ヤンゴンで相次ぐ不審火と住民の消火活動
鎮火後に到着した消防車と武装警察

  • 2021/4/10

 ミャンマーの最大都市ヤンゴン北部にあるインセイン郡区で、3月23日未明、住宅から突如、出火した。原因は明らかになっていないが、このところヤンゴンの各地で不審火が相次いでいる。不審火には、刑務所から釈放された受刑者らが放火しているという説や、怒った住民が火をつけたとする見方、あるいは、国軍側が住民を脅すためにやっているのではと言う者まで、さまざまな説があるが、実際のところは、捜査すべき警察が信頼されていないため、事実関係は闇の中だ。

燃え上がるインセイン郡区の住宅(筆者撮影)

 

 近隣住民らが、火を消し止めようと消火活動にあたった。自宅から水を入れたバケツを運んだり、協力してホースを運び、モーターがある遠くの家までつないだりして水を調達。100人以上が必死に何らかの作業を手伝った。

火を消すためにホースを運ぶ近隣住民(筆者撮影)

 

 住民は消火作業中に、「団結するか」「団結だ!」と声を掛け合いながら、バケツを運んだ。火が出た住宅は空き屋で、けが人はいなかったという。

100人以上の住民が消火活動に参加した(筆者撮影)

 

 そして、ほぼ鎮火したあとに、消防車が到着。そのあとすぐに武装警察も到着した。それを見た住民たちは、「火が消えた後に来たね」と言いながら、それぞれその場から離れていった。

燃える住宅を消化しようとする住民ら(筆者撮影)

 

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