ネパール・アンプラグド
進まぬ電気自動車の導入
- 2019/9/2
課題も山積
もっとも、ネパールは1990年代、世界に先駆けて電気自動車を公共交通に取り入れていた。社説は、ネパール政府が当時、電気トロリーバスを導入して先進的な取り組みだと各地で報道されたと指摘する。しかし、その取り組みは拡大することはなく、電気自動車導入の動きは停滞した。
ネパール政府は2015年、電気自動車の輸入関税について、公共交通用の車両は1%、民間車は10%と設定した。これを受け、電気自動車の輸入が一時期激増し、電気バスが公共交通機関で利用されたものの、民間セクターには浸透しなかった。
社説によると、ネパール国内には2018年時点で300台の電気自動車があり、今後、台数が増えれば、次の課題は充電のためのインフラだと指摘する。電力公社には充電ネットワークの拡大計画があるものの、いまだ実現はしていない。さらに、初期費用も大きな課題だ。例えば、電気バスを購入するには、通常のバスの5倍の資金が必要である。「こうした課題を政府が解決しない限り、民間セクターが電気自動車を導入するインセンティブにはならないだろう」と、社説は指摘している。
(原文:https://kathmandupost.com/editorial/2019/08/29/nepal-unplugged?fbclid=IwAR27-vYxITB9MlVkNyF7Hc7UUbZF3WH1pngm44XPncrDwp7K_UrvTJa0Toc)