国道1号線をゆく
ホーチミン〜プノンペン 過去・現在・未来の姿に想いを馳せながら

  • 2019/7/10

私を運んでくれたバン。カンボジアナンバーでクメール語が並ぶ。 背景はカンボジア側のイミグレーションオフィス。お国柄あふれる建築(筆者撮影)

 再びバンに乗り、500メートルほど先にあるカンボジア側のイミグレに向かう。ふと車内を見渡すと、ホーチミンからプノンペンに向かう時には、フィリピン人の女子旅御一行様が5人(お菓子交換に、スマホ操作にと、忙しそうだった)に加え、カンボジア人の寡黙な家族連れが3人乗っていた。ちなみに、帰路は、私以外は皆、ベトナム人の旅行者だった。そういえば、以前、「プノンペンより設備の良いホーチミンの病院で治療を受けている」と話す初老のカンボジア人男性と乗り合わせたことがある。ベトナム人とカンボジア人は、ビジネスではなく、観光目的で30日以内の滞在であれば、互いにビザ取得が免除されている。車窓から見ると、数は少ないものの、バイクで両国を行き来している人もいるようだ。パスポートチェックこそ受ける必要はあるものの、国境を越えることはさほど難しくないように思われる。

 一方、人だけでなく、ダンボールを何箱も荷台に積みこんで走る大型バスを見ると、旅客便としてだけでなく、貨物便としても機能していることが分かる。ホーチミンとプノンペンを結ぶこの路線には、さまざまな需要があるようだ。

22年前のロードトリップ

 学生時代の1997年に、同じこの道路を走ってホーチミンとプノンペンを往復したことがある。成田からベトナムに向かう機内で知り合った、偶然同じ大学の同じ学年の女の子と意気投合し、「一人だったら怖いけれど二人なら」と思い立ったロードトリップだった。今の私は、その時のことを振り返りながら、つくづく「若いってすごい」と思う。

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