干ばつとともに生きるために
トップダウンの施策以上に求められる一人一人の意識
- 2019/8/2
10万ヘクタール以上の稲作地に被害
インドネシアは今年、干ばつに見舞われている。乾季のただなかではあるが、エルニーニョ現象により、前年よりも深刻な干ばつが続くという。ジャカルタポストによれば、インドネシアでは、もう2カ月近く雨が降っていないという。特に干ばつが深刻なのは、西ジャワ、中部ジャワ、東ジャワ、バリ、ヌサトゥンガラの各州とジョグジャカルタ特別州。ジャカルタ、バンテン、スマトラなどでも1か月近く雨が降っていないという。同紙は7月8日付けで、干からびた農耕地の写真とともに、「10万ヘクタール以上の稲作地に被害が出ている」と、報じた。
水不足によりA型肝炎の感染が拡大
一方、この社説では、雨が少ないことによって引き起こされるさまざまな影響の中でも、「水不足」が人々の健康に与える被害について警告している。「水不足によって、各地で灌漑用水が不足し、農作物に被害が出ているが、ここにきて東ジャワ州のパチタンでA型肝炎の発生が報告され、1,000人以上が感染していることが分かった」ためだ。
A型肝炎は、ウイルスによる感染症であり、上下水道が整備されていないような衛生環境が悪い地域で多発するという。社説は、「パチタンにおけるA型肝炎の感染拡大は、水不足がウイルスの拡散を引き起こしていることの表れであり、他の地域は警戒を強めている」「感染の原因は、人々が普段、飲料水として利用している川が干上がり、ウイルスで汚染された水を飲んだためとみられる」と解説した。