デジタル・バングラデシュ(第2話)
テクノロジーが描く水から始まる創世記、その筆下ろし

  • 2019/10/15

 しかし、バングラデシュの環境意識は変わりつつある。

きっかけは飲料用の地下水の枯渇であった。ダッカの水道水は、供給の8割を地下水に依存し、残りの2割を河川からの取水でまかなっており、近年、地下水の枯渇が懸念されているのである。政府は、地下水の枯渇を河川からの取水で補う計画で、2021年までに地下水の利用70%削減することにしているが、河川の水質問題が立ちはだかっている。

ダッカ水道局には大きな蛇口の模型が飾られている(筆者撮影)

 政府はさらに、これから新しく建設するビルについて、雨水貯留システムの設置を義務づける法案を可決し、デベロッパー企業に非公式にその施行を通達しているという。

 タゴールの詩の最後の一節で謳われているような、美しい春の歓喜の挨拶や歌を、蜂のうなりや木の葉のざわめきを、私たち人類が同じように感じることのできる世界であり続けますように。

   いまから百年後に

   君の家(うち)で、歌って聞かせる新しい詩人は誰か?

   今日の春の歓喜(よろこび)の挨拶を、わたしは その人に送る。

   わたしの春の歌が、しばし君の春の日に こだましますように。

    君の心臓(こころ)の鼓動のなかに、若い蜂たちのうなりのなかに、

   そして、木の葉のざわめきのなかにも、こだましますように。

   いまから百年後に。

 既存の価値にIT技術を掛け合わせることによって可能になる貢献の形を見出すための努力を、私たちは続けていく必要がある。

 

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