「1日1便のヤンゴン環状線」
一般乗客がいない列車

  • 2021/4/7

【編集部注:】

ヤンゴンで最近、環状線が運行されているそうです。ほとんどの鉄道職員がCDM(不服従運動)に参加している中、一般乗客が乗っていない列車が走っている理由とは。

ここでは、1日1便の環状線に軍の思惑を読み解くFacebook投稿をご紹介します。

 

~ 以下、Facebook投稿より ~

1日1便のヤンゴン環状線(筆者撮影)

 最近、ヤンゴン環状線が動いているという話を聞いた。家の近くの駅には午前9時頃にはやってくるらしい。ということで、写真を撮りに行くことにした。

 朝9時前には陸橋の上に着き撮影の準備をする。愛用の大きなカメラは目立つので最近はあまり持ち歩かないが、今日は特別だ。設定が終わった後、周りの人に気付かれないようにカメラバックにカメラをしまった。

 ほどなくして、ゴーーーと、音がしてきた。急いでカメラを取り出し何枚か撮った。JRのロゴマークがそのままのJRの中古車両だ。ファインダー越しでは軍の姿は見えなかった。駅に停まった後、背後から列車の後ろ姿を撮ろうとしたが諦めた。最後尾には警察の制服を着た男がいて、銃を持って周りを警戒していたからだ。

 駅に停車した列車はすぐに出発した。乗客は誰も乗っていないと思っていたが、ひとりだけ乗客らしき男性が駅で降りた。40代と思えるその男性に声をかけた。運賃を100チャット(約8円)払ってカマユ駅から乗ってきたという。他には乗客は乗ってなかったらしい。急いでいるからと言われ、その男性は足早に去っていった。訳ありの雰囲気の男性だったが、それ以上詮索すると逆にこちらが疑われるので、そのまま見送った。

 1日1便の環状線の話は、昨日駅員から聞いていた。8時過ぎにインセイン駅を出発した列車は南に向かい、ヤンゴン中央駅を経てまたインセイン駅に到着する。左回りだ。列車には兵士たちが乗り、一般乗客はいないという話だった。

 ヤンゴンの鉄道職員のほとんどはCDM(不服従運動)に参加しているので、列車を動かす職員はいない。駅員が聞いた噂だと、ピンマナから運転手を連れてきたという。

 そうまでして軍は列車を動かしたいらしい。クーデター後もちゃんと社会が動いているということを示したいからだ。しかし、そんなことを信じる国民はいない。信じるのは国軍兵士だけだろう。

 

引用元URL:https://www.facebook.com/osami.goto/posts/3907011972671173

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