chúc mừng năm mới (謹賀新年)  人も経済も動くベトナムの旧正月
唯一にして、最大のイベントをどのように迎えるか

  • 2020/1/27

オイルショックのような買いだめっぷり 財布の紐を緩めて大放出

 旧暦の12月30日、わが家の近所にある大型スーパーマーケットに出かけると、店内は人で溢れかえり、レジには長蛇の列ができていた。これが10年前なら、スーパーも少なかったし、市場や個人商店は1週間近く休みに入るため、「備蓄」はマストだった。しかし、近年はスーパーも三が日を過ぎれば時短ながら営業を開始するし、コンビニも増えている。それでも、年末の「爆買い」の習慣は、いまだ健在だ。

大型スーパーマーケットではレジ待ちに長蛇の列ができていた(筆者撮影)

 人々がどんなものを買っているのか気になり、カートをのぞかせてもらった。圧倒的に多いのは、インスタント麺やお菓子の類だ。ドリンクは、箱買いも多い。年が改まるのに備えて新調するのだろう、食器や鍋、肌着なども目につく。ネットニュース大手の「Vietnam News」が1月10日に掲載した女性団体の調査結果によると、家の飾り付けをはじめ、食料品やお祝い品の購入、国内外への旅費など、正月準備にかける費用は平均1000万ドン~2000万ドン(約5万円~10万円)に上るという。

 また、この時期の出費の特徴として、貧しい人や恵まれない人たちへの寄付が増えるのも特徴の一つだ。企業単位、あるいは、業界団体や学校のサークルなどが、食料や衣服などの物品をこぞって寄付する。大手新聞社やテレビ局が寄付金を募るキャンペーンも行われる。

ラッキーカラーと縁起物 

 旧正月のマストカラーである赤と金(黄色)は、幸福を呼ぶ色として、さまざまな験担ぎに重宝される。正月用品のみならず、コーラやビールといった飲料や食品のパッケージも、赤と黄色のテト・バージョンへと一斉に衣替えされ、消費者の購買意欲をあおる。

正月用に高さ1メートル以上の見事な黄色い花が並ぶ。鉢植えが人気だ(筆者撮影)

 先に述べた、鉢植えや切り花も然りだ。一番人気なのは、Hoa Maiと呼ばれる黄色い梅のような花だが、暑い南部ではやや高額でなかなか出回らないため、代わりに菊やひまわり、ケイトウ、ポインセチア、そして南天の仲間の鉢などが、公園の特設花市や路上を埋め尽くす。ホーチミン中心部の「青年センター」では、毎年、黄色い造花をあしらった並木通りが無料開放され、「映えスポット」として、民族衣装のアオザイを着ておしゃれした女性たちが撮影に訪れるなど、若者の人気を集めている。

 果物で言えば、赤と黄色の二種類あるスイカとザボンは、飾ってよし、食べてよしの優等生で、人気のツートップを占める。もっとも、最近は、ホーチミンだけかもしれないが、他と差別化を図ろうとして皮の表面におめでたい言葉を刻んだり、金のスプレーで着色をしたりしたものも見かけるようになった。個人的にはやりすぎ感も否めないように感じている。

 お正月のご馳走の定番は、「Banh Tet」。おこわのような、巨大なちまきのようなもので、小分けにして、パパイヤや大根、ニンジンの漬物、らっきょうなどと一緒に食べる。豚バラと卵の煮物「Thit heo kho trung」も、相性のいいご馳走だ。

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