ドゥテルテ比大統領の麻薬戦争の行方
アムネスティ・インターナショナルが強権政策を厳しく批判
- 2019/7/16
「世界で4番目に危険な国」
社説は、米国に拠点を置く国際NGOのArmed Conflict Location and Event Data Project (ACLED)の分析を引用し、「フィリピンは今や、紛争が続くシリアやイエメン、そしてインドについで世界4位の危険な国になっている」との見方を示している。
その上で、「ドゥテルテ政権の旗艦政策は、国外のみならず、国内でも、最高裁判所や勇気ある活動団体から繰り返し批判を受けている。にもかかわらず、アムネスティ・インターナショナル・フィリイピンのブッチ・オラノ氏が指摘するように、政権は裁判所の指示に満足な対応をしていない」とも述べ、政権を厳しく批判している。
さらに、社説は、大統領報道官がアムネスティ・インターナショナルのことを「矯正不可能なほど偏見と先入観に満ちている」と批判したことに触れ、「ドゥテルテ政権は外部からの批判に対し、いつも興奮状態で反応する」「政権は、国際社会からの監視を<麻薬シンジケートとの共謀>だと逆に攻撃し、自分たちが進めている麻薬戦争によって数千ものフィリピンの人々の命が奪われているという事実から目をそらしている」と辛らつに批判。そして、「今回もドゥテルテ政権は口角泡を飛ばして批判をかわそうとしているが、遺体の数が増えれば増えるほど、逆に、彼らの動向に対する世界からの関心は高まるのだ」と皮肉を込めて締めくくっている。
(原文:https://opinion.inquirer.net/122534/the-world-is-watching)