「デモを続ける若者たち」
朝になると太陽が昇ってくる
- 2021/4/4
【編集部注:】
軍の弾圧が強まり、街中のデモが少なくなってきたヤンゴン市内の現状と、それでも抗議行動をやめない市民の心情を紹介するFacebook投稿をご紹介します。
~ 以下、Facebook投稿より ~
最近、デモが少なくなってきた。軍の弾圧が強くなり、フラインタヤーのデモでは100人近い(200人以上という説もある)犠牲者が出たこともあった。それ以来、デモは下火になってきた。しかし、完全に止まったわけではない。サンチャウンでは小規模であるが毎日デモが行われている。ここタムエのチャウミャウン地区でもそうだ。
取材でいつも同行しているミャンマー人の友人とひさしぶりに会った。彼は20Kgの飲料水タンクを階段で運んでいたときに腰を痛め、しばらく休んでいたからだ。まだ腰の痛みが癒えていないと言っている彼の運転で現場へ向かった。
ところどころ路上に黒い跡が見えるようになった。タイヤを燃やした跡である。このタイヤは若者たちが燃やしたものだという。車は更に進み、路地へ入った。何度か曲がると、比較的広い道に出た。そこはデモの中心だったのか、バリケード跡の瓦礫やゴミが散乱していた。そして、前方では重機がバリケードを壊していた。
重機の向こうには兵士らしき姿が見えた。どうも、デモ隊を追い払った後だったようだ。私は気づかれないようにカメラを低く構え前方の作業の様子を撮った。友人の運転する車はゆっくり前に進み、重機が作業している交差点を右に曲がった。すると目の前には兵士だらけだった。さすがに私も驚いた。しかし、友人は落ち着いたもので、道を間違ったというジェスチャーをし、車はUターンしてもと来た道を戻っていった。
友人はその場所は慣れていて、どういう時に危ないのか熟知していたようだ。私が見た兵士たちは、ひと仕事終わったような雰囲気で緊張感はあまりなかった。すぐ目の前に10人以上いた兵士たちの姿をカメラで捉えることができなかったのは残念だが、やはり命のほうが大切だ。
ところで、軍に何人逮捕されても何人死んでもデモを諦めない若者たち。なぜそんな無駄なことをやっているのかという声が海外から来ることがある。しかし、彼らは無駄な努力をやっているわけではない。
モバイルインターネット遮断によりニュースや情報が少なくなったといえ、信じられないひどいことが毎日起きているとFacebookが伝えてくる。国民が殺される度にみな涙を流し国軍に憤るが、何も出来ない自分自身がいる。いつまでこんな日が続くのか、夜は特につらく絶望的になったりもする。
しかし、朝になると太陽が昇ってくる。そして、若者たちが声を上げる。その姿にその声にミャンマー人みんなが勇気づけられるのだ。
引用元リンク:https://www.facebook.com/osami.goto/posts/3894745027231201