バングラデシュの水害から校舎を守れ
地元英字紙が子どもたちの学びを止めない仕組みの創設を提言

  • 2021/10/24

 毎年のように水害が起きるバングラデシュでは、多くの学校が浸食により倒壊しているという。9月25日付のバングラデシュの英字紙デイリースターは、この問題を社説で採り上げた。

(c) Adil Ahnaf /Pexels

11校が流される

 バングラデシュの北東地域では、水害による土地の浸食は珍しいことではない。毎年のように起きる洪水が原因だという。社説は「それならばなぜ、浸食被害を放置するのか。紙面でも報じている通り、つい最近も、川の沿岸に建てられた小学校が11校、洪水で流された。浸食が起きることが分かっている場所に学校を建てることをなぜ許可するのか」と指摘し、行政当局の無策を批判する。
 「その結果、子どもたちは今、掘っ立て小屋で学ぶことを強いられている。学校にあるべき基本的な設備すらなく、授業を受けるのに不適切な環境であることは言うまでもない。子どもたちも先生たちも、大変な苦痛を味わっている。新型コロナにより、1年半もの間閉鎖されていた学校がようやく再開し、登校してみたら、校舎が川に飲み込まれていた彼らの気持ちを想像してほしい」

教育へのアクセスに関心を

 社説によると、校舎が流された地域では、地元の人たちや先生たちが仮の教室を建て、当面の授業を行うために寄付を募ったという。「なぜ行政がそうした行動に参加しないのか不思議に思う。小学校担当の役人が、積極的に校舎再建に取り組むほか、適切な土地を提供するなどの行動を期待されるのは当然だ」と、社説は、行政不在の災害対応に苦言を呈する。
 「このケースで考えなければならないのは、洪水やサイクロン、水害による浸食のような緊急時でも教育の機会が保証されるためには何をすべきか、ということだ。こうした災害が起きると、被災者への緊急支援については関心が集まるが、子どもたちの教育アクセスについては適切に対応されてこなかった。行政当局は、学校の建設段階からこうした災害のリスクも考慮すべきだ」
 自然災害が発生すると、まず食料など緊急物資支援が注目される。しかし社説は、自然災害によって子どもたちの学びが止められていることを指摘しているのだ。
 「政府は、緊急時の教育支援システムを立ち上げるべきだ。自然災害を受けやすい地域の場合は、校舎の移転や建て直しなども必要だ。このような取り組みによって、子どもたちの不安が少しでも和らぐことを期待している」
 新型コロナの感染拡大による行動制限が緩和されてもなお、特に途上国には多くの課題が残されている。人類がコロナ対策で培った忍耐力によって取り組みが進むことを期待したい。

 

(原文https://www.thedailystar.net/views/editorial/news/save-our-schools-the-rivers-2181871)

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