。はたしてBRICSにはそのポテンシャルがあるのか。そして、そのBRICSを率いるのは、習近平体制の中国なのか。</p>

<div id="attachment_13442" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2023/09/aflo_227087479-scaled.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-13442" class="wp-image-13442" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2023/09/aflo_227087479-1024x683.jpg" alt="" width="400" height="267" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2023/09/aflo_227087479-1024x683.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2023/09/aflo_227087479-300x200.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2023/09/aflo_227087479-768x512.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2023/09/aflo_227087479-1536x1024.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2023/09/aflo_227087479-2048x1365.jpg 2048w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-13442" class="wp-caption-text">2023年BRICS首脳会議で、南アのラマポーザ大統領（右から2人目）と挨拶する中国の習近平国家主席（左から2人目）と、インドのモディ首相（右端）(c) AP/アフロ</p></div>

<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>産油国を含む６</strong></span><span style="font-size: 14pt;"><strong>カ国が来年１月より新たに加盟</strong></span></p>
<p>　BRICSサミットで演説した習近平国家主席は、「目下、世界は新たな激動の時代に入り、大調整、大分化、大再編が進められている。BRICSの国々は国際枠組みにおいて重要なパワーを形成している」「（BRICSは）終始、国際的な公平と正義を掲げ、重大な国際地域問題について公正な立場から新興市場国と開発途上国の発信力・影響力の向上に努めてきた」「さらにBRICSは独立自主外交政策の提唱者であると同時に実践者でもあり、重大な国際問題については問題自体の是非から検討を始め、公正な言動を保ち、原則的に取引もしなければ、外部の圧力にも屈せず、他国の言いなりにならない」「（BRICSは）グローバル・ガバナンスの改革をより公正かつ合理的な方向へと発展させ、世界のために確実で安定的、そしてポジティブなパワーを注入する」「中国は、BRICSとともに人類運命共同体の理念を支え、戦略的パートナーシップを強化し、各領域の協力を深め、BRICSの責任として協調して挑戦に対応し、BRICSの責任でよりよい未来を切り開き、ともに現代化の彼岸へと向かおう！」と呼び掛けた。</p>

<div id="attachment_13443" style="width: 460px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2023/09/XV_BRICS_Summit_family_photo.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-13443" class="wp-image-13443" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2023/09/XV_BRICS_Summit_family_photo.jpg" alt="" width="450" height="227" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2023/09/XV_BRICS_Summit_family_photo.jpg 512w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2023/09/XV_BRICS_Summit_family_photo-300x151.jpg 300w" sizes="auto, (max-width: 450px) 100vw, 450px" /></a><p id="caption-attachment-13443" class="wp-caption-text">BRICSサミットで記念撮影する首脳たち。左からブラジルのルラ大統領、中国の習近平国家主席、南アフリカのラマポーザ大統領、インドのモディ首相、ロシアのラブロフ外相 (c) <a href="https://commons.wikimedia.org/wiki/File:XV_BRICS_Summit_family_photo.jpg">wikimediaommons</a></p></div>

<p>　2009年にBRICSが発足した当初、米国ほか先進国の識者たちの多くはここまで巨大なものになるとは思っていなかっただろう。設立時の加盟国であるブラジル、ロシア、インド、そして中国は、確かにいずれも21世紀に著しい発展を遂げた新興国市場だが、政治体制はそれぞれ異なり、地政学的に利害関係もある同床異夢の国々の集まりであるからだ。</p>
<p>　しかし、今回開かれたサミットでは、石油資源大国である中東の３カ国を含む６カ国が来年１月から加盟することが明らかにされた。さらに22カ国が加盟の要望を正式に表明したという。BRICSがこのまま拡大し続け、国際社会の枠組みや秩序の再編成に影響力を持てるかは未知数だとしても、少なくとも米国が世界の頂点に君臨する国際社会の枠組みが変わっていくことを期待している国がそれなりに存在していると言えよう。</p>
<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>新通貨創設と脱米ドル決済の行方</strong></span></p>
<p>　特に国際社会が注目しているのは、BRICS諸国がどの程度本気で、BRICS通貨・R５の創設を検討しているのか、そしてそれが実現可能なのか、ということだろう。R５とは、BRICSに加盟する５カ国の通貨、すなわち、レアル、ルーブル、ルピー、RMB、ランドのそれぞれの頭文字「R」から名付けられた共通通貨で、五カ国通貨のバスケット構造だ。国際通貨基金（IMF）が加盟国の準備資産を補完するために創設した特別引き出し権（SDR）の仕組みを踏襲している。たとえば、人民元が40％、ルピーが25％、ルーブル、レアルが15％、ランドが５％と言った具合にバスケットが構成され、１R5=１SDRに換算される。</p>
<p>　元BRICS銀行副総裁のブラジル人エコノミスト、ポール・バティスタ氏が８月19日にヨハネスブルグで開催されたBRICS統治人文交流フォーラムで発言したところによれば、2022年に新共同通貨のアイデアを提言したのはロシアで、現状、まだ萌芽の段階だという。まず、第一段階として、BRICS新開発銀行（NDB）とBRICS緊急時外貨準備金基金（CRA）の内部会計で米ドルに置き換えるほか、一部政府取引と公式会計記録の評価単位として使用されなければならないが、これは５カ国が合意すれば比較的単純に実施されるという。さらに、金や石油などコモディティをR５の裏付けにするという考えもある。</p>
<p>　発行と流通の責任をどこにおくのか、そして紙幣を発行するのかデジタル通貨にするのか、BRICS中央銀行のような機関を設立する必要があるのか…。そういったことを考え始めると、構想はあまりにも漠然としすぎており、ナンセンスにも思えるが、中国が人民元を国際化させる戦略とリンクさせようとした場合には、まんざらあり得ない話でもないような気もしてくる。</p>

<div id="attachment_13444" style="width: 460px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2023/09/BRICS24Auguastus2023.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-13444" class="wp-image-13444" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2023/09/BRICS24Auguastus2023-1024x371.jpg" alt="" width="450" height="163" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2023/09/BRICS24Auguastus2023-1024x371.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2023/09/BRICS24Auguastus2023-300x109.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2023/09/BRICS24Auguastus2023-768x278.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2023/09/BRICS24Auguastus2023.jpg 1506w" sizes="auto, (max-width: 450px) 100vw, 450px" /></a><p id="caption-attachment-13444" class="wp-caption-text">BRICS2023サミットの様子 (c) <a href="https://commons.wikimedia.org/wiki/File:BRICS24Auguastus2023.jpg">wikimediacommons</a></p></div>

<p>　R５の創設はともかく、脱米ドル決済の動きはBRICS内外で広がっている。実際、米ドルを介さない現地通貨同士の貿易額も増えており、中国は人民元でロシアの原材料の大部分を購入しており、ブラジルもそれに追随している。もっとも、人民元自体が、今は事実上、ドルにペッグされているからこそ、信用を保てているという側面もある。</p>
<p>　注目すべきはBRICSがコモディティ大国の集まりだということだ。新メンバーをみると、サウジアラビア、イラン、そしてUAEと、世界の石油埋蔵量大国が顔を並べている。目下、金の産出量が最も多いのは中国であり、二位がロシア（オーストラリアと同位）、そして南アフリカが８位と、金産出国トップ10のうち３カ国がBRICSメンバーだ。</p>
<p>　BRICSに当初から加盟していた５カ国の人口を合計すると30億人に上り、世界の４割を占める。これに、新加盟国の人口を合わせると世界人口の47％近くに上るが、G７諸国の人口は世界の人口の１割に満たない。</p>
<p>　一方、GDPで見ると、G７は世界のGDPの47％を占めているが、BRICSのGDPは、新加盟国を含めても30兆ドル弱と、世界のGDPの３割に満たない。とはいえ、BRICSのポテンシャルについては、やはりあまり軽んじない方が良さそうだ。</p>
<p>　もっとも、BRICS加盟国は、新メンバーも含め、イランとロシア以外は、米国をはじめ西側諸国との二国間関係も重視しており、米国陣営に対抗するグローバルサウスチーム、という対立構造にはならないだろう、という見方もある。米大統領の安全保障顧問を務めるジェイク・サリバン氏も、「BRICSは、米国をはじめ、その他いかなる西側諸国にとっても、地政学的にはライバルになり得ない」と、コメントしている。</p>
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		<title>ミュージカル『My Life Plan』で伝える自由と平和への願い</title>
		<link>https://dotworld.press/sri_lanka_myanmar_my_life_plan/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[dotworld_admin]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 13 Aug 2022 08:00:34 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[スリランカ]]></category>
		<category><![CDATA[ミャンマー]]></category>
		<category><![CDATA[日本]]></category>
		<category><![CDATA[玉懸光枝]]></category>
		<category><![CDATA[社会を読み解く]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>　内戦から逃れて20年前に日本にたどり着き、いまだに在留資格が認められないスリランカ人男性と、昨年２月にクーデターが起きたミャンマーで軍に抵抗を続ける女子大生をテーマにしたミュージカルの１日限りの公演が８月14日、東京・ [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p>　内戦から逃れて20年前に日本にたどり着き、いまだに在留資格が認められないスリランカ人男性と、昨年２月にクーデターが起きたミャンマーで軍に抵抗を続ける女子大生をテーマにしたミュージカルの１日限りの公演が８月14日、東京・荻窪の小劇場で行われる。劇作家の嶽本あゆ美さんが、日本で精神的にも経済的にも法的にも不安定な状況に置かれている難民認定申請者や、ある日突然奪われた自由と平和を取り戻すために世界各地で声を挙げる人々が、日々、どんな思いで暮らしているのか描いた。１人１人に手に入れたい自分の人生があり、実現したいと願う素敵なライフプランがあることを知ってもらいたい、という思いを舞台にぶつける。</p>

<div id="attachment_11744" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/9e11556b6ca340e2255c69f233f35f0e.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-11744" class="wp-image-11744" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/9e11556b6ca340e2255c69f233f35f0e-1024x683.jpg" alt="" width="400" height="267" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/9e11556b6ca340e2255c69f233f35f0e-1024x683.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/9e11556b6ca340e2255c69f233f35f0e-300x200.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/9e11556b6ca340e2255c69f233f35f0e-768x512.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/9e11556b6ca340e2255c69f233f35f0e-1536x1024.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/9e11556b6ca340e2255c69f233f35f0e-2048x1366.jpg 2048w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-11744" class="wp-caption-text">ミュージカル『My Life Plan』のリハーサルの様子 (c) 萩原美寛</p></div>

<p><br>
<span style="font-size: 14pt;"><strong>壮大な覚悟とささやかな願い</strong></span></p>
<p style="text-align: left;">　「音程が下がらないように目線を上げて」「単語の頭の発音、はっきり開いて」。本番を３日後に控えた夜、シーンごとに照明の光量や２人の立ち位置、BGMの音量などを丁寧に確認した後で行われた通し稽古は、数日前に行われた練習に輪をかけて迫力があった。「強いものが勝ち弱いものは不幸になれという」「未来をあきらめ自由を捨てろという」「なぜならこれは運命」「私はそれを許さない」―。哀愁と悲しみに満ちた旋律とともに劇場に響く２人の歌声からは、自らを鼓舞する壮大な覚悟がひしひしと伝わってくる。だからこそ、男性が「どうか知って下さい。難民になりたくても認めなれない私たちのことを」と呼びかけた後で口にする願いのあまりのささやかさに、胸を衝かれた。<br>
　「認めてもらって、たくさん働いて、皆さんと同じように、自分の人生を手に入れたい。マイ・ライフ・プランを実現させたい。ただ、それだけです」</p>

<div id="attachment_11750" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811194724-scaled.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-11750" class="wp-image-11750" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811194724-1024x768.jpg" alt="" width="400" height="300" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811194724-1024x768.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811194724-300x225.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811194724-768x576.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811194724-1536x1152.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811194724-2048x1536.jpg 2048w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811194724-280x210.jpg 280w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811194724-150x112.jpg 150w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-11750" class="wp-caption-text">スリランカ人男性のリヴィを演じる平良太宣さん（筆者撮影）</p></div>

<p style="text-align: left;">　主人公の一人、スリランカ人男性のリヴィは、故郷を愛するごく普通の青年だ。祖国の名前に「光り輝く島」という意味があることや、生まれ育った村の思い出を話す時の彼は、実に嬉しそうで、少し誇らし気でもある。<br>
　しかし、物心ついた頃から、生活は常に内戦と隣り合わせだった。1983年から26年にわたり政府軍と武装組織「タミル・イーラム解放のトラ」 （LTTE）の闘いが続いた中、学校を辞めて大臣のボディガードをするようになったリヴィは、ある日、自宅の近くにLTTEのアジトがあるのを見つけ、警察に密告したことで恨みを買い、生命を狙われ始める。居場所を転々としながら任務を続けていたが、選挙運動で地方に向かっていた際、大臣を護衛していた10数台の車列の中でリヴィの車だけが銃撃され、彼は腕を負傷、同僚は胸を撃たれて即死した。その後も故郷の村で親戚が相次いで殺害されたため、差し迫った身の危険を感じて逃げるように出国した。</p>
<p style="text-align: left;">　帰国したら殺されるという恐怖とトラウマ、腕の傷の痛みに苦しみながら過ごしてきた日本での年月は20年を超えるが、今もビザは手にできていない。入国管理局に10カ月間収容されていたこともあるが、現在は、一時的に収容を停止し身柄の拘束を仮に解かれた仮放免中で、シェルター施設「アルペなんみんセンター」（神奈川県鎌倉市）に身を寄せながら、３カ月に一度、出頭している。就労や移動の自由はない。３回にわたり提出した難民認定申請はいずれも棄却されたため、現在は不認定処分の取り消しを求めて行政訴訟中だ。劇中では、収容中に病気になり、入管から「薬代がかかって迷惑だ」と責められ、「Go home! Go home!　国へ帰れ！」と執拗に言われたエピソードも明かされる。</p>
<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>不遇の20年に感じた申し訳なさ</strong></span></p>
<p>　劇団四季で音響オペレーターやプランナーとして経験を積んだ後、フリーランスに転向した嶽本さんは、劇作家、演出家として活動しながら演劇集団メメントCを主宰している。<br>
　歴史や社会、地方などの問題を扱った硬派な戯曲を多く手掛け、2021年末には認知症の人の心の内や家族の葛藤を描いた『私の心にそっと触れて』を書き下ろし、上演した嶽本さん。代表作の『太平洋食堂』は、明治天皇の暗殺を企てたなどとして数百人が摘発され、12人が死刑になった明治末期の「大逆事件」について７年かけて取材と執筆し、10年にわたり上演を続けたライフワークでもある。</p>

<div id="attachment_11757" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811192642-scaled.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-11757" class="wp-image-11757" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811192642-1024x768.jpg" alt="" width="400" height="300" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811192642-1024x768.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811192642-300x225.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811192642-768x576.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811192642-1536x1152.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811192642-2048x1536.jpg 2048w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811192642-280x210.jpg 280w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811192642-150x112.jpg 150w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-11757" class="wp-caption-text">悲しみと怒りを込めて「恐怖に負けるな」と歌う（筆者撮影）</p></div>

<p>　リヴィのモデルとなった男性と出会ったのは、プロデュースを手伝うインターネットのニュース番組で難民問題について取り上げたことがきっかけだった。知人が働くアルペなんみんセンターを取材で訪れ、男性にインタビューした。「祖国で起きた内戦から逃れ、九死に一生を得て日本に来た彼が不遇の20年を押し付けられている姿がつらかった」と振り返る嶽本さんが、「日本人として申し訳ない」という思いに駆られて書き下ろしたのが、「マイ・ライフ・プラン」だった。</p>
<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>「恐怖からの解放」</strong></span></p>
<p>　舞台では、もう一つの闘いも描かれる。昨年２月１日にクーデターが起きたミャンマーで、軍に抵抗を続ける市民の姿だ。抗議の意思を表すために、人々が実際に夜ごと窓辺で打ち鳴らした鍋や釜のフタの金属音が劇場に響く中、現地の女子大生サラが、リヴィと共に「freedom from fear」「恐怖に負けないで 取り戻せ自由 この心を武器に」と歌う。自分の中にある恐怖心こそが監獄であり、その檻から自分を解き放つことで真に自由になれる、というアウンサンスーチー氏の言葉だ。<br>
　後半で再び登場するサラは、国民防衛隊（PDF）のナースとして、爆弾や地雷で傷ついた人々の応急処置をしている。しかし彼女は、決して高揚しているわけでも、血気にはやっているわけでもない。非暴力で抗議するデモ隊に容赦なく銃弾が浴びせられ、人々が迫害され、家を燃やされ、女の子がレイプされ、何も分からない子どもたちまでも殺されていく中、「こんなひどいことをする人たちに反撃することが私たちの使命」「最後まで戦い抜くと決めた」と語る表情には、強い怒りと深い悲しみがないまぜになった苦渋の色が浮かぶ。</p>

<div id="attachment_11752" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811194457-scaled.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-11752" class="wp-image-11752" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811194457-1024x768.jpg" alt="" width="400" height="300" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811194457-1024x768.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811194457-300x225.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811194457-768x576.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811194457-1536x1152.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811194457-2048x1536.jpg 2048w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811194457-280x210.jpg 280w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/08/IMG20220811194457-150x112.jpg 150w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-11752" class="wp-caption-text">ミャンマー人女性のサラを演じる内野友満さん（筆者撮影）</p></div>

<p><br>
　追い詰められ、後には引けない覚悟を固めたサラの独白の基になった１通の手紙がある。軍による弾圧で負傷した人や、医療崩壊で治療を受けられない人に医療支援を届けるために現地に住む日本人医療者らを中心に結成された支援団体で活動を続けてきた日本人のメイさん（仮名）の手元に、今年の６月下旬に届いたという。嶽本さん自身はそれまで武力に武力を用いて反撃することに漠然と違和感を抱いていたが、前出のニュース番組でメイさんからその話を聞いた嶽本さんは、「非暴力がいくところまでいき、若者が人生を賭して闘っている事実に大変驚いた」ことから、急きょ、脚本に盛り込むことにした。</p>
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		<title>スリランカ経済危機の陰に中国あり</title>
		<link>https://dotworld.press/sri_lanka_economic_crisis_and_china/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[dotworld_admin]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 25 Apr 2022 06:41:09 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[スリランカ]]></category>
		<category><![CDATA[中国]]></category>
		<category><![CDATA[社会を読み解く]]></category>
		<category><![CDATA[福島香織]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://dotworld.press/?p=11322</guid>

					<description><![CDATA[<p>　独立以来、史上最悪と言われる経済危機に見舞われているスリランカ。中国は今月19日、同国に対して緊急人道支援を行うと発表した。だが、今、スリランカが直面している経済危機を招いたのは、ほかでもない中国だと言って過言ではない [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p>　独立以来、史上最悪と言われる経済危機に見舞われているスリランカ。中国は今月19日、同国に対して緊急人道支援を行うと発表した。だが、今、スリランカが直面している経済危機を招いたのは、ほかでもない中国だと言って過言ではない。むしろ、こうした中国が要因の危機が、今後、世界各地で勃発することによって、国際社会のフレームワークの大きな転換が起きる可能性がある。</p>

<div id="attachment_11334" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/aflo_186525307-scaled.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-11334" class="wp-image-11334" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/aflo_186525307-1024x683.jpg" alt="" width="400" height="267" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/aflo_186525307-1024x683.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/aflo_186525307-300x200.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/aflo_186525307-768x512.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/aflo_186525307-1536x1024.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/aflo_186525307-2048x1365.jpg 2048w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-11334" class="wp-caption-text">ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領の辞任を求めて、コロンボ市内のマヒンダ・ラジャパクサ首相の公邸のフェンスに白旗が掲げられた（2022年４月23日、コロンボで撮影）© AFP/アフロ</p></div>

<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>破綻した政治と社会</strong></span></p>
<p>　スリランカでは今、経済危機に伴って社会が大きく揺れている。燃料の値上げに対する激しい抗議活動も起きており、３月31日にはゴタバヤ・ラジャパクサ大統領の私邸が襲撃されて、群衆と警官隊が衝突。翌４月１日には、非常事態宣言が出された。その後、４日までに大統領と実兄のマヒンダ・ラジャパクサ首相を除く全閣僚が辞任し、政治的にも混乱が続いている。19日には、抗議する群衆に警官隊が発砲し、一人が死亡する事態にまで発展した。</p>
<p>　通貨の暴落も著しい。３月初めに１ドル203スリランカルピー（約78円）だった現地通貨は、今や335スリランカルピー（約128円）まで落ち、昨年８月に20億ドル（約2569億3731万円）以上あった外貨準備高も、今年３月末には17.24億ドル（約2214億8400万円）となった。2022年内が返済期限の債務も70億ドル（約8992億9700万円）に上るという。こうした状況を受けて、スリランカ政府は４月12日、対外債務の返済の大半を停止し、事実上のデフォルト宣言を行った。IMF（国際通貨基金）への緊急支援も要請するが、その履行には半年ほど要すると見られており、各国に対してつなぎ支援を要請している。</p>
<p>　中国人民日報傘下のタブロイド紙である環球時報が現地から伝えるところによれば、首都コロンボの市場では、米やミルク、ガソリンをはじめ、ほぼすべての生活物資の価格が高騰しているにも関わらず、唯一、賃金だけが上がっておらず、庶民の生活を直撃しているという。</p>
<p>　同紙の報道の通り、2019年に１キロ100スリランカルピー（約38円）だった主食のコメの価格は200スリランカルピー（約76円）を超え、ガソリン代も１リットル137スリランカルピー（約52円）から約254ルピー（約97円）に値上がりしているのに対し、コロンボ市の高級警官官僚の月給は10万ルピー（約３万8300円）のまま、変わっていない。停電も、毎日、数時間は続くために食事を作ることすらままならならない上、外貨不足でガソリンの輸入も滞っており、ここ数週間、市内のほぼすべてのガソリンスタンドに、ガソリンを求める人々が長蛇の列をなしているという。</p>

<div id="attachment_11323" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/pexels-andreas-schmolmueller-3869004.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-11323" class="wp-image-11323" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/pexels-andreas-schmolmueller-3869004.jpg" alt="" width="400" height="266" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/pexels-andreas-schmolmueller-3869004.jpg 640w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/pexels-andreas-schmolmueller-3869004-300x200.jpg 300w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-11323" class="wp-caption-text">スリランカには遺跡をはじめ、さまざまな人気観光地がある© Andreas Schmolmueller / Pexels</p></div>

<p>　この理由として、前出の環球時報はスリランカの最大の外貨獲得産業だった観光業が、2019年４月の連続爆破テロ事件を機に落ち込んでいたところにコロナ禍に見舞われた上、今年２月にロシアがウクライナに軍事侵攻したことを挙げる。以前はスリランカを訪れる観光客の３割が、ロシアやウクライナ、ポーランド、ベラルーシから来ていたためだ。ロシアが侵攻に踏み切った時にスリランカ国内に滞在していた数千人のウクライナ人観光客は、今も足止めされたままだ。一方で、燃料価格の世界的な高騰により、スリランカの外貨準備はあっという間に底をつきてしまった、と同紙は指摘する。</p>
<p>　スリランカの外貨獲得手段は、観光業以外に、アパレル輸出や、海外に住むスリランカ人からの送金などもあるが、いずれもコロナ禍の影響から収縮したまま、復活していない。</p>
<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>「影響力を買う」投資</strong></span></p>
<p>　しかし、スリランカ社会の混乱の原因はコロナ禍やウクライナ情勢だけではない。もっと大きな要因がある。それは、「一帯一路」構想を掲げる中国の「債務の罠」である。中国に言わせれば、スリランカの債務のほとんどは国際市場を通じたものであり、スリランカ危機を中国のせいにされるのは不条理だという。だが、中国がスリランカ政府の腐敗を助長し、政治構造の中に巧妙にその存在を浸透させてきたことは、疑いない。</p>
<p>　また、スリランカ市民が生活苦から激しい抗議運動を展開しているその背後で、中国企業は「一帯一路」構想の下で高速道路や港湾、石油精製所建設に投資し、工事を継続している。これは中国の経済的な利益のためでもなければ、スリランカのためでもなく、中国の戦略的な価値、特に軍事戦略的な価値に従った判断だと言われている。</p>
<p>　最大都市コロンボに本部がある政策代替センター長のパイキアソティ・サラヴァナムトゥ氏は、オーストラリアのABCニュースのインタビューに答えて「スリランカにこれまで巨額の投資を行ってきた中国は、すでにスリランカの政治構造の一部となっている。どの政党が権力を握っているかにかかわらず、今後もスリランカにとどまり続けるだろう」と指摘。その上で、「中国は、北京にとって戦術的に重要なプロジェクトを実施するために、脆弱な国々に巨額の融資を行ってきたが、それは融資先の国々や国民に何の見返りも与えず、経済問題の解決にもつながらない。ただ、中国がその国への影響力を買う状況となっている」と解説する。</p>

<div id="attachment_11324" style="width: 277px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/tharoushan-kandarajah-KtDXt7DyfVM-unsplash-1.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-11324" class="wp-image-11324" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/tharoushan-kandarajah-KtDXt7DyfVM-unsplash-1.jpg" alt="" width="267" height="400" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/tharoushan-kandarajah-KtDXt7DyfVM-unsplash-1.jpg 640w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/tharoushan-kandarajah-KtDXt7DyfVM-unsplash-1-200x300.jpg 200w" sizes="auto, (max-width: 267px) 100vw, 267px" /></a><p id="caption-attachment-11324" class="wp-caption-text">スリランカの最大都市コロンボを臨む © Tharoushan Kandarajah / Unsplash</p></div>

<p>　中国の一帯一路構想は2015年に正式に打ち出されたが、それ以前から、インド洋をめぐるシーレーンの防衛要衝地に「影響力を買う」ための、戦略的で戦術的な投資が行われてきた。</p>
<p>　スリランカについて言えば、シンハラ・スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ（LTTE）の30年に渡る内戦を2009年に終結させた後、当時のマヒンダ・ラジャパクサ大統領（現首相）と弟、側近らが政権を牛耳る状態になった。中国は、スリランカがラジャパクサ政権による戦後復興ブームに沸く中、「現金を持って、スリランカを助けるふりをしてやってきた」という。ラジャパクサ家の地元、ハンバントタで港湾工事が着工したのは、その翌年だ。</p>
<p>　中国は、スリランカ政府とLTTEの双方に対して2011年に提出された、残虐行為による戦争犯罪と人道に対する罪についての説明責任と国際調査実施を求める動議案に棄権票を投じた。一般市民や病院など非軍事施設に対する攻撃、国内避難民の人権侵害、紛争地域外でのメディア、政府批判者への人権侵害が告発されていたスリランカ政府を、外交的に擁護したのだ。</p>
<p>　戦争や紛争、あるいは国際的な非難に直面する国を外交的に支援しながら、自国に有利な形で投資交渉を進め、その国に対する影響力を買う中国のやり方は、一帯一路がスタートする前からこうして試行錯誤されてきたのだ。</p>
<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>返済不能に陥り事実上の譲渡</strong></span></p>
<p>　中国とスリランカ当局は2017年、中国国有企業の招商局港口がスリランカ南部ハンバントタの深海港を11億ドル（約1413億1552万円）あまりで99年間租借する契約に調印した。この港を建設する約13億ドル（約1670億925万円）の費用の大半は中国からの融資であり、最高6.3％に上る高金利だった。結局、スリランカは返済ができなくなり、リースの形で中国に事実上「譲渡」されることになったことから、中国の「債務の罠」の典型例と見なされた。</p>

<div id="attachment_11325" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/640px-Hambantota_Port.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-11325" class="wp-image-11325" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/640px-Hambantota_Port.jpg" alt="" width="400" height="300" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/640px-Hambantota_Port.jpg 640w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/640px-Hambantota_Port-300x225.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/640px-Hambantota_Port-280x210.jpg 280w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/640px-Hambantota_Port-150x112.jpg 150w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-11325" class="wp-caption-text">ハンバントタ港（2013年９月撮影）© Deneth17 / Wikimedia Commons</p></div>

<p>　このハンバントタ港は、今後、中国人民解放軍によって使用される可能性がある。中国側はあくまで商業港として運営すると約束しているが、南シナ海に建設した人工島も、当初は軍事目的ではないと言っていたにも関わらず20以上の軍事基地を造った中国の言い分を信じるわけにはいかない。</p>
<p>　ちなみに、このハンバントタを奪った中国の手口は、2018年６月26日付のニューヨークタイムズ紙に詳しい。記事では、2015年の選挙の時に中国港口建設がラジャパクサ政権に大量の選挙資金を提供し、取り込む様子が明らかにされた。</p>
<p>　目下の激しい市民抗議活動の背景にも、中国と癒着するゴダバヤ・ラージャパクサ大統領（マヒンダ首相の弟）に対する不満があることは、大統領私邸が襲撃のターゲットになったことからも分かるだろう。前出のサラヴァナムトゥ氏は、ABCのインタビューで「中国はすでにスリランカの政治構造の一部であり、彼らを取り除く方法はない」とも指摘している。中国がこの10年にわたりスリランカにインフラ投資の名目で貸し付けてきた資金は、50億ドルを下らない。</p>
<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>「債務の罠」の二面性</strong></span></p>
<p>　厳しい経済危機に直面しているにもかかわらず、スリランカは４月中旬になるまでIMFに支援を要請することを嫌がった。厳しい緊縮財政を求められるからだ。その代わりに頼ったのが、中国だ。中国は昨年、シンジケートローン13億ドル（約1670億925万円）に加え、スリランカの財政危機を緩和するために元建て15億ドル（約1927億298万円）のスワップ協議に調印。これによって、11月に16億ドル（約2055億4985万円）まで減っていたスリランカの外貨準備高は一時的に30億ドルに増えたが、それは、たとえて言うなら薬物依存症に薬物をさらに打って廃人にするようなものであり、自力で立ち直る気力を失わせるものだろう。</p>

<div id="attachment_11326" style="width: 310px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/chamindu-perera-okHJmxuamkI-unsplash.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-11326" class="wp-image-11326" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/chamindu-perera-okHJmxuamkI-unsplash.jpg" alt="" width="300" height="400" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/chamindu-perera-okHJmxuamkI-unsplash.jpg 640w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/04/chamindu-perera-okHJmxuamkI-unsplash-225x300.jpg 225w" sizes="auto, (max-width: 300px) 100vw, 300px" /></a><p id="caption-attachment-11326" class="wp-caption-text">コロンボ市街を歩く市民 Chamindu Perera / Unsplash</p></div>

<p>　「債務の罠」と言われるこうした状況は、決して途上国側が一方的に罠にはめられたのではなく、途上国の政権当事者が個人の政治的および経済的な利益から、罠を理解した上で自ら中国の軍門に下ったと見られる部分もあるから、ややこしい。</p>
<p>　ABCニュースは、インドのムンバイにあるタタ研究所のエコノミスト、R・ラムクマール教授の「（こうした状況は）南アジア地域を横切って構成される大規模な商業契約であり、これらの国々は中国の融資の恩恵を受けたいのだ」というコメントも紹介している。</p>
<p>　デフォルトを回避することが不可能な状況になってから、スリランカはようやくIMFやその他の国々に支援を依頼した。これに応えてインドはスリランカの中国依存度を少しでも減らすべく20億ドル（約2569億3731万円）相当の金融支援の準備をしていると言われるが、スリランカはさらに中国にも金融支援を求めた。駐中国スリランカ大使は、25億ドル（約3211億7163万円）相当の資金を支援する確約をしているとブルームバーグなどに説明している。中国はまさしく経済危機に乗じてスリランカ支配を強化していると言える。</p>
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		<title>データ植民地主義で脅かされる難民の尊厳</title>
		<link>https://dotworld.press/us_digital_colonialism_and_refugee_dignity/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[dotworld_admin]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 10 Feb 2022 03:41:46 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[アメリカ]]></category>
		<category><![CDATA[バングラディシュ]]></category>
		<category><![CDATA[バングラデシュ]]></category>
		<category><![CDATA[ミャンマー]]></category>
		<category><![CDATA[岩田太郎]]></category>
		<category><![CDATA[社会を読み解く]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>　先進国の援助機関は、難民の認定や識別のために、途上国の受益者の住所や家族構成などの詳細な個人情報から、指紋や虹彩などの生体情報までデータベース化している。ところが、こうした最もプライベートなはずのデータが漏洩し、あろう [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p>　先進国の援助機関は、難民の認定や識別のために、途上国の受益者の住所や家族構成などの詳細な個人情報から、指紋や虹彩などの生体情報までデータベース化している。ところが、こうした最もプライベートなはずのデータが漏洩し、あろうことか難民に敵対する現地政府や統治者の手に渡ってしまう事例が相次ぎ、問題化している。なぜこのような事態が起こっているのか。どうすれば守るべき弱者を守れるのか、整理する。</p>
<p>（＊編集部注：本稿と併せ、昨年10月に好評いただいた<a href="https://dotworld.press/us_digital_colonialism/">デジタル植民地主義</a>に関する分析もぜひご一読ください）</p>
<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>51万5000人分以上が流出</strong></span></p>
<p>　赤十字国際委員会（ICRC）は１月19日、スイスのデータ保管業者に預けていた51万5000人以上の国際難民の個人情報が、正体不明のハッカーからサイバー攻撃を受けて盗まれたことを発表した。これらの難民たちは、紛争や移住、災害などで家族と離ればなれになった「非常に弱い立場にある」人たちだ。<br>
　ICRCによれば、今回漏洩された情報には、氏名、所在地、連絡先に加え、「認証情報」が含まれていたという。「認証情報」とは、人間の最も個人的な領域に属する指紋や虹彩などの生体データを指すと思われる。難民たちは、出身国や居住国において迫害や脅迫を受けないために、およそ考え得る最大限の保護が必要なはずのデータを盗られ、身の安全が危険にさらされる立場に追い込まれてしまったのである。</p>

<div id="attachment_10755" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/29d3bc99193cb0b837fb8cc53f050ae5-2.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-10755" class="wp-image-10755" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/29d3bc99193cb0b837fb8cc53f050ae5-2.jpg" alt="" width="400" height="267" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/29d3bc99193cb0b837fb8cc53f050ae5-2.jpg 627w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/29d3bc99193cb0b837fb8cc53f050ae5-2-300x200.jpg 300w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-10755" class="wp-caption-text">虹彩は、最も個人的な生体データのひとつだ（Pexels）</p></div>

<p>これだけでも由々しき事態であるが、残念なことに、それは氷山のごく一角に過ぎない。データ流出の背景に多くの国際機関の無責任と怠慢があることは以前から繰り返し指摘されていたにもかかわらず、手間もカネもかかる解決策が採られて来なかったことを雄弁に物語る事例だと言えよう。<br>
　テクノロジーの適正な利用推進のために活動する国際NPO「エンジンルーム」の副代表を務めるザラ・ラーマン氏は2017年10月、国連難民高等弁務官事務所（UNHCR）がバングラデシュに逃れた隣国ミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャの生体データや写真をデータベースに登録していることについて、「これらのデータの提供と支援が交換条件になっていると信じた難民が、不本意にデータ提供する立場に追い込まれる可能性が高い」と指摘していた。<br>
　さらにラーマン氏は、「いったん登録されたデータを消去してもらうことは不可能に近く、取り扱いや管理に懸念がある」「故国ミャンマーで迫害される怖れから帰還を望まない難民をバングラデシュから強制送還するために使われる恐れがある」と指摘していた。<br>
こうした心配は、現実のものとなった。難民の人権を擁護する立場にあるはずのUNHCRが、これらのデータを難民の世話をする現地バングラデシュ政府と共有していたのである。</p>

<div id="attachment_10756" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/7d6fddc4d5f4457e598413974089fe73.png"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-10756" class="wp-image-10756" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/7d6fddc4d5f4457e598413974089fe73.png" alt="" width="400" height="267" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/7d6fddc4d5f4457e598413974089fe73.png 619w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/7d6fddc4d5f4457e598413974089fe73-300x200.png 300w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-10756" class="wp-caption-text">着の身着のまま逃れてきた難民たちの身分証明は、支援側にとり困難な問題をもたらす。写真は、ロヒンギャ難民たち。(c)<a href="https://www.unrefugees.org/news/rohingya-refugee-crisis-explained/">UNHCRのHP</a>より</p></div>

<p>　ところが、難民収容の負担を好まず、ロヒンギャをミャンマーに追い返したいバングラデシュ政府が、共有された少なくとも83万人分のデータを、あろうことか、難民を迫害するミャンマー軍政に対し提供していたことが、2021年に<a href="https://www.hrw.org/news/2021/06/15/un-shared-rohingya-data-without-informed-consent">明るみ</a>に出たのだ。もちろん、本人たちの同意は得ずに、だ。</p>
<p>　国内のロヒンギャ取り締まりを強化したいミャンマー軍政は、83万人の中から「本国送還の要件を満たす」４万2000人の引き渡しを要請した。しかし、ロヒンギャたちの「われわれはミャンマー国民である」という主張が認められていないため、送還された後は適正な扱いを受けられない可能性が高い。</p>
<p>　バングラデシュとミャンマーは、1970年代と1990年代にも同様の本国送還を共同して行っており、両国政府の変わらぬ姿勢に照らせば、UNHCRは最初からデータをバングラデシュ政府と共有してはならなかったはずである。</p>
<p>　ラーマン氏は、国連の難民のデータ保護に関する無責任さを評して「尊厳と人格の蹂躙だ」「欧州人の個人データであったなら、このような扱いを受けたとは絶対に考えられない」と厳しく批判した。</p>

<div id="attachment_10757" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/cbf5b9f60da99bf791c0aa12a770f429.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-10757" class="wp-image-10757" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/cbf5b9f60da99bf791c0aa12a770f429.jpg" alt="" width="400" height="266" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/cbf5b9f60da99bf791c0aa12a770f429.jpg 692w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/cbf5b9f60da99bf791c0aa12a770f429-300x200.jpg 300w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-10757" class="wp-caption-text">難民たちの命は、国際社会からの支援なしには維持できない。そこに、支援側との権力の非対称性が生まれやすい。写真は、難民キャンプを歩くシリア人のこども (c) Pexels</p></div>

<p>　加えてUNHCRは、米国定住を希望する難民の個人情報および生体データを2019年から本人の同意なしで米国土安全保障省に提供し始めている。これらのデータは、情報機関をはじめ、国防総省や各自治体の警察などと共有され、仮に難民申請が認められなくても、データは米政府の管理下に残される。受け入れ国が指紋や虹彩データを要求するのは、難民を潜在的な犯罪者やテロリストとして見ている証左であり、それらが悪用されない保証はない。</p>
<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>援助機関の都合で進む収集</strong></span></p>
<p>　ここまで読んだ読者の多くは、おそらく「そもそもなぜ国連の人権機関が、生体情報が必要だと考えるのか」「なぜ国連やその人権機関は、最もプライベートな指紋や虹彩などの生体データを侵襲的な方法で収集し、あまつさえ各国政府に渡すことが許されるのか」と疑問に思うであろう。</p>
<p>　そうした疑問に対し、ハーバード大学の人道イニシアティブ（Harvard Humanitarian Initiative）のリア・ウェイド氏が、分かりやすい<a href="https://hir.harvard.edu/new-technologies-that-monitor-displaced-persons/">解説</a>を出している。それによれば、UNHCRは全世界で3000万人以上の難民に身分証明書を発行しており、このIDカードこそ、国際社会からの食料支給や、住宅・教育・援助金給付・定住斡旋などを受けるためのパスポートになっているのだ。</p>
<p>　もっとも、それだけなら指紋や虹彩データは必要ないように思える。しかし、限られた人員と資源で運営される難民支援活動には、効率性が求められる。そこに、侵襲的かつ監視的なテクノロジーが入り込む余地が生まれるのである。こうしてUNHCRは、2004年から段階的に生体情報を採用するようになった。</p>

<div id="attachment_10759" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/11230032_998359156912882_28870986715847245_n.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-10759" class="wp-image-10759" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/11230032_998359156912882_28870986715847245_n.jpg" alt="" width="400" height="225" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/11230032_998359156912882_28870986715847245_n.jpg 616w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/11230032_998359156912882_28870986715847245_n-300x169.jpg 300w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-10759" class="wp-caption-text">ヨルダン国境でシリア人難民のこどもたちにビスケットやジュースを配るUNHCRのスタッフ（c）<a href="https://www.facebook.com/UNHCRThailand/photos/%25E0%25B8%25AA%25E0%25B8%2599%25E0%25B9%2583%25E0%25B8%2588%25E0%25B8%2597%25E0%25B8%25B3%25E0%25B8%2587%25E0%25B8%25B2%25E0%25B8%2599%25E0%25B8%2581%25E0%25B8%25B1%25E0%25B8%259A-unhcr-%25E0%25B8%25A1%25E0%25B8%25B1%25E0%25B9%2589%25E0%25B8%25A2%25E0%25B8%2584%25E0%25B8%25B0-%25E0%25B9%2580%25E0%25B8%25A3%25E0%25B8%25B2%25E0%25B8%2581%25E0%25B8%25B3%25E0%25B8%25A5%25E0%25B8%25B1%25E0%25B8%2587%25E0%25B9%2580%25E0%25B8%259B%25E0%25B8%25B4%25E0%25B8%2594%25E0%25B8%25A3%25E0%25B8%25B1%25E0%25B8%259A%25E0%25B8%259C%25E0%25B8%25B9%25E0%25B9%2589%25E0%25B9%2580%25E0%25B8%258A%25E0%25B8%25B5%25E0%25B9%2588%25E0%25B8%25A2%25E0%25B8%25A7%25E0%25B8%258A%25E0%25B8%25B2%25E0%25B8%258D%25E0%25B9%2583%25E0%25B8%2599%25E0%25B8%2594%25E0%25B9%2589%25E0%25B8%25B2%25E0%25B8%2599%25E0%25B8%2595%25E0%25B9%2588%25E0%25B8%25B2%25E0%25B8%2587%25E0%25B9%2586%25E0%25B9%2580%25E0%25B8%259E%25E0%25B8%25B7%25E0%25B9%2588%25E0%25B8%25AD%25E0%25B8%2597%25E0%25B8%25B3%25E0%25B8%2587%25E0%25B8%25B2%25E0%25B8%2599%25E0%25B9%2580%25E0%25B8%259E%25E0%25B8%25B7%25E0%25B9%2588%25E0%25B8%25AD%25E0%25B8%25A1/998359156912882/">UNHCR　Thailand/Facebook&nbsp;</a></p></div>

<p>　例えば、シリア難民の虹彩を受入国の指定金融機関ATMのスキャナーで読み取り、割り当てられた現金を即座に引き出せるIrisGuardという仕組みが構築されている。身分を証明する書類をデジタル化された指紋・虹彩・顔面スキャンのデータに置き換えることにより、難民本人しか持っていない個体の特徴でサービスを瞬時に提供できる上、確認のために他言語で会話する必要もなく、書類を偽造した詐欺も防げるため、効率が良いわけだ。<br>
　さらに、シリア難民が隣国ヨルダンの食料品店で食料を受け取る時も虹彩認証によって本人確認を行えるなど、「生体情報パス」には、非常に弱い立場にある難民が生きてゆくために必須の営みの大半を代替えできる利点がある。また、国連世界食糧計画（WFP）など別の機関が支援を行う際に事務作業が重複するというムダをなくし、規格統一もできる。極めて合理的な、「決済アプリの難民版」とも言える仕組みだと言えよう。<br>
　こうして援助活動家たちもシステムに組み入れられ、彼らが生体情報を採集するUNHCRの下請け的な役割を担うようになっているのだ。</p>
<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>非対称的な権力構造</strong></span></p>
<p>　しかし、国際機関の援助活動を極限まで効率化できるテクノロジーは、あくまでこれらの組織の都合の上に組み立てられたものであり、難民の利益を害する場面も多い。</p>

<div id="attachment_10760" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/5e4896966c9944fcf00890f4502605bf.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-10760" class="wp-image-10760" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/5e4896966c9944fcf00890f4502605bf.jpg" alt="" width="400" height="267" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/5e4896966c9944fcf00890f4502605bf.jpg 639w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/5e4896966c9944fcf00890f4502605bf-300x200.jpg 300w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-10760" class="wp-caption-text">指紋採取は、犯罪者に対する扱いを想起させる侵襲的なものだ (c) Pexels</p></div>

<p>　まず、こうしたデータの収集自体、本人たちから同意を得たという体裁を取りながらも、実際には非対称的な権力の構造によって、難民たちが不本意ながら「同意」したり、データの扱いに関する同意の意味を理解せずに「イエス」と答えたりする実態がある。「ノー」と言えば、食料も住宅も教育も支給金も定住斡旋も受けられないという恐れが難民側にあるからだ。難民たちの主体性や尊厳は、そのようにして奪われる。<br>
　また、彼らには、先進国のデータセンターに転送・保管された自らのデータに関する所有権もコントロール権もない。データは十分な同意や確認なしに利用され、共有される。前出のラーマン氏が、ロヒンギャの人々の個人データの扱いについて「これが支援を提供する側である欧州連合（EU）の、一般データ保護規則（GDPR）に守られたヨーロッパ各国の国民のデータであれば、このような（非倫理的な）扱いは絶対に考えられない」と非難するのも、まさにこうした新植民地主義的・人種差別的な背景をかぎ取ってのことだ。</p>

<div id="attachment_10761" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/1efad1b5aa917a846fa5b3fc11367269.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-10761" class="wp-image-10761" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/1efad1b5aa917a846fa5b3fc11367269.jpg" alt="" width="400" height="267" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/1efad1b5aa917a846fa5b3fc11367269.jpg 664w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2022/02/1efad1b5aa917a846fa5b3fc11367269-300x200.jpg 300w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-10761" class="wp-caption-text">難民とテロリズムはイメージ的に結びつきやすく、監視・取り締まり対象になりやすい (c) Pexels</p></div>

<p>　実際、たとえばWFPは、食糧援助目的で収集した生体データを他の国連機関である人道問題調整事務所（OCHA）をはじめ、国際移住機関（IOM）、欧州司法裁判所、欧州人権裁判所、欧州国境沿岸警備機関、EU指紋データベースのEURODACなどと共有しており、さながら支援を隠れ蓑にした「有色人種の潜在的なテロ犯罪者管理」の観を呈している。難民に対する人権侵害は、深刻度を増していると言えよう。<br>
　そもそも援助機関・組織は、生体データを収集する段階で、データがどのように、誰によって、何の目的のために使用されるか、分かりやすく明確に説明しない。これには言語の疎通や通訳の質の問題もあるが、現実的に見て難民に「ノー」の選択肢はない。生きてゆくためには、自分の個体データを「売り渡す」よりほかないのだ。</p>
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		<title>「一帯一路」構想の命運を握る中印関係</title>
		<link>https://dotworld.press/china_india_the_belt_and_road_initiative/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[dotworld_admin]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 22 Sep 2020 23:34:48 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[アメリカ]]></category>
		<category><![CDATA[インド]]></category>
		<category><![CDATA[中国]]></category>
		<category><![CDATA[社会を読み解く]]></category>
		<category><![CDATA[福島香織]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>　８月末、中国とインドの国境に位置するヒマラヤ地域の係争地ラダック地方に中国が侵攻を試みたのを機に、一触即発の状態に陥った中印関係。両国のにらみ合いは、９月10日にモスクワで行われた中印外相会談でいったんは収束したものの [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p>　８月末、中国とインドの国境に位置するヒマラヤ地域の係争地ラダック地方に中国が侵攻を試みたのを機に、一触即発の状態に陥った中印関係。両国のにらみ合いは、９月10日にモスクワで行われた中印外相会談でいったんは収束したものの、同地方では数年にわたり予断を許さない状況が続いており、今後、数カ月内に再び緊張が高まることが懸念されている。</p>

<div id="attachment_6991" style="width: 410px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2020/09/aflo_129533493-scaled.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-6991" class="wp-image-6991" src="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2020/09/aflo_129533493-scaled.jpg" alt="" width="400" height="258" srcset="https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2020/09/aflo_129533493-scaled.jpg 2560w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2020/09/aflo_129533493-300x194.jpg 300w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2020/09/aflo_129533493-1024x661.jpg 1024w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2020/09/aflo_129533493-768x495.jpg 768w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2020/09/aflo_129533493-1536x991.jpg 1536w, https://dotworld.press/cms_wp/wp-content/uploads/2020/09/aflo_129533493-2048x1321.jpg 2048w" sizes="auto, (max-width: 400px) 100vw, 400px" /></a><p id="caption-attachment-6991" class="wp-caption-text">今年６月、中印国境付近のラダックで発生した衝突によって亡くなったインド人兵士のためにニューデリーで開かれた追悼集会と警官の様子 (c) ロイター/アフロ</p></div>

<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>２カ月で再燃した敵意</strong></span></p>
<p>　今回の衝突に先立ち、中国とインド両軍は今年６月にもラダック地方で衝突し、双方に45年ぶりの死者を出した。この時は双方の軍関係者と閣僚級が話し合いを持ち、鎮静化することで合意したため、緊張がゆるんだかに見えた。にも関わらず、わずか２カ月でまた双方の敵意は高まった。</p>
<p>　８月下旬には、中国企業がインドで進めていた直接投資の認可をインド政府がすべて保留することを決定した。この時に保留された案件は、中国の大手民営自動車メーカーである長城汽車によるインド国内の工場買収のほか、インドの有力スタートアップ企業への出資など、175件を上回るという。</p>
<p>　さらにインド政府は、中国や韓国の人気モバイルゲームアプリがインドのサイバーセキュリティに脅威を与えるとして100種類以上を禁止した。６月の時点で禁止されたTikTokやアリババ傘下のUCブラウザ、UCニュースなど59種類のアプリに続く措置だった。それまでインドはTikTokの最大の外国市場だった。</p>
<p>　こうした中印対立が続くなか、再び高まった両国間の緊張は9月7日にピークを迎え、重火器使用禁止の協定を破りラダック地方で1975年以来初めて発砲が起きた。インド側は、中国軍が先に発砲したと非難。かたや中国側は、インド軍が実効支配線を越えてきたことから2～3発の発砲をした、と主張した。どちらも威嚇にとどまり、死傷者や負傷者は出なかったものの、あわや全面衝突かという緊迫感が再び広がった。</p>
<p>　その後、９月10日の中印外相会談の成果を受け、国境付近で拘束されていたインド人５人の身柄が中国側からインド側に引き渡されたが、彼らについても漁師だとするインド側と、漁師に扮したインドのスパイだとする中国側の主張は食い違っていた。</p>
<p>　いずれにせよ、５人の身柄がインド側に引き渡されたことで、９月中にも武力衝突が起こりかねないという差し迫った危機感は免れた。インドのスブラマニヤム・ジャイシャンカル外相が以前、北京駐在大使を務めたことがあり、中国外交部内にかなりの人脈を有していたことが危機の回避に役立ったとも言われている。</p>
<p><span style="font-size: 14pt;"><strong>米国による代理戦争勃発の可能性も</strong></span></p>
<p>　だが、問題の根本的な解決には程遠い。今回のような緩急を繰り返すうちに、いずれ両国の国境で大々的な衝突が起きることは避けられない、との観測が高まっている。背景にあるのは、新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大によってインド経済が被った大きな打撃や、米中対立の先鋭化だ。</p>
<p>　まず、新型コロナウイルスについて言えば、9月中旬時点のインドの感染者数は500万人を超え、死者も10万人に迫る勢いで増加しており、米国に次ぐ「被災国」と言える。コロナ禍によって、国内経済も第二四半期のGDP成長率が前年の同じ時期に比べ24％減と、1980年以来最悪の数値を記録している。</p>
<p>　そうしたインド国内の不安感は、ラダック地方に駐屯している国境警備軍の心情にも影響している。冬が近づき、標高4300ｍ地域の生活環境が厳しさを増すにつれ、「すべて中国が悪い」といった敵意も日に日に増幅しているが、こうした感情は得てして不測の事態を引き起こしやすい上、コロナショックによって国家としての危機管理能力も弱まっているため、うまく対応できず戦争や紛争に発展しかねないリスクをはらんでいる。</p>
<p>　また、ともに現状維持を望んでいる両政権だが、双方の「現状維持」の定義が一致していないという問題もある。しかも、両国とも膨大な人民を擁しており、世論の力は甚大だ。ひとたび政府が弱腰の態度を見せると、彼らは批判の矛先を容赦なく自国の政府に向ける。</p>
<p>　一方、米中対立による影響も大きい。これまで中国とインドの関係は国際社会のバランスの中で現状維持が保たれてきた。インドのモディ政権は反中的だと言われてきたが、かと言って、決して米国寄りというわけでもなかった。</p>
<p>　しかし、国際社会の枠組み自体が大きく変わりつつある中、米中を天秤にかけて駆け引きしてきたインドのバランス外交も難しい局面を迎えている。米国が中国と完全に敵対する方向に舵をきったことで、インドと米国の距離感も変化を余儀なくされているためだ。米国のシンクタンク機関、ランド研究所のデレク・グロスマン研究員は、ドイツ国営放送のドイチェ・ヴェレに出演し、次のように語っている。</p>
<p>　「インドはこれまで米国に対して中印の国境問題に首を突っ込まないようけん制し続けてきた。しかし今、中印が開戦すれば米国はインドを支持するだけでなく、おそらくはインドもそれを歓迎し、中国との戦いに勝利しようとするだろう」</p>
<p>　米中間については、いくら対立が激化しても開戦の可能性は低いとみられているが、中印の国境では常に軍隊がにらみ合っており、いつ戦闘が始まってもおかしくない。もし、米国がそれに乗っかり、代理戦争として利用しようとすれば、以前は米国の介入を嫌がっていたインドも悲願の失地回復のチャンスだと歓迎する可能性があるとの指摘だと言えよう。</p>
<p><p>The post <a href="https://dotworld.press/china_india_the_belt_and_road_initiative/">「一帯一路」構想の命運を握る中印関係</a> first appeared on <a href="https://dotworld.press">dotworld｜ドットワールド｜現地から見た「世界の姿」を知るニュースサイト</a>.</p><div class='yarpp yarpp-related yarpp-related-rss yarpp-related-none yarpp-template-list'>
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