インドの社説がコロナ禍の飲食業保護を訴え
「雇用を守り、リスクと共存する方法を」

  • 2022/2/13

新型コロナの感染拡大で最も打撃を受けたビジネスの一つが、飲食業だ。2022年1月28日のインドの英字紙タイムスオブインディアは、社説でこの問題を採り上げた。

(c) Gagan Cambow / Pexels

飲食業の25%が廃業

 「この週末、インド各地の都市は今年に入って初めて、通常通りの週末を過ごした。インド国内の1日あたりの新規感染者は平均25万人だが、政府は以前のような活動制限には踏み切っておらず、接客が不可欠である飲食業のようなビジネス関係者の多くは安堵している」

 社説は、1月最終週のインド国内の様子についてこのように描いている。実際、コロナ禍による飲食業への打撃は極めて深刻だ。インドレストラン協会によると、およそ25%の飲食業者が新型コロナの感染拡大により事業を撤退せざるを得なかった。それにより、240万人近い人々が職を失うことにつながったという。

オミクロン株への対応

 しかし社説は、こうした大規模な打撃は今後、避けることができるはずだと主張する。

 「政府は今回のオミクロン株の感染拡大にあたり、医療機関の利用状況に応じて移動制限や活動制限を検討している。これは、今後も第一の判断基準とされるべきだ。もう一つのアプローチは、エッセンシャルワーカーとほかのセクターの活動を分けたり、行動制限の基準を設けたりしないことだ。すべてのセクターは雇用を生み出しているが、インドのビジネスは小規模なものが多い。活動制限が長引けば長引くほど、持ちこたえられる企業は少なくなる」

 なかでも飲食業については、社説は「あまり認識されていないが社会に重要な貢献がある」と指摘する。まだ十分なスキルのない若い世代の人々に雇用の機会を提供しているということだ。彼らの多くは、こうした職場でスキルを覚えながら、次のステップへと進んでいくため、レストランが長く閉鎖されることは、インドの労働市場にも大きな影響を与えるのだ、と社説は主張する。

 「どんな事業も雇用を生み出して人々の生活を支えているため、エッセンシャルワーカーか否かで区別するべきではない」という主張は、感染力が強くても重症化しにくいと言われるオミクロン株の感染に限って言えば、有効な考え方だと言えるかもしれない。「これまで2年にわたり新型コロナとともに生きてきたわれわれは、リスクと共存する方法を育んできたはずだ」と、社説は言う。

 日本でも、オミクロン株の感染拡大を受けて「飲食店を主な対象としたこれまで通りの感染対策でいいのか」という疑問の声が多く上がっている。感染は飲食店だけでなく、学校やさまざまな施設で広がっている。この2年の間に得た知識と経験によって、われわれはもっと柔軟で多様な対策を生み出せるはずだ。飲食業に焦点を当てた社説だが、その背後にはそんな主張が聞こえてくる。

 

 (原文 https://kathmandupost.com/editorial/2022/01/27/demographic-imbalances)

 

 

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