第二の衝撃が迫っているのか 混迷する中東情勢
見えないトランプ大統領の意図に懸念を募らせる南アジア
- 2026/4/14
パキスタンの仲介で4月7日に停戦に合意したアメリカとイランは、4月11日から12日にかけて21時間にわたり協議を続けていましたが、合意には至りませんでした。これに先立ち、インドとパキスタンの英字紙は3月末、相次いでイラン情勢について取り上げ、アメリカ軍による地上侵攻の可能性やフーシ派の参戦など戦闘拡大への危惧を伝えるとともに、トランプ大統領の意図の不明瞭さを指摘しました。

国防総省(ペンタゴン)でイラン攻撃について記者会見する統合参謀本部議長のダン・ケイン大将(2026年3月19日撮影)(c) U.S. federal government /wikimediacommons
インド紙は紅海航路への新たな攻撃を懸念
インドの英字メディア、タイムズオブインディアは3月30日付の社説「第二の衝撃が迫る?」で、イランとフーシ派がアメリカ軍の地上部隊の展開に備えていることについて、「世界にとって極めて悪いニュースになる」と論じた。
社説によれば、3月30日現在で「アメリカ軍の地上侵攻の可能性を強く示唆する3つの事象がある」という。第一に、アメリカ軍の部隊展開が増加していること。第二に、イラン革命防衛隊が、戦争への志願年齢を12歳にまで引き下げたこと。第三に、フーシ派が参戦したことだ。
特に、「志願年齢の引き下げ」について、社説は「恐ろしいほどに衝撃的かつ象徴的」だと表現。「イラン政府が長期にわたる対立を想定し、兵力不足に陥る可能性を見通した対策」だと指摘したうえで、「イランは、単なる報復ではなく、持久戦に備えているのだ」との見方を示す。
また、フーシ派の参戦については「紅海航路に新たな攻撃が行われる可能性がある」と指摘。「もしイランがホルムズ海峡の航行を妨害している最中に紅海航路への攻撃が起きれば、世界のエネルギー市場への影響は甚大」との見通しを示した。もし実際に起きれば、原油価格が1バレル150ドルにまで達することも考えられるという。
そのうえで社説は、「最大の懸念はトランプ大統領の目的が不明確なことだ」と述べる。「ホワイトハウスも、もはや真の望みが分からなくなっていのるかもしれない」
政府の外交努力を評価するパキスタン紙
一方、イランとアメリカとの仲介に乗り出したパキスタンの英字紙ドーンは3月31日付の社説で、パキスタンの外交努力について論じた。
パキスタンは3月29日にサウジアラビア、エジプト、トルコの外相を交えた4カ国会合を開催し、ホルムズ海峡封鎖の終結や、戦闘停止に向けたイランへの提案を協議した。パキスタンの仲介を受け、アメリカとイランは4月7日、イランとアメリカは政府の取り組みについて、社説は「世界経済がホルムズ海峡の封鎖によって大きな打撃を受けているなか、事態の沈静化に向けた外交努力は評価に値する」と述べた。
さらに、「この会談によって対話の必要性とイスラム世界の結束が強調された」と述べたうえで、「提案の内容が「イランを厳しい口調で批判してきたアラブ諸国の声明に比べてはるかに穏やかだったことは注目に値する」と伝えた。今回の仲介が、イランに寄り添う形で進められていることが分かる。
そのうえで社説は、「事態の鎮静化のカギはワシントンの手の内にある」と指摘。「この破滅的な戦争を始めたのはアメリカであり、たとえ屈辱を味わうことになろうとも、それを終わらせることができるのは、そして、終わらせるべきなのは、アメリカだけである」と続けた。
「イラン人は自国を防衛し、極めて熟知した地形で作戦を展開することになる。アメリカは一歩引いて、再考すべきだ。第二に、ワシントンは、代理戦争を仕掛けるイスラエルに対し、イランとレバノンへの攻撃を直ちに停止するよう圧力をかけなければならない」
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インドにしてもパキスタンにしても、トランプ大統領の意図が不明確であることが、事態解決の足かせになっているという認識だ。大義も目的も見えない戦争。その争いの下で命を落とす人々がいるという事実に、私たちはどう向き合えばいいのだろうか。
(原文)
インド:
https://timesofindia.indiatimes.com/blogs/toi-edit-page/second-shock-coming/
パキスタン:
https://www.dawn.com/news/1987016/diplomatic-push












