フィリピン版NASAが誕生
ようこそ、宇宙時代へ

  • 2019/8/23

 フィリピンのドゥテルテ大統領は8月初め、「宇宙法」に署名をした。これは、フィリピン宇宙庁(PhilSA)の設立を通して、フィリピン国内での宇宙開発技術を向上させる目的だという。宇宙法成立により、フィリピンは、東南アジアで独自の宇宙庁を持つ6番目の国となった。ほかに宇宙担当省庁を持っているのは、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナムである。

フィリピンで宇宙開発が再び動き始めた (c) Pixabay / Pexels

1960年代に始まる宇宙開発史

 フィリピンの英字紙「フィリピン・デイリーインクワイアラー」によれば、宇宙庁は、向こう5年間で100億ペソの予算で設立される。宇宙開発や宇宙利用にかかわるすべての活動を統括する役割を負っていることが特徴的だ。開発分野は、国家安全保障、気候変動や災害対策、宇宙研究と開発、宇宙産業の能力開発、宇宙教育と啓発、そして国際協力の6分野である。

 しかし、同紙の社説によると、「フィリピンの宇宙研究は、今に始まったことではない」という。実際、フィリピン政府は1960年代半ば、リザールに衛星ステーションを建設し、フィリピン・コミュニケーションサテライトを打ち上げた。この衛星こそ、1969年にアポロ11号が月面に着陸した時、東南アジアや韓国、日本にその映像を配信した衛星だった。

 以後、フィリピンの宇宙開発は大きく進展することなく低迷していたが、2016年4月、フィリピン政府所有の、フィリピン人によって開発された初めてのマイクロ衛星「Diwata-1」が打ち上げられたことが、転機となった。Diwata-1は2019年までに3万6,000枚もの衛星画像を送信している。その中には、マニラ湾の汚染状態を映した画像もあったため、政府はマニラ湾の大規模清掃に踏み切った。Diwata-1のあと、Maya-1、Diasta2の2つの衛星が打ち上げられている。

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