ワクチン政策を推進するマレーシア
地元紙は「接種開始後も予防策の徹底を」と呼びかけ

  • 2021/3/20

 世界中で急速に進む新型コロナのワクチン接種。マレーシアはどのように取り組んでいるのか。同国の英字紙ザ・スターは2月28日の社説でこの話題を採り上げた。

(c) Gustavo Fring / Pexels

3日間で100万人が登録

 マレーシアは2月末までに約30万人の新型コロナ感染者を確認した。このうち27万3,000人は回復しており、死者は1130人だ。マレーシアは昨年10月の初頭まで感染拡大を抑制できていたが、それ以降は感染者が増え、今年2月の初めには一日あたりの新規感染者が4,500人を上回るなど、ピークに達した。その後は徐々に減少傾向を見せ、2月末には2500人前後になっている。
 社説によれば、マレーシアではワクチン接種プログラムが開始されてからわずか3日間で約100万人のマレーシア国民が新型コロナのワクチン接種アプリを通じて申し込みをしたという。社説は、政府のコロナ接種キャンペーンのメッセージを引用しつつ、次のように呼び掛ける。
 「100万人という数字には大変勇気づけられる。しかし、感染拡大が抑制されるためには国民の8割が集団免疫を獲得しなければならず、2700万人にワクチンを接種する必要がある。自分を守るということは、他人をも守ることにもなるのだ」

「デマを信じないで」

 「私たちはワクチン接種をためらっている場合ではない」と、社説は重ねて呼びかける。
 マレーシアでは、ワクチンについてこんな「情報」が出回っているという。
 「ワクチン調整担当大臣のカイリー・ジャマルディン氏が指摘するように、このワクチンはマイクロチップを体内に埋め込み、あなたの意識を奪うものでもなければ、秘密結社イルミナティが開発した世界征服のためのツールでもない。このワクチンは科学にのっとり開発されたものなのだ」
 社説は、「もし、ワクチンについて何か不安なことがあれば、友人や家族がワッツアップなどのSNSで送ってくる不確かな情報に頼るのではなく、世界保健機関(WHO)やマレーシア政府の保健省など、信頼できる情報源にあたって正しい知識を得てほしい」と、強調する。
 もちろん、ワクチンは万能ではない。ワクチンが「自分が感染すること」を防いでくれたとしても、「他人にウイルスを移すこと」まで抑制してくれるかどうかは明らかになっていないためだ。「だから、ワクチンを接種してあなた自身の感染リスクがなくなっても、ワクチンを接種していない人を危険にさらす可能性は依然として残っている」
 その上で社説は、「現状のペースではワクチンを3000万人に接種するまで時間も必要であり、それまでの間、国民はこれまで行ってきた予防策を引き続き実施する必要がある」と、指摘し、保健省が定めた対策を行わない人たちにはより厳しい罰則が課されると伝えている。
 「こうした罰則は、社会的地位に関係なく、だれにでも公平に適用されなくてはならない」と、社説は念を押す。
 昨年下旬から2月まで感染者が急激に増加したマレーシアは、それだけ国民の危機感も高まっている。政府は2月26日より米ファイザーと独ビオンテックが開発したワクチンの接種を開始。ワクチン政策の推進によって感染拡大がどう抑制されるか、注目が集まっている。

 (原文: https://www.thestar.com.my/opinion/columnists/the-star-says/2021/02/28/vital-for-all-to-sign-up-to-be-inoculated)

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