映画検閲は時代遅れ
ホラー制作者が自ら年齢制限

  • 2019/8/27

軍政時代から続く事前検閲

 2019年8月にミャンマー全土で封切されたホラー映画「ストレンジャーズハウス」(トゥーパインゾーウー監督)は、臨場感のある映像と、二転三転する謎解きの要素を含むシナリオで話題を集めた。もう一つ、この映画が注目されているのは、ミャンマー映画の事前検閲制度に一石を投じたからだ。

 ビルマ語で発行されている現地紙The Voice Weekly Journal(8月5日付特集面)によると、スタレンジャーズハウスは、ミャンマーで初めて、PG-13(13歳以下は保護者の同意が必要)という年齢制限の指定を自主的に行った。ミャンマーでは、軍事政権時代から続く映画の事前検閲が、表現の自由との関係で問題になっている。このような中、自主的に年齢制限を設けることで、当局の検閲に問題提起したのだ。

ヤンゴンの映画館で舞台あいさつするストレンジャーズハウスのトゥーパインゾーウー監督(中央白い服)ら(撮影:北角裕樹)

 同紙は、タイやベトナム、シンガポールなどアジアの国々では、映画の検閲を廃止してレーティングシステムに移行しているのに、ミャンマーでは依然として事前検閲が行わていることを批判した。当局の検閲官の一人は、「自主規制には賛成だ。我々は『(子どもを含め)みんなが見る』という前提で検閲を行っており、家族と一緒に見られないようなシーンはカットさぜるを得なかった」と、同紙に語っている。

年齢制限で自由な創作を

 ミャンマーの映画界からは、検閲を廃止して、自主的な年齢制限を行うレーティングシステムに移行することを求める声が強い。同映画のトゥーパインゾーウー監督は「映画製作者としては、レーティングシステムのほうが作りやすい。もっと広く、自由に創作活動ができる」と話している。映画祭関係者からも、「検閲があれば、作り手は何が検閲に引っかかるかを気にしないといけない」として、検閲が創作活動に大きな影響を与えていると指摘している。

 同紙はこのほか、誤って子どもに凄惨なシーンを見せることがないよう、レーティングを行って、保護者に分かりやすくすることが良いとする映画関係者のコメントを紹介。「飲めば効果のある薬があったとしても、飲まなければ病気は治らない」として、早期のレーティングシステムの導入を求めている。

 

原文(ビルマ語):https://voicejournalmm.com/archives/20087

 

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