ネパールの社説がミャンマー情勢を強く懸念
「国際社会は確固たる姿勢で虐殺を批判すべき」

  • 2021/4/6

 2月1日にクーデターが発生したミャンマーでは、軍の凄惨な弾圧にも関わらず、市民的不服従運動(CDM)が続けられている。ネパールの英字紙カトマンドゥポストは、3月29日付の社説でこの問題を採り上げた。

家族が銃で撃たれて亡くなり、悲嘆にくれる母と子(2021年3月27日撮影)(c) ロイター/ アフロ

血塗られた日曜日と南アジア

 「ミャンマーにとって暗闇の週末だった。治安部隊が市民を無秩序に殺害し、空爆し、殺害された市民の葬儀に集まった人々にさえ銃口を向けた。兵士が市民たちを撃つ姿が、スマートフォンやCCTVのビデオによって世界に配信されたほか、子どもやお年寄りが軍に連行され、翌日、遺体になって戻ってきたという恐ろしい話も次々にソーシャルメディアに投稿された」。
衝撃的な書き出しで始まる社説は、「ミャンマーで民政移管が実現してから10年の間、軍の性質はなんら変わっていなかった」と、指摘する。
 ミャンマー軍の暴走に対して国際社会は何をしているのか。社説は「効果的な動きが何もない」と焦り、「民主主義を訴えるミャンマーの人々の要求が軍によって弾圧されていることに対し、国際社会は激怒しているが、虐殺を止めるためになんら実効的な手立てを打てていない」と、憤る。
 ロイター通信が伝えたところによると、国連のミャンマー担当特使はミャンマー軍が集団殺人を犯していることを指摘し、軍を孤立させるために武器を供給しないよう国際社会に求めたという。また、国連のグテレス総長は3月28日、「国際社会が強く団結し、毅然と対応してほしい」と呼びかけた。
 しかし、ネパールをはじめミャンマーと隣接している南アジア諸国は、ミャンマーに対し、「憤り」とは無縁の動きをした。
 「隣国で大量殺人が起きているという事実は、南アジア諸国にとっても強く懸念されるべき事柄だ。にも関わらず、ミャンマーで114人が犠牲となった「血塗られた日曜日」の3月27日、インド、バングラデシュ、パキスタンの各国はミャンマーの国軍記念パレードに政府代表を派遣した」と、社説は指摘する。
 では、ネパールはどうだったのか。社説は、「ネパール政府はクーデターが起きた2月1日に中途半端な声明を出したきり、何も発表していない。ミャンマーに隣接する南アジア諸国の一つとして、ネパールは激しい人権侵害を続けるミャンマー軍に対し、もっとアクションをとれるはずだ」として、毅然と非難するよう政府に求めている。
 「ネパールは現在、国連人権委員会の委員にも名を連ねており、その責務としてミャンマー国民の生命と自由と尊厳を守らなければならない」

断固たる抗議を

 実を言えば、ネパールにとってミャンマーの民主化政権は必ずしも大々的に支持できる存在ではなかった。ネパールは、ロヒンギャの人々をめぐるアウン サン スー チー政権の対応を批判していたためだ。
 「しかし、だからといって、同氏や他の指導者たちが軍の横暴な仕打ちを受けて良いというわけでは決してない」
 そのうえで社説は、いまだ立場を明らかに示さないネパール政府や、虐殺を止めることができないでいる国際社会に対していらだちを隠さない。
 「これまでにミャンマーでは数百人が殺害され、2000人以上が逮捕され、多くの負傷者も出ているにも関わらず、人々は軍の残虐な弾圧に強い闘志で立ち向かっている。ミャンマーの人々こそ、世界の民主主義支持者の支援を受けるに値する。民主化と平和を求める彼らの要求は守られなければならない。そして国際社会は、ミャンマー軍の犯罪的な弾圧と虐殺に対し、断固たる抗議をしなくてはならない」
 足並みのそろわない南アジア諸国でも、メディアからは毅然とした軍批判の声が出ている。

 

(原文:https://kathmandupost.com/editorial/2021/03/29/stop-bloodbath-in-myanmar)

 

 

 

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