シリア人元将校が内戦下の拷問問われドイツで有罪に
「人道上の罪を犯した者は、どこにいても逃れられない」

  • 2022/2/5

世界各地で困窮するシリア難民

 そんな中、世界各地に逃れたシリア難民たちが新たな問題に直面している。シリアで激しい戦争が収束したことを受け、受け入れ国によっては強制帰還を求められるケースが出ているのだ。多くの難民を受け入れてきたヨルダンやレバノンも本国への帰還を進めているが、ヒューマンライツウォッチは、シリアに戻った人々が拷問や監禁を受けたという報告が後を絶たないと警鐘を鳴らす。また、シリアのように戦闘状態が長く続き、インフラも経済も崩壊した国では、たとえ暴力がないとしても、生活自体が成り立たないという報告もある。

 北欧デンマークもシリア難民の帰還を決議し、一部のシリア難民の滞在許可の延長を拒否した国の一つだ。帰還すると危害が及ぶ危険性があるとして帰国を拒否したことで収容施設に閉じ込められている人々も100人ほどいるという。デンマークで何年も暮らし、教育を受けて生活に適応していた若者ですら、滞在許可を失っている。

 なお、米紙「ニューヨーク・タイムズ」の報道によれば、戦争で経済が荒廃したシリアの地で、アサド政権は違法麻薬の生産と輸出を拡大し、莫大な利益を得ているという。実際、ヨーロッパでもアジアでもシリア原産の麻薬が大量に検挙されている。

 シリアを滅ぼした独裁者アサドが、世界中に計り知れない悪影響を与えているのは間違いないようだ。

 

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