カンボジアとマレーシア、6つの共通点
マハティール首相の訪問を地元紙はどう伝えたか
- 2019/9/18
マレーシアのマハティール首相が9月初旬、カンボジアを公式訪問した。94歳になるマハティール首相と、いまや東南アジア「最長不倒」指導者となったカンボジアのフン・セン首相が並ぶ姿は、急速な経済成長と社会変化を遂げる東南アジアで、よくも悪くも「変わらぬもの」を私たちに見せつけた感がある。
カンボジアの英字紙クメール・タイムズは9月3日付の社説でマハティール首相の公式訪問を採り上げ、両国の昨今の国際環境における共通点を挙げた。
激動の歴史乗り越えた2人
社説が掲げたマレーシアとカンボジアの共通点は6つある。それは「両国の」というよりも、「二人の首相の」といった方が適切かもしれない。
まず、二人とも「さまざまな困難を乗り越えて」長期にわたり首相の座にあること。マハティール首相はいったん、退任した後、2018年の選挙で「津波級の驚きの当選」を果たした。一方のフン・セン首相は、「数々の政権転覆の試みに抗いながら政権運営を担い、貧困削減や、過去15年間にわたり平均7%の年間経済成長率を維持することに成功した」と、ほめたたえる。
次に社説が挙げたのは、現代史の共通点。マレーシアは共産主義者による反乱に苦しみ、ようやく1989年に終結した、と指摘する。そしてカンボジアは、1970年代以降、1999年に至るまで、クメール・ルージュとのたたかいがあった、としている。「これらの経験から、両首相とも平和と安定が当たり前のものだとは思っていない。それらは獲得され、常に維持されなくてはいけないものだ」