「ヤンゴンは沈黙の街になった」
世界人権デーのサイレントストライキ

  • 2021/12/11

【編集部注:】

今年2月のクーデター以降、軍による弾圧によって1300人以上の犠牲者が出ているミャンマーで12月10日、「世界人権デー」にあわせ、各地でサイレントデモ(沈黙のストライキ)が行われました。市民らが外出を控え、商店などが一斉に休業することで抗議の意思を示したのです。当日の静まり返ったヤンゴンの様子を伝えるnoteの投稿を紹介します。

 

~ 以下、noteの投稿より ~

(c) 筆者撮影

朝から静かだった。いつもなら花売り、煮豆売り、パラタ売りと、物売りの声が途切れないのに、今日は違った。

数日前からサイレントストライキの話がFacebookに出ていた。その沈黙のストが、世界人権デーにあたる12月10日に行われたのだ。ストライキの時間は朝10時から午後4時までということだったので、ストライキ前の朝9時に近くのゼー(市場)に行ってみたが、開いていたのは3店だけで、客はほとんどいなかった。

ゼーから出ても、とても静かで人はほとんど歩いていない。住宅地なのに、住人が全ていなくなったのかと錯覚してしまいそうだ。カラスの声とハトの羽ばたきの音だけが続いていた。

昼になり、スーレーパゴダに行ってみることにした。

商店はほとんどが閉まり、人も車もとても少なかった。コロナでロックダウンになった去年の4月を思い出した。灼熱の4月に死んだように静まりかえったヤンゴンの街は不気味だった。今は12月、最も過ごしやすく、普段なら人や車で混雑するこの時期に、またもや死んだように静かなヤンゴンが戻ってきた。

近くのスーパーに寄ってみた。外から見える店内は薄暗かったが、入口が小さく開いていた。警備員に確認すると、店は営業していると言う。中に入ると、照明が落とされた店内に客は全くいなかったが、女性従業員が何人かいた。聞けば、今日は全然客が来ないので店内の掃除をするぐらいしか仕事がないという。軍が無理やり店を開けさせたのかと尋ねたが、自分たちは何も分からないと答えた。知っていたとしても、誰か分からない私には正直に言わないだろう。

店を出ると、入口に先ほどの警備員がいたので、また声をかけてみた。
「客が全然いないね」
「客が来なくても店を開けろと軍が言ってきたんだ」
「そうなんだ。もし開けなかったら軍からやられてしまう?」
「おーおー、そうだ」
彼とは2回目の会話だったので、ついつい私に気を許してしまったのかもしれない。

小さな商店だとあまりに数が多いので、軍も全てに圧力かけるわけにはいかない。なので、ほとんどの小規模な店は閉まっていた。しかし、ある程度大きなスーパーやショッピングモールには軍が圧力をかけたようだ。

12月10日、多くの国民はサイレントストライキの呼びかけに応じ、ヤンゴンはたちまち沈黙の街となった。ミャンマー国民の意思を見た思いがした。

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