chúc mừng năm mới (謹賀新年)  人も経済も動くベトナムの旧正月
唯一にして、最大のイベントをどのように迎えるか

  • 2020/1/27

 1月25日、ベトナムは旧正月「テト(Tết )」を迎えた。旧正月と言えば、日本では中国の「春節」がよく知られているだろう。この時期には毎年、都市部で働く人たちがそれぞれの故郷に帰省し、その数、約30億人に上ることで話題となるが、今年は新型肺炎の発生で、例年以上に注目を集めている。

 一方、人の数では中国に敵わないものの、ベトナムでも旧正月はさまざまな形で祝われている。特に、季節感を感じにくい南部ホーチミンの人々にとって、この時期は季節の移ろいを体感できる貴重なチャンスだ。祝日や休日が1年間で10日に満たないベトナムでは、連休もカレンダーの並び頼みで、ほとんどない。しかし、テトの時期は、公定休暇として1週間から9日間が保証されている。中には、地方からの出稼ぎ者が多く働く工場などを中心に、2週間程度の休暇を与えるところもあるなど、年間最大のイベントといっても過言ではない。正月準備や、正月に向けて街が変化していく様は、ベトナムの人たちの生活様式や考え方を知るうえで、とても興味深い。

ホーチミン市内の高島屋デパートに飾られたネズミのディスプレイ(筆者撮影)

干支と「To do list」

 ベトナムにも、十二支がある。日本と若干違うのは、ウサギ年の代わりにネコ年があることだ。さらに、イノシシはブタに。ヒツジはヤギに、それぞれ入れ替わる。

 西暦の新年を迎え、クリスマスイルミネーションの片付けを終えると、企業や一般家庭では、「正月準備」が本格化する。今年は日本と同じネズミ(Con chuot)年。ショッピングモールや公園に取り付けられた旧正月の華やかな装飾に、個性豊かなネズミの家族のオブジェが彩りを添える。準備の時期は何かと慌ただしいが、いざ正月を迎えれば、家族や親戚と会食し、リラックスして過ごす、というのは、日本と変わらない。

 正月を迎えるためには、以下のようなTo do list(すべきこと)が必要だ。

・縁起物の鉢植えや切り花、果物、飾り物を準備する 

・新年を迎えるための服を新調する 

・正月料理を準備する 

・インスタント食品などの食料を備蓄する

・企業や団体を中心に、お歳暮をやりとりする

 この時期は、とにかく人も物流も活発化し、忘年会も多いため、夜遅くまで道路は混雑する。運転も荒くなりがちで交通事故が増えるため、要注意だ。

ページ:

1

2 3

関連記事

 

ランキング

  1.  30年前、内戦直後のカンボジアで、戦火をくぐり抜けて残った数本の在来種の胡椒の木を大切に育てる老農…
  2.  アメリカとイランの戦争終結に向けた協議が停滞しています。アメリカのトランプ大統領は5月1日、イ…
  3.  世界の映画祭を巡りながら、観る者の心を静かに、そして確実に揺さぶっている映画が4月24日より一般公…
  4.  アラビア半島の南端に位置するイエメン。2015年から内戦が続いている同国で、南部を実効支配して…

ピックアップ記事

  1.  少数派イスラム教徒ロヒンギャの人々の証言を基に紡がれた映画『LOST LAND/ロストランド』…
  2.  タイで昨年、これまで認められていなかったミャンマー人難民の就労を認める制度が始まりました。北西…
  3.  ドットワールドと8bitNewsのコラボレーションによって2024年9月にスタートした新クロスメデ…
  4.  アメリカとイスラエルが2月28日にイランを攻撃し、最高指導者ハメネイ師を殺害したことを受け、イ…
  5.  2025年10月にイスラエルとハマスの間で停戦合意が発効したパレスチナのガザ地区。しかし、攻撃…
ページ上部へ戻る