「見せかけの平穏」
壁に集められた抗議のメッセージ

  • 2021/3/22

【編集部注】

軍による弾圧が一層強権化しているミャンマー。最大都市ヤンゴンでは、軍や警察の混成部隊が、時に市民を銃で脅しながら、急ピッチでバリケードの撤去作業を進めたといいます。ここでは、一見、平穏を取り戻したかに見える現在のヤンゴン市内に残る人々の抵抗の意志表示を伝えるFacebook投稿を紹介します。

 ~ 以下、Facebook投稿より ~

  ここ1週間ほどで、ヤンゴンの各地の住民やデモ隊によって築かれたバリケードは当局によって取り払われ、デモができる場所は減っていった。
 ヤンゴン中心部のスーレーパゴダ通りでは、既に警察側のバリケードもなく、警察の姿もまばらと、表面上は日常生活が戻りつつある。

 しかし、よく見ると違いもある。多くの商店はまだ閉まっており、人通りも少ない。
 一時はスーチーさん柄や「革命に勝つぞ」というロゴのTシャツが飛ぶように売れていたこの一帯。Tシャツを売る屋台の青年に、「三本指のデザインはないか」と聞いてみると、目を伏せて首を振り、当たり障りのないまだら模様のTシャツを勧められた。
 デモ隊だけでなく、住民にも容赦なく銃口を向ける兵士らを目の当たりにして、住民たちは自分たちの生活を守るのに必死だ。ヤンゴンを離れる住民も増えてきた。私の行きつけの肉まん店は「従業員を危険なヤンゴンから、田舎に帰してあげたい」と言って、休業を決めた。

タームエ地区の高架橋の下にある、犠牲者を悼む張り紙(筆者撮影)

 そんな中でも、街をあるくと、壁に抗議のメッセージが集められている場所に出会う。これ以上犠牲者を出したくない。それでも意思表示は必要だ。追い詰められる中でも、なんとか抗議の声をあげようとしている人たちがいる。

 

(動画は、ヤンゴンのスーレー交差点近くの路地にあるメッセージ・ナレーション付き、写真はタームエ地区の高架橋の下にある、犠牲者を悼む張り紙)

引用元URL:https://www.facebook.com/yuki.kitazumi.92/posts/4152350048180187

 

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