自分たちの言葉を守る戦い
カチン語ニュース雑誌カチンタイムズの記者魂
- 2019/9/30
慈善団体が運営
ミャンマー北部カチン州ミッチーナ郊外にある市民団体の2階に、カチンタイムズの編集部があった。カチン州によくみられる植物の葉を壁に用いた木造建物の階段を上がろうとすると、鉱山労働者の姿を映した写真パネルが目に入る。カチンタイムズの記者で写真記者でもあるゾーリンプラさんが撮影したもので、国際的な通信社から世界にも配信されたという。
カチンタイムズは、2015年にスタートした隔月のニュース雑誌だ。すべてカチン語(ジンポー語)で書かれ、およそ60ページのオールカラーの装丁となっている。発行部数は3,000~4,000部で価格は2,000チャット(約140円)。ミッチーナの主要書店に置いているほか、発行元の慈善団体「ヒューマニティ・インスティテュート」が無料で配ることもあるという。
主に政治や経済、文化などの重厚なニュースを取り上げる。最新号では、逮捕された地元の人権活動家についての記事や、民族の歴史についての論文、麻薬問題の特集、フェイスブックのフェイクニュースについて注意を促す記事などが掲載されている。さらに、カチン語の詩など文化に関する記事も載せている。