【歩く・見る・撮る】― 写真民俗誌/民族誌へのいざない ―
ミャンマー(ビルマ)から ⑮ <働く牛>

  • 2024/4/27

ミャンマーで国軍が与党・国民民主同盟(NLD)を率いるアウンサンスーチー氏らを拘束し、「軍が国家の全権を掌握した」と宣言してから3年以上が経過しました。この間、クーデターの動きを予測できなかった反省から、30年にわたり撮りためてきた約17万枚の写真と向き合い、「見えていなかったもの」や外国人取材者としての役割を自問し続けたフォトジャーナリストの宇田有三さんが、記録された人々の営みや街の姿からミャンマーの社会を思考する新たな挑戦を始めました。時空間を超えて歴史をひも解く連載の第15話です。

 ⑮<働く牛> 

  ビルマ(ミャンマー)の北西に位置するザガイン地域モンユワからチンドウィン河をバイクで渡り、ガンゴーの街を抜ける。インドの支援で作られたアスファルト道路には、穴ボコなどあいていない。真っ青な空の下、両側に広がる村々を眺めながら、信号のない一本道を気分良く走る。
 並行する小径をゆっくりと進む牛車を追い越してから、バイクを停め、周囲の写真を撮影する。ハッと気づくと、いつの間にか牛車が私を追い越していた。遅いように思われた牛車だったが、実は、確実に前に進んでいたのだ。
 とはいえ、乗ったことがある人はご存知だろうが、牛車の乗り心地はすこぶる悪い。地面に凸凹があると、その衝撃が直接、身体に響くからだ。まあ、その衝撃も慣れなのだろう、カメラのレンズを向けてみると、牛車を御する若者が私に笑顔を向けてくれた。そう、ビルマ(ミャンマー)をバイクで回りながら、実にいろんな牛車に出会ってきた。その一部をご紹介したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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