ミャンマーの観光産業、始動か
求められるサービスの「質」向上

  • 2019/10/2

 「ピュー古代都市群」や「パガン」といった世界遺産を擁するミャンマーは、広い国土に135ともいわれる少数民族がそれぞれの文化と社会を築き上げる多民族国家である。豊かな自然も残っており、観光資源には事欠かない。また、民政移管前には外国人が自由に旅行をすることが難しく、「謎めいた国」でもあった。そんなミャンマーも、国際社会に向けて門戸を開いた今、観光産業の活性化に力を入れる。

 英字紙「グローバル・ニュー・ライトオブミャンマー」は、9月27日付の社説で観光産業について採り上げた。「世界の中へ入っていけ」という論調は、この国がこの10年で大きく変化したことを映し出している。

ミャンマーには遺跡をはじめ数多くの観光資源がある (c) JP Desvigne / Unsplash

1億2,300万市場

 社説はまず、観光産業について「どの国にとっても雇用創出の主要な場」だと位置付け、「だからこそ、各国は観光セクターの開発と外国人旅行客の誘致に必死になるのだ」と、述べる。世界旅行者協会(World Travelers Association)によれば、2016年に国境を超える旅行をした人は、12億人に上るという。同協会は、「この数値は、2020年には年間16億人にまでふくらむ」とした上で、「うち、東南アジアへの来訪者は1億2,300万人だろう」との見方を示す。

 この膨大な市場をどうつかむか。社説は、「宿泊施設や食事、ツアー内容、おみやげ、娯楽といった旅行者へのサービスの充実が何よりも重要である」と、指摘する。

 もっとも、社説は、「こうしたサービスの充実を図る前に取り組むべき課題がある」と述べ、ミャンマーが観光立国にはほど遠い状態にある理由として次の事項を挙げている。すなわち、ミャンマーでは、まだ観光業振興のための法令が整備されていないことや、関係省庁の連携体制が整っていないこと、基本的なインフラが未整備であること、旅行客を呼び込む魅力的な観光資源が開発されていないこと、他の東南アジア諸国に比べて滞在費が高くつくこと、情報提供が少ないこと、国際路線が少ないこと、時代遅れの通貨システムであること、食べ物や水の衛生に問題があること――などである。

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