未来を決めるために必要な「我慢」
ジャカルタの大気汚染と交通規制
- 2019/8/19
大気汚染の主原因は排気ガス
「しかし」と社説は続け、「これは、必要な痛みなのだ」と言う。「ジャカルタの交通渋滞を軽減するためには、やはり個人が所有する車両が都心部に乗り入れる数を制限し、公共交通網を充実させるべきだと専門家も主張しているし、大気汚染の原因の約7割は車両の排気ガスだという統計もある」
さらに、駐車料金の引き上げや、路上駐車の制限、通行量の多い道路での利用料金の徴収といったアイデアも挙げられる。
もっとも、良い兆しも見られる。ジャカルタでは昨年、アジア大会開催期間中の渋滞を軽減するために車両ナンバー制限の拡大を実施し、その成果が表れつつある。各国の渋滞の深刻さを年別にランキング付けする「トムトム・トラフィック・インデックス」によると、ジャカルタは同年、「世界で最も渋滞が緩和した」都市に選ばれたのだ。同紙はこのニュースを報じ、「ジャカルタの渋滞がひどいことは変わりがないが、それでも喜ばしい」と述べている。
最後に、社説は「もし、歩行者が公共交通や施設を快適に利用できるようになるまで何もせずに待っていれば、必ずやすべての交通網はマヒ状態に陥るだろう」とした上で、「この街の未来は、私たちの犠牲の上に成り立つのだ」と訴える。「車両ナンバー規制の拡大は、確かに腹立たしい決定であり、多くの人が不便を感じているだろう。しかし、ジャカルタの人々は、これまでも新たな出来事に機敏に対応し、さまざまな困難を乗り越えてきた。これは、われわれ自身の未来に関わる決断なのである」
(原文:https://www.thejakartapost.com/academia/2019/08/10/necessary-pain.html)