ヌオン・チア被告が死去
弔問に訪れる人たち

  • 2019/8/15

 1975年から79年までカンボジアを支配したポル・ポト派政権で、ポル・ポト元首相に次ぐ「ブラザー・ナンバー2」と呼ばれたヌオン・チア被告(元人民代表議会議長)が8月4日、プノンペン市内の病院で死去した。93歳だった。

2011年11月22日、カンボジア特別法廷にのぞむヌオン・チア被告(カンボジア特別法廷提供)


 ヌオン・チア被告は、国連とカンボジア政府が共同主催するカンボジア特別法廷で、政権最高幹部として訴追された。2014年には人道に対する罪などで終身刑を言い渡され、確定したが、虐殺の罪などについては特別法廷での審理が続いていた。
 カンボジア国内で4年足らずの間に170万人以上の人々が犠牲になったといわれるポル・ポト派政権。スパイとみなされた者の拷問と処刑、強制移住や強制労働、強制結婚、知識層や宗教者などの虐殺――。ヌオン・チア被告は政権最高幹部として、それらの責任を問われていたが、「自分には実権はなかった」として容疑を否認していた。

「カンボジアを守った人」

ヌオン・チア被告の容疑は、「人類史上最悪の犯罪」ともいわれる。それでもカンボジアには、彼を今も慕う人たちがいる。8月7日付のクメールタイムズ紙は、ポル・ポト派消滅後も彼が支持者らとともに暮らしたタイ国境のパイリンで、遺体を迎えた人たちの様子を伝えている。

 同紙によると、ヌオン・チア被告の遺体はパイリンに移送され、8月9日には火葬される。火葬の前に、遺体に別れを告げに来る人が相次いでいるという。

ページ:

1

2

関連記事

 

ランキング

  1.  2017年、ミャンマー軍による大規模な弾圧を逃れ、70万人を超えるロヒンギャが隣国バングラデシ…
  2.  2021年8月にイスラム主義勢力タリバンがアフガニスタンで復権してから5年が経ちました。世界各地で…
  3.  2021年2月のクーデターから5年あまりが経ったミャンマー。2025年末から2026年初めにか…
  4.  アメリカと中国は、2026年9月に開かれた首脳会談で、人工知能(AI)のリスク管理に向けた対話…
  5.  タリバンがアフガニスタンで再び政権を掌握してから、今年8月で丸5年。その節目に…

ピックアップ記事

  1.  ネパールと中国の国境沿いで8月26日、大規模な鉄砲水と土石流が発生しました。原因の一つとして指摘さ…
  2.  2026年8月、ネパール中部を大規模な土石流が襲いました。ヒマラヤでは気候変動に伴う氷河の融解…
  3.  2017年8月25日、ミャンマー西部ラカイン州でロヒンギャの武装勢力が国境警察施設を襲撃したことを…
  4.  ミャンマー西部ラカイン州に多く暮らす少数派イスラム教徒ロヒンギャ。長年にわたり市民権を認められ…
  5.  2016年7月1日にバングラデシュの首都ダッカで発生したホーリー・アーティザン・ベーカリー襲撃テロ…
ページ上部へ戻る