傍若無人なイスラエルと世界はどう向き合うべきか
「すべての国はイスラエルとの関係見直しを」 アジアのイスラム諸国からの提言

  • 2024/4/19

 イスラエルによるガザ地区への攻撃は、依然、終わりが見えません。3月25日には国連安全保障理事会が「ラマダン中の即時停戦」を求める決議を採択。米国も棄権する形でこの決議を容認しましたが、イスラエル側はこれに応じないままラマダン期間が終わりました。

イスラエル軍の兵士がガザ地区との国境に戦車をすすめる。10月7日のハマスによるイスラエル奇襲攻撃後、イスラエル軍はパレスチナ側の武装勢力と戦闘を続けている。 (2024年3月19日撮影)(c) AP/アフロ

国際機関は意味ある介入を
 バングラデシュの英字紙デイリースターは3月29日付の社説で、「国連安保理はガザへの停戦要求に基づいて行動せよ」との記事を掲載した。
 社説は、安保理が即時停戦を求める決議を可決した後もガザへの攻撃を続けるイスラエルの傍若無人ぶりについて、「これまで欧米の同盟国、とりわけアメリカから惜しみない支援を受けてきたからにほかならない」と、指摘した。社説によれば、現在もガザではイスラエルの攻撃で毎日60人以上が犠牲になっているという。
 社説は、「単なる(調査の)公表や認識だけでは足りない。意味のある介入が必要だ」と強調。例えば、ガザでの大量虐殺に関する裁判を進める国際司法裁判所(ICJ)は、イスラエルに緊急援助の受け入れを命じたが、イスラエルはこれをまだ聞き入れていない。「ICJは最新の報告書に留意し、裁判でもそれに基づいて行動すべきだ」と社説は主張している。

ガザにおける大量殺戮の説明責任を追及せよ
 一方、世界最大のイスラム人口を抱えるインドネシアでは、英字紙ジャカルタポストが3月9日、同国とイスラエルとの複雑な関係について社説を掲載した。
 社説によると、インドネシアとイスラエルとの間に国交はないものの、長年にわたりビジネス上の関係があった。なかでもよく知られているのは、イスラエルがインドネシアにとって主要な武器調達先の一つであったということだ。また、社説によれば、インドネシアの兵士たちは、1970年代から1980年代にかけてイスラエルで訓練を受けたという。さらに近年は、警察などが第三国を通じてイスラエルから監視技術を調達していることが報告されている。
 こうした両国間の関係について、社説は、イスラエルの新聞報道を引用しながら「ガザへの攻撃が始まる前には、国交を開く直前まで関係を深めつつあった」という。しかし、昨年10月7日に始まったガザへの攻撃により、この話は立ち消えになった。社説は、「イスラエルによるガザでの戦争は、女性や子どもを含む民間人を無差別に殺害し、食料供給を断ち、すでに野外刑務所と化していた街を完全消滅させた」と、イスラエルによる攻撃を非難する。
 「ガザへの大規模な攻撃を機に、インドネシアだけでなくすべての国が、イスラエルとの関係を見直す必要に迫られている。ガザで3万人以上の市民が死亡したことは、イスラエル側に説明責任を追及する十分な理由になるはずだ」。社説は、インドネシアの判断が、他のイスラム諸国にとって、このユダヤ人国家にどう対応するべきかの基準になるかもしれない、と指摘している。

(原文)

バングラデシュ

https://www.thedailystar.net/opinion/editorial/news/unsc-must-act-upon-its-call-gaza-truce-3577361

インドネシア

https://www.thejakartapost.com/opinion/2024/03/09/but-what-about-gaza.html

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