パキスタンの社説がオミクロン株への備えを訴え
「デルタ株の経験生かし、壊滅状態の回避に努めよ」

  • 2021/12/24

 世界各地で感染者が急増している新型コロナのオミクロン株の脅威について、パキスタンの英字紙ドーンは12月4日の社説で採り上げた。

(c) Jeremy Bezanger /Unsplash

医療用酸素の増産を

 社説によると、新型コロナ対策を担うパキスタンの国家指令センター(NCOC)は、新たな新型コロナの変異株「オミクロン株」が全ての大陸に感染拡大したことを受けて、国内のさまざまな箇所に医療用酸素工場を建設するように助言した。
 「オミクロン株による感染がパキスタンでも広がることは、もはや避けられない。計画省が指摘した通り、医療用酸素工場を増やすことは、非常にタイムリーな決断と言える。さらにNCOCは、すでに5000万人が新型コロナワクチンを接種しており、接種率をさらに上げる必要がある、と指摘した」
 パキスタンでは、過去24時間の新規感染者数が1日400人以下に抑えられている。しかし、12月初旬のワクチン接種状況を見ると、1回目を終えた人が37%、2回目を終えた人は23%にとどまっている。この状況を受け、社説は「中央政府や地方行政がしっかりと警戒し続けなければ、大変な事態になってしまうだろう」と、指摘した。
 「オミクロン株については、まだよく分からないことも多い。科学者たちは、オミクロン株の危険性や感染力について、猛烈なスピードで研究している。最悪のシナリオは、オミクロン株に既存のワクチンが効かないことだ。そうだとすれば、世界のワクチン接種計画に甚大な影響がおよぶだろう。国民の4分の1がワクチン接種を終え、集団免疫を獲得していると考えられていた南アフリカで感染者が急増しているという事実は、既存のワクチンが効かない可能性があることを示しているのかもしれない。専門家によれば、たとえワクチン接種率が高い国でも、適切な感染予防策が行われない場合、オミクロン株による感染が急拡大する可能性があるという」

経験重ね「自信」も

 社説は、「オミクロン株を侮ってはならない。パキスタンではまだ国民の4人に1人しかワクチン接種を終えておらず、高齢者など重症化しやすい人も多い。科学者たちがオミクロン株について解明している間に、政府は、デルタ株よりも速く感染するオミクロン株への対応策を考えなければならない。オミクロン株があまり重症化しないとしても、多くの人が感染し、治療を必要とする事態に変わりはないからだ」と、主張する。
 デルタ株による感染拡大した際、多くの途上国で医療用酸素ボンベが不足し、病院へ行っても酸素がない、という悲惨な状態であった。その経験を繰り返すことのないよう、感染拡大を想定した準備が必要だ、と社説はいう。
 「ワクチン接種率を上げ、医療用酸素ボンベも増産すると同時に、特に多くの人が集まる室内でマスクを着用し、ソーシャルディスタンスを確保する予防策もしっかり守られなければならない。パキスタンでは、予防策を徹底し、検査を拡充することで、壊滅的な事態を避けることができた。オミクロン株でも可能なはずだ」
 パキスタンに限らず、多くの国がデルタ株などの変異株による感染拡大を経験し、乗り越えてきた。ウイルスは消えずに変異し続けるという。そうであれば、私たちは「ウィズコロナ」を覚悟しなければならない。振り返ってみると、新型コロナの感染が始まった時、急増する患者と医療崩壊を嘆く社説も多かったが、今では手段を具体的に訴える社説が目につく。パキスタンのように、一定の「自信」を得た国もある。ウィズコロナがもたらす様々な変化に注目したい。

 

(原文https://www.dawn.com/news/1661868/omicron-threat)

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