すべての子どもに朝食を
日本の給食がヒント、マレーシアの挑戦

  • 2019/9/6

コスト面で持続性はあるか

 また、コストの問題も懸念される。社説によると、前出の貧困家庭の子どもたち向け無料朝食プログラムには、年間2億8,900万リンギットの予算が割かれている。この恩恵を受けているのは、7,316校に通う48万9,117人だ。これを、全国7,772校に通うすべての子どもたちに拡大すると、膨大な経費がかかる。社説は、「食品会社などと提携し、コストの削減を検討すべきだ」と指摘する。

 「どんなメニューで始めるにせよ、教育省はこれらの課題を解決し、子どもたちが初日からきちんと食べられるようにすべきだ」と、社説は注文をつける。「さもなければ、子どもたちは朝から元気をなくし、保護者たちは怒るだろう」

 日本の給食に影響を受けたというマレーシアの朝の給食。その行方を見守りたい。

 

(原文:https://www.thestar.com.my/news/nation/the-star-says/2019/09/01/the-right-recipe-key-for-psps-success)

 

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