【歩く・見る・撮る】― 写真民俗誌/民族誌へのいざない ―
ミャンマー(ビルマ)から  ⑫<刺青>

  • 2024/4/24

ミャンマーで国軍が与党・国民民主同盟(NLD)を率いるアウンサンスーチー氏らを拘束し、「軍が国家の全権を掌握した」と宣言してから3年以上が経過しました。この間、クーデターの動きを予測できなかった反省から、30年にわたり撮りためてきた約17万枚の写真と向き合い、「見えていなかったもの」や外国人取材者としての役割を自問し続けたフォトジャーナリストの宇田有三さんが、記録された人々の営みや街の姿からミャンマーの社会を思考する新たな挑戦を始めました。時空間を超えて歴史をひも解く連載の第12話です。

 ⑫<刺青> 

 ビルマ(ミャンマー)の刺青は、もともと中国南部から北東部シャン州に入り、そこから全国に広がったといわれている。ミャンマーにおける刺青の役割は、日本で言うところのお守り(護符)であり、魔除けや厄払いなどに相当する。
 ミャンマー全土を動き回っていると、どの町や村においても、男性の多くは身体のどこかに刺青を入れている。ちなみに、ミャンマーの古いことわざに、「結婚すること、仏塔を建立すること、そして刺青を入れることは、後から大変な苦労をしてしか変えられない3つの事柄である」という言い伝えがある。その言葉が示す通り、昔はいったん刺青を入れてしまうと、それを消すのはなかなか大変であるという認識もあったが、現在は、伝統的な厄除という効果よりファッション性が重要視されているようである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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