エスカレートするミャンマーの暴力
バングラデシュの英字紙が国際社会の鈍さに苛立ち

  • 2021/4/14

 バングラデシュでもミャンマーの惨状について、憤りの声があがった。4月1日のバングラデシュの英字紙デイリースターは、少数民族への空爆によって多数の避難民が出ていることを社説で強く批判した。

ジャングルに避難するカレン族の家族 (c) taiwannews

少数民族への攻撃も

 多くの犠牲者を出しているミャンマーの軍部による殺害だが、社説はまず、子どもたちの犠牲に言及した。
 「ミャンマーの状況は、軍部が権力を握ってから日に日に悪化している。3月27日のミャンマー軍の記念日には114人が殺害され、民主化を求める人々に最も残虐な弾圧があった日の一つとなった。この犠牲者の中には、多くの子どもたちがいた。ユニセフによれば、この2カ月足らずで少なくとも25人の子どもたちがミャンマー軍や警察により殺害されたという。この子どもたちも含め、ミャンマーの路上で民主化要求運動を続けた人々のうち、500人以上が命を奪われた可能性がある(*編集部注:その後、犠牲者の数は4月中旬までに800人近くに上っている)」
 さらに、同じ3月27日、ミャンマー軍は東部の少数民族カレン族に対し空爆を実施した。ミャンマー国営テレビは「停戦協定に合意している少数民族勢力の一部が協定に違反して軍の拠点を攻撃した」とした上で、「その報復として空爆を実施した」と報道しているが、社説は「停戦合意を破ったのは軍部の方だ」と、主張する。
 「ミャンマー軍は自国民に対して武力を使い、その激しさは一向に弱まる気配がない。軍は停戦合意を破り、東部のカレン族に対して空爆まで始めた。その結果、タイ国境には数千人のカレン族の避難民が押し寄せているという」

ASEANへの批判

 さらに社説は、ミャンマーに対する東南アジア諸国連合(ASEAN)など国際社会の反応の鈍さを批判し、次のように危機感をあらわにする。
 「タイがミャンマー軍に対して暴力行為を抑えるよう申し入れたのは、国境に難民が押し寄せてくるようになってからだと言われている。ASEAN諸国も、加盟国であるミャンマーで軍が暴力をふるっているのにもかかわらず、沈黙を守っている。イギリスやアメリカが経済制裁に乗り出しているが、国際社会の反応は苦しいほど遅い。ミャンマー担当国連特使は、危機の深刻さに比べて国際外交が弱すぎると批判した」
 国連の安全保障理事会は3月31日にようやく開かれたが、報道によれば、理事国の足並みはそろわなかったという。4月1日にはミャンマー軍を「強く非難する」という報道発表を発表したが、より影響力のある「声明」を出すには至らなかった。社説は「われわれ理事会のメンバーが正しい判断で団結してミャンマー軍に抗議し、民主主義を取り戻さなければならない」と訴える。
まさにこの足並みのそろわない国連と、沈黙を守るASEANの姿が、ミャンマー軍の愚行をエスカレートさせている。

 

原文:https://www.thedailystar.net/editorial/news/violence-myanmar-continues-escalate-2069777

カレン難民の写真:https://www.taiwannews.com.tw/en/news/4163163

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