バングラデシュが全国をロックダウンへ
貧困層への生活必需品の支援も実施

  • 2021/7/14

 世界の多くの国が、新型コロナウイルスの第3波、第4波に見舞われている。バングラデシュもまた、これまで以上に深刻な状況を迎えた。6月28日付のバングラデシュの英字紙デイリースターは、社説でこの問題を採り上げた。

バングラデシュは7月1日より全土でロックダウンが実施されている (c) Shadman /Pexels

過去最悪の感染状況の可能性

 国内で新型コロナの感染者が再び増加傾向にあるバングラデシュでは、7月1日から全国でロックダウンが実施されている。5月半ばには、1日あたりの新規感染者数が、一時的に200人台にまで抑制されていたが、6月に入って急増し始めた。6月末には、1日に8000人を超える新規感染者が確認され、過去最多となったことを受け、ロックダウンが行われることになった。社説は、「当初は6月28日から行う予定だったが、年度末にあたってさまざまな作業と重なり、開始が7月1日に延期された」とした上で、次のように述べている。
 「いずれにせよ、もっと早くロックダウンに早く踏み切るべきだった。これに先立ち、ダッカ市中で感染が深刻な地域を切り離すために、当該地域との往来が禁止されたが、ウイルスがすでに他地域へと広がってしまったため、感染爆発を予防する上では不十分で、中途半端な措置だった」
 とはいえ、「何もしないよりは、遅れてでも実施した方がよい」と、社説は主張し、「以前のロックダウンと同じ過ちを繰り返すべきではない」と述べる。
 「前回、一部地域を往来禁止にした時には、まるでウイルスなど存在しないかのように、人々は通常生活を送っていた。しかし、ロックダウンは、地方行政担当者の責任下に、厳しく実施されなければならない」 
戦時体制と同じレベルで

 さらに社説は、「ロックダウンの実施は、確かに経済活動の上ではマイナスだが、言うまでもなく人間の命の方がはるかに大切であり、年度末云々といった事情に左右されるべきではなかった」と批判。「感染拡大防止は何よりも最優先されるべき」だと重ねて主張した。その上で、「前回のロックダウンが徹底されなかった理由の一つは、その日暮らしを強いられている貧しい家庭への支援が十分ではなかったことだ」と述べ、今回、政府が貧困層に現金や米、食用油などの生活必需品の支援を決定したことを評価した。
 「ロックダウンは確かにウイルスの拡散を防ぐ一つの方法だが、それだけでは効果的ではない。われわれはインドの経験から多くの教訓を得た。検査所の数を増やし、できるだけ多くの人に新型コロナの検査を受けてもらう必要があること。陽性が判明したら、すぐに隔離すること。マスク着用やソーシャルディスタンスの確保といった予防対策は、ロックダウンの前後に関わらず徹底すべきであること、などだ」「さらに、バングラデシュの保健医療施設の設備は不十分であり、医療用酸素やベッドを整え、集中治療室を整備することが喫緊の課題だ」
 その上で社説は、これらの対策について「戦時体制と同じように取り組むべきだ」と、強く訴える。「私たちが直面している状況は、まさに戦争と同じなのだから」
 ワクチン接種の広がりとともに、私たちはこの状況に慣れ始めている。しかし、各国の現状を見れば、感染状況が「悪化」していることは明白だ。改めて、感染症との向き合い方を考え直したい。

 

(原文:https://www.thedailystar.net/editorial/news/countrywide-lockdown-finally-2119353)

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