KINOKUNIYAランキング マレーシア紀伊國屋書店提供(Middle Eastern History分野 2024年 3月期)

  • Palestine: A Four Thousand Year History (パレスチナ:4000年の歴史)

    著者:ヌール・マサラ著

    価格:RM65.9(オンライン価格)

     パレスチナの地は、何世紀にもわたって対立する宗教、民族、国家によって争われてきた。歴史についての見解の違いから、「パレスチナ」という名称さえ対立の種となっているほどだ。著者は、独自の情報源と最新の考古学的資料を基に、「パレスチナとは旧約聖書の物語時代に生まれた近代的概念ではなく、その起源は青銅器時代に遡り、有史以前からこの地にはパレスチナ人と独特のパレスチナ文化が存在していた」と述べる。

     そのうえで、本書は、これまでパレスチナの歴史がいかにして聖書の伝承やイスラエル・パレスチナ紛争によって歪められ、神話化されてきたのか、またその結果、なぜ数千年にわたり育まれてきたパレスチナのアイデンティティーが矮小化されてしまったのかを明らかにする。

     

    <マレーシア紀伊國屋書店>

    https://malaysia.kinokuniya.com/bw/9780755649426

     

     

  • General Qasem Soleimani: The Wayfarer Who Ended ISIS (ガーセム・ソレイマーニー:ISISを壊滅させた旅人)

    著者:イルマン・アブドゥルラフマン、アルフィアン・ハムザ、ムサ・カジム共著

    価格:RM 35.00(オンライン価格)

     祖国イランで「英雄」と慕われ、米国からは「テロリスト」「悪の天才」と敵視されたイラン革命防衛隊の特殊部隊Quds(ゴドス)司令官、ソレイマーニー。彼は、ISIS打倒と中東再編における武力闘争の顔として圧倒的な存在感を誇っていたが、米国により暗殺された。一体、ソレイマーニーとは何者だったのか。

     本書は、長く苦悩に満ちた中東の歴史の中で、圧政に抵抗し、不正と闘い、純粋にイスラム革命の理想への奉仕に専念した無私の「心の司令官」という、彼の知られざる側面に焦点を当てている。そのうえで、ソレイマーニーを「卓越した戦略家」、「洞察力あるカリスマ革命家」、かつ「生涯を通じて神の愛を証言し続けた心の旅人」などと評し、その真の人間像を通じて中東情勢を偏見のない真摯な目で見るよう我々に促している。

     

    <マレーシア紀伊國屋書店>

    https://malaysia.kinokuniya.com/bw/9789670957579

     

  • The Hundred Years’ War on Palestine: A History of Settler Colonialism and Resistance, 1917–2017

    著者:ラシード・ハーディリー著

    価格:RM110.85 (オンライン価格)

     米国の中東歴史研究の第一人者が、パレスチナ社会で重要な役割を果たしてきた自身の家族の記録と歴史上の資料に基づき、初めてパレスチナ人の視点からパレスチナ紛争とは何かを語る。著者によれば、パレスチナ問題は1つの土地を巡るイスラエル対パレスチナの紛争ではなく、100年にわたりその時々の帝国(英国、米国、露、仏)がパレスチナ人住民の権利を無視する形で行ってきた「植民地戦争」なのだという。

     戦争は、シオニズム運動に端を発し、イスラエル建国前は英国軍、そして建国後はイスラエル軍によって、常に当時のスーパーパワーであった英国や米国に主導されて行われてきた。イギリスがユダヤ人に対してパレスチナ国家建設を認めたバルフォア宣言から、第一次中東戦争中に委任統治領パレスチナのパレスチナ人が暴力的に追放されたナクバ、イスラエルのレバノン侵攻、数々の実りなき和平プロセスなど、一連の出来事を検証しつつ、民族運動やアラブ諸国の利害も絡まって複雑化したパレスチナ情勢を独自の視点から再評価している。

     

    <マレーシア紀伊國屋書店>

    https://malaysia.kinokuniya.com/bw/9781250787651

     

     

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