トランプ米大統領の人種差別ツイート
右翼的で排他的勢力の増長を懸念
- 2019/7/18
広がる米国人同士の溝
続いて社説は、米国の「長く数奇な人種問題の歴史」について説明する。例えば、第二次世界大戦時に日系人を強制的に収監した収容所や、黒人ら有色人種が公共施設を利用することを制限したジム・クロウ法などを挙げ、「1960年代に市民運動が起きるまで、このような法律を廃止しようという動きはなかった」と指摘した。さらに、最近でも、2013年にフロリダ州で黒人の少年が白人の警察官に射殺された事件に端を発する「ブラック・ライブズ・マター運動」によって、米国の人種問題をめぐる断層があらわになった、との見方を示している。
そして、米国がこうした歴史的な経緯を抱えているにもかかわらず、トランプ大統領が人種問題を語る場面で「卑劣で差別的な比喩を平気で使う」と指摘し、「このような発言や行動が、国際社会の右翼的で排他主義的な者たちを増長させるのだ」と非難する。「トランプ大統領は、有色人種やムスリムには米国内に居場所がない、とでも言いたいのだろうか。このような考え方こそ、戦闘的なイスラム教徒グループに利用されやすい」「そもそも、本当に白人だけが<真の>米国人だと言えるのか?トランプ大統領は、多様な歴史やバックグラウンドを持つ米国人同士の溝をこれ以上広げることのないよう、争いの種になる発言は撤回すべきだ」
(原文:https://www.dawn.com/news/1494554/trumps-racist-tweets/)