パキスタンの英字紙がコロナワクチンの集団接種を訴え
「情報共有と啓発通じた副作用への不安解消が急務」

  • 2021/3/21

 新型コロナウイルスのワクチン接種が世界各地で始まった。しかし、どの国でも副反応に関する情報は十分ではなく、不安を募らせる人たちがいる。パキスタンの英字紙ドーンは、2月28日の社説でこの問題について採り上げた。

パキスタンではこれまでに、約58万1000人の感染者が確認されている (c) Artem Podrez /Pexels

希望を取り戻した英国
  パキスタンではこれまでに、約58万1000人の感染者が確認されている。このうち54万6,000人は回復しており、死者は約1万3000人だ。昨年6月には一日あたり6000人を超える新規感染者が確認されていたが、現在は1日あたり1200人前後にまで減少している。
 「新型コロナの感染状況が精査された後、さまざまな行動制限が解除された。これからの数週間は、政府にとって、感染が再拡大しないか試練の時である。学校や映画館、結婚式のような集会が再開されるためには、ワクチン接種を成功させることがとても重要だ」
 社説はこう指摘した上で、英国の例を挙げる。
 「英国は、感染者数も死者数も甚大な数を記録し、経済ともども打ちのめされたが、ワクチン接種が進み、再び希望を取り戻しつつある」
 また、パキスタンについては「他の国々に比べて脆弱で、ヘルスケアシステムも未整備だが、幸い、他の高所得国と比べて感染者数や死者数が低く抑えられている」との見方を示す。その理由として、社説は「はっきりとした理由は分からない」としながらも、集団免疫の可能性や若年層の多さを可能性として指摘し、「新型コロナの悪夢はまだ終わっていない。通常の経済活動や生活を再開するなら、ワクチンの集団接種が並行して実施されなければならない」と、強く訴える。

不安解消のために必要なこと

 また社説は、ワクチン接種を成功させるためには、啓発活動や接種状況の監視、配布戦略、そして透明性の高い実施体制が必要だと指摘する。現在、パキスタンは中国のシノファーム製ワクチンが50万回分寄贈されているほか、今後6月までに国際的なワクチンの共同購入ファシリティCOVAXを通じてさらに1700万回分入手する計画だという。
 その一方で、社説はワクチン接種の登録者の少なさを懸念し、「ワクチン接種による副作用や効果に関する明確な説明がない」というヘルスワーカーの言葉を紹し、次のように主張する。
 「政府は、まず国民にワクチンを信頼してもらう必要がある。そのためには、日常生活を取り戻すためにワクチンがいかに重要か、政府の考え方を伝えて啓発しなければならない。従来行われてきた他のワクチン接種のシステムも活用し、日々の接種状況を公開して透明性の向上に取り組むべきだ」
 ワクチンは万能ではない。これは、どこでも言われることだ。とはいえ、副作用ばかりが強調されがちなのも、また、一つの側面として事実だろう。新型ウイルス対策は、未知のウイルスとの闘いだ。世界中が協力し、ワクチンの安全性と信頼性を高めるために情報公開に取り組み、互いに手を差し伸べ合うこと。これ以外に方法はない。

 

 (原文: https://www.dawn.com/news/1609891/covid-concerns)

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