動かぬ「お役所」に憤る移民労働者
ネパールの在外公館は邦人保護の責任果たせ
- 2019/7/20
求められる「お役所仕事」の体質改善
明らかな契約違反の早期解決を求める社説は、こうした事態が放置されている状態を「お役所仕事」の結果だ、と批判する。
「これは、海外で暮らすネパール国民が、頼るべきものもなく搾取され、留め置かれている状態であり、ネパール大使館が救済に当たるべき事案である。それなのになぜ、大使館はお役所仕事から抜けられないのか。同様に、移民労働局にしても、問題の仲介業者に、騙された女性たちをただちに祖国へ戻すよう強く求めるべきであり、女性たちの安全が確保された時点で、きちんとした調査をするべきである。そして長期的には、官僚主義的で煩雑な手続きを改善するべきである」
国の経済支える移民労働者の見直しを
外国で働く移民労働者は、祖国にとってどんな存在なのだろうか。たとえば、国民の10人に1人が海外で働いているといわれるフィリピンでは、彼らは海外送金によって家族の暮らしを、ひいては国の経済を支える存在として、「英雄」視されている。クリスマスの帰国シーズンには、大統領自ら空港に出向き、里帰りする「英雄」たちを出迎えたこともあった。
政治的な混乱と経済停滞が長く続くネパールにとっても、海外で働く移民労働者が、本国の人々の暮らしを公に私に支える存在であることは疑いようのない事実である。にも関わらず、「お役所仕事から脱して迅速な対応を」と、今さらながら呼びかけるこの社説には、驚きを禁じ得ない。
(原文:https://kathmandupost.com/editorial/2019/07/12/migrants-workers-trapped-abroad)