ネパール・アンプラグド
進まぬ電気自動車の導入
- 2019/9/2
世界各地で普及が進む電気自動車。ネパールでも導入の必要性が叫ばれているが、なかなか普及が進まないようだ。ネパールの「カドマンズ・ポスト」は8月29日付けの社説で、より積極的な政府主導の導入を訴える。
中国やインドも導入に本腰
社説によれば、ネパールでは2015年のコイララ政権の時から、全国規模で電気自動車の導入を促進していた。その後に続く政権も同様の取り組みを続けたが、「ネパール政府が進める他の多くの政策と同様に、実質的な効果は出ていない。クリーンで環境に優しい乗り物への移行は、はるかかなたの夢のままである」
また、隣国インドや中国が再生エネルギーの普及と電気自動車の導入に力を注いでいることを指摘。「ネパールはここ数年で初めて電力の供給が需要を上回る状態になる。今こそ、電気自動車を導入するためのインフラの投資に本腰を入れるべきだ。そうした取り組みは、必ずやネパール経済にも好影響を与えると同時に、大気汚染の改善にもつながるだろう」と述べ、今こそ世界の潮流に乗るべきだ、と説く。
社説は、電気自動車が与える環境面へのプラスの影響を特に強調する。「世界各国が電気自動車の導入に注力しているのは当然だ。というのも、自動車は、大気汚染を引き起こしている炭素と窒素化合物の半分以上、そして炭化水素の4分の1以上を排出している元凶だからだ。中国やインドは、今後数十年で化石燃料の自動車を国内からなくそうとしている。そのため、中国の電気自動車市場はすでに米国をしのぐ規模となっており、中国自身、世界最大の電気自動車生産国となっている」
中国とインド。ネパールにとって最大の貿易相手国である二つの国が、電気自動車導入に本腰を入れている事実を踏まえ、「ネパールもその流れに乗らざるを得ない」と社説は主張する。