ウイルス抑え込み新たな歴史が始まるスリランカ
培った団結力で経済再建に向けてたたかおう

  • 2020/5/28

 スリランカでは5月27日現在、全国の感染者は1,469人。この日も16人の新規感染者が確認されたが、都市封鎖などで感染拡大は抑制され、26日からは首都コロンボとガンパハの都市封鎖が解除された。27日付の英字紙デイリーニューズは、スリランカの「アフターコロナ」について書いている。

 

コロナ禍によって観光業をはじめ経済活動が大きな打撃を受けたスリランカ。経済回復に向け、あらたなたたかいが始まる (c) Sander Don / Unsplash

静かな幕開け

 スリランカでは5月26日から、コロンボとガンパハで約3カ月にわたる都市封鎖が解除された。社説は「私たちは間違いなく、この恐ろしい感染症とのたたかいの大きな節目を迎えた」と、している。

 この日の様子はどうだったのだろうか。社説によると、コロンボでは、「人々を家に閉じ込めていた規制が解除されたからといって、彼らが街にどっと繰り出すようなことはなかった。むしろ、街はステイホームを求められていた期間に立ちこめた薄暗い闇をいまだまとっており、交通も人々の動きも少し回復したに過ぎない」

 日本でも緊急事態宣言が解除された後、人々が一気に街に繰り出すようなことはなかった。社説はそんな人々のメンタリティーを、「これまでに身につけた感染防止の方法について真剣にとらえており、これからどのように暮らしていったら安全なのか、様子をうかがっている」と指摘する。スリランカでは、保健当局も、新型コロナウイルスに対する全面勝利などと宣言することはなく、このウイルスの治療薬やワクチンがまだ開発途上にあることを認識している、という。そして「最も危険な状態は過ぎたように見えても、まだ感染第2波が起きる可能性があることは、封鎖を解くのが早すぎたいくつかの国が示す通りだ」と、警告する。

変化を受け入れよう

 新型コロナウイルスは、これまで当たり前だった私たちの暮らしを大きく変える。それはスリランカでもまったく同じようだ。社説によれば、「企業も仕事場も新しい現実を受け入れざるを得ない。すでに多くの会社で、ソーシャルディスタンスを守りながらの勤務が普通になってきている」という。

 変わるものは、ほかにもある。たとえばスポーツはどうなるのか。「ラグビーのように、体を接触するスポーツはこれから実施できるのだろうかと心配する人もいるだろう」。また、映画では役者たちが接近するようなシーンはどうなるのか。ホテルやレストランでの食事も、これから変化を迫られるだろう、と社説は指摘する。「グループでご飯を食べるなどという光景はもう見られないかもしれない」。

 社説によると、政府が最も懸念しているのは経済の回復だという。「ほとんどの分野で、ゼロからの立て直しをしなくてはならない」。たとえば、観光業は甚大なダメージを受けた。移民労働者も移住先で大きな影響を受けており、スリランカ経済を支える海外送金も大きく落ち込んでいるという。「政府は、経済を回復するために、人々から支持されない政策も選ばざるを得ないだろう。実際、すでに輸入関税の引き上げが一部商品に課せられている」。

 しかし社説は、このような危機的状況のもと、ある程度の犠牲は必要だと主張する。「新型コロナウイルスの感染拡大によって、国家は新しい考え方をしなければならなくなった。国民も、スリランカがより強く、健やかな社会になるために、この変化を受け入れなくてはならない。経済活動や国民生活が完全に再開される時こそ、新型コロナウイルスに打ち勝ったスリランカの新しい歴史の始まりの日となるだろう」

 新型コロナウイルスの感染拡大を抑制しているスリランカは、世界の指導者から賛辞を受け取っていると社説は述べ、「だからこそ、危機下で培った国民の団結をこれからも保ちたい」と、訴える。ウイルスとのたたかいが節目を迎え、これから経済再建という新たなたたかいが始まる。その思いは今、多くの国と人々が共有するものだろう。

(原文:http://www.dailynews.lk/2020/05/27/editorial/219409/towards-new-beginning)

 

 

Photo by Sander Don on Unsplash

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