ミャンマーに浸透する中国の宣伝工作
地元メディア隠れ蓑に「香港デモは米国のせい」

  • 2019/11/18

中国人経営を隠すメディア

 この調査報道はほかにも、中国がミャンマーメディアに影響を与えている多くの事例を挙げている。例えば、中緬間の大きな懸案となっているミッソンダムに住民が強く反対するカチン州では、雲南省の地方政府傘下の中国徳宏伝媒集団が、代表的な地元メディアのミッチーナ・ニュースジャーナルと記事交換の契約を結んでいると伝えている。

ミャンマーでは中国語の新聞も発行されている(筆者撮影)*写真は本文と関係ありません

 さらにミャンマーナウは、一般にミャンマーメディアと思われている媒体のいくつかは、中国人によって運営されていると指摘する。その一つが、ネットメディアの「ミャンマープラットフォーム」だ。中国が進める水力発電所を支持するものなど、親中的な記事を今年に入り少なくとも25本掲載したとされる。

 ミャンマー人幹部は、同社が中国人経営であることを否定するものの、登記簿によると取締役のうち5人は中国人。ミャンマーナウが確認した内部資料では、編集方針のひとつに中国の政策や経済、社会について執筆することが盛り込まれている。ミャンマープレスカウンシル役員のミンチョー氏は2017年にミャンマープラットフォームの開業式典でテープカットをしたのは中国の商工会関係者らだったことが話題になったと振り返り、「目的はわからないが、何らかのプロパガンダであることは間違いない」と語っている。

 また、ミャンマー・ユース・マイクロフィルム・コンテストを開催するモネクトも、中国と近い関係を指摘されている。中国政府系ネットメディアのチャイナ・ドットコムのミャンマー語フェイスブックページの電話番号は、モネクトと同一。モネクトは中国大使館が発行するチャイナ・トゥデイを編集しているほか、ミャンマー東部のチャウピューから雲南省へ伸びる石油パイプラインが通る都市で中国映画の上映イベントを企画した。

 このほか、ミャンマーナウは年間数百人のミャンマー人記者が中国に招かれていることも指摘したほか、中国共産党中央宣伝部長の黄坤明氏をはじめ、中国大使館や新華社、光明日報の関係者がミャンマーメディアを訪れていることを紹介している。

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