ドゥテルテ比大統領の麻薬戦争の行方
アムネスティ・インターナショナルが強権政策を厳しく批判

  • 2019/7/16

議論を呼んだ報告書

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは7月8日、フィリピン・ドゥテルテ政権による「対麻薬戦争」について、「違法な死刑執行や警察の職権乱用の危険な常態化がみられる」との報告書を発表した。フィリピンの全国紙デイリーインクワイアラーは11日、これを社説で採り上げ、批判に真摯に向き合わないドゥテルテ政権を批判した。

強権的な麻薬対策に批判が集まるフィリピンのドゥテルテ大統領 (c) Denniz Futalan / Pexels

 社説は、アムネスティ・インターナショナルによる報告書の公表を、「マラカニアン(大統領府)の憤慨にもかかわらず、国際社会のさまざまな方面からほぼ同時に沸き起こった(ドゥテルテ政権に対する)一連の非難」のひとつと位置付けた。アムネスティはその報告書で、ドゥテルテ政権のこの最も重要な国内政策―麻薬対策―を「貧困層が最も大きな代償を支払う、大規模な殺人事業以外の何ものでもない」と、強く非難。社説もこれを冒頭で引用した。

 フィリピンでは、「対麻薬戦争」の政策のもと、2016年7月から今年5月までの3年間で約6600人が殺害された。1日平均6人が殺害されていることになる。アムネスティは「フィリピン政府の巧みな戦略により、本当の死者の数を明らかにすることは困難だ」として、実際の被害者はもっと多いことを示唆する。

 アムネスティの報告書が公表されたのは、アイスランドが起草した、フィリピンの対麻薬戦争をめぐる国連人権理事会決議案が、フランス、ドイツ、英国を含む27カ国に支持された数日後だったと社説は伝える。この決議案とは、フィリピン政府に対し、国内の人権状況について書面で報告を求めるとともに、国内で発生している「超法規的殺人」と強制失踪を避けるために、あらゆる必要な手段を尽くすよう求めるという内容だった。

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