バングラデシュで新型コロナの感染者が再急増
予防対策の徹底と急がれるワクチン接種

  • 2021/4/5

 2月にいったん下火になったバングラデシュの新型コロナ新規感染者数が、再び増加している。3月23日付のバングラデシュの英字紙デイリースターは、社説でこの問題を採り上げた。

バングラデシュの新型コロナ新規感染者数が再び増加している (c) cottonbro /Pexels

感染者、再び急増

 バングラデシュでは3月下旬までに57万人以上が新型コロナに感染し、そのうち8700人余りが死亡している。2月半ばに3桁まで落ち着いた1日あたりの新規感染者数も急増しており、3月下旬現在、2000人以上に上っている。社説は、新型コロナ新規感染者が再び増え始めたことを深く懸念し、こう述べている。
 「3月21日以降、24時間で10.29%も増加することもあった。1日あたりの新規感染者も、ここ数日は2000人を超え、死者は1日に20人を超えている。これを受け、2月より多くの人々が新型コロナの検査を受けている」「ドイツのドイッチェ・ヴェレが3月19日に報じたところによると、世界的にも97カ国で新規感染者が増加傾向にあるという。このまま増え続ければ、政府は再びロックダウンや行動規制を検討せざるを得なくなるだろう」
 社説によれば、バングラデシュ国内で3月21日までにワクチンを接種した人は約480万人で、対象者1億6700万人のまだほんの一部だという。「バングラデシュでワクチン接種の効果が出るのはまだまだ先になりそうだ」
 さらに、欧州連合(EU)が7月半ばまでにはワクチン接種の目標数を達成できるとされていることに触れた上で、「バングラデシュはどうか。われわれは、ワクチン接種キャンペーンを開始したはじめの1カ月ですら目標を達成できていないうえ、接種を進めるための計画すら策定できていないではないか。新型コロナを封じ込めるためには、迅速で広範囲なワクチン接種の実施がカギを握っていることを忘れてはならない」

変異株の脅威

 続いて社説は、バングラデシュで感染者数が増加しつつある背景に、新型コロナウイルスの変異株の存在を指摘する。変異株はバングラデシュ国内でも確認されており、既存のワクチンが効くかどうか、早急に調査する必要があるという。
 「感染を抑え込むためには、感染者の濃厚接触者の追跡と検査が、治療やワクチン接種と同様に重視されなければならない。感染予防の対策を普及し、感染の疑いのある人の行動をつぶさに追跡するとともに、海外からの帰国者の検査を徹底し、ワクチン接種を早急に進める必要がある。ぐずぐずしている暇はない」
 どんなに危機的な状況も、長く続けば慣れてしまう。実際、新型コロナウイルスへの危機感が薄れ始めたところに変異株が現れ、1年前より状況は悪化している。これは、バングラデシュだけの話ではない。地球全体が新たな危機に直面していると考えたほうがいいのかもしれない。確かに、ぐずぐずしている暇はない。

 

(原文:https://www.thedailystar.net/editorial/news/sharp-rise-covid-19-infections-worrisome-2065037)

 

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