トランプ米大統領の人種差別ツイート
右翼的で排他的勢力の増長を懸念
- 2019/7/18
ターゲットは4人の女性議員
米国のトランプ大統領が7月14日に「ツイート」した内容が問題になっている。大統領は名指ししていないが、政権への批判で知られる「いわゆる進歩的な民主党の女性議員たち」に対し、「なぜ政府が崩壊して犯罪がまん延している出身国に帰って、手助けしないのか」とツイートしたのだ。翌15日、ツイートのターゲットにされたとして、ソマリアから移住したイルハン・オマル氏、プエルトリコ系のアレクサンドリア・オカシオコルテス氏、パレスチナ系のラシダ・タリーブ氏、アフリカ系のアヤンナ・プレスリー氏の4人の女性議員が、記者会見し、「白人至上主義の考え方」だと強く非難した。
沈黙する与党への批判も
パキスタンの英字紙DAWNは、7月17日付の社説でこの問題を取り上げた。
トランプ大統領について、社説はこう厳しく表現する。「ホワイトハウスで退屈な日などめったにないだろう。大統領はここから、野党関係者やメディアを手当たり次第に攻撃し、主権国家を消滅の危機にさえ追い込んだ。この世界唯一の超大国の指導者は、いつ空威張りしているのか、いつ真剣なのか、その見分けは難しい」。
そして、今回の4人の女性議員に対するとされるツイートについても、「ぞっとするようなこの発言は、今回も一線を越えて世界中に非難を巻き起こした。米国民主党議員たちは、当然、大統領の人種差別主義に激しく憤っている」としている。
他方、トランプ政権の与党である共和党関係者がこぞって沈黙していることにも触れ、「共和党議員たちの不気味な沈黙は、大統領と共和党が、来年の大統領選を前に、礼節と進歩的な価値観を犠牲にしてもポピュリスト的な支持母体を喜ばせたがっていることの表れだ」と批判した。