干ばつとともに生きるために
トップダウンの施策以上に求められる一人一人の意識
- 2019/8/2
食糧難や森林火災なども懸念
干ばつが生活に与える影響は、A型肝炎だけではない。社説は、「10月か11月の雨季の到来まで、まだ間があるため、最悪の事態も起こり得る」とした上で、「たとえば、農作物の被害が拡大すれば食糧難が起きる可能性もあるし、水不足によって水力発電が稼働しなくなるかもしれない」「コメの生産量が激減すれば、インフレなど経済への影響が懸念される上、乾燥によって大規模な火災や森林火災が起きれば、近隣国との関係が悪化し、世界有数の二酸化炭素の排出国になる可能性もある」との懸念を示している。
もちろん、インドネシアで干ばつが起きるのは今回が初めてではなく、政府もさまざまな対策を講じている。例えば、農業省は、水を節約できる農産物を生産するよう呼びかけているし、森林環境省は、森林火災を防ぐために監視活動を強化するよう指示している。
しかし、社説は、「自然災害の被害を最小限に食い止めるには、こうしたトップダウンの取り組みに加え、人々の生活習慣や心構えも必要だ」として、一人一人が普段から水を節約したり、雨水を活用したりすることを心がけ、環境保護に取り組む重要性を訴える。「今回の干ばつを乗り越えようとするだけでは、不十分だ。水をいかに確保するか真剣に考え、取り組んでいかなければ、必ずやいつか多くの犠牲が出るだろう」
(原文:https://www.thejakartapost.com/academia/2019/07/13/living-with-drought.html)