迫害の日々からドイツへ ― 再び希望を見出したロヒンギャの写真家
人権のない暮らしから写真で道を切り拓いた若者のストーリー

  • 2021/5/30

ミャンマーで起きたクーデターへの思い

 今年2月1日にミャンマーで起きたクーデターには、強いショックを受けた。市民が攻撃され、街が破壊されていくのを見るのは非常に悲しかった。アザド氏は、「ロヒンギャは迫害され続けましたが、僕たちはすべてのビルマ人が悪いわけではないことを知っていますし、僕自身、ビルマ人の友達もいます」と力を込めた上で、「クーデターを起こしたのは、私たちロヒンギャから住まいや尊厳、アイデンティティを奪い、100万人以上を難民にした軍隊です。私は今、この危機にミャンマーにいることはできませんが、頭も魂も常にミャンマーと共にあり、応援していることをミャンマーにいるビルマ人の友達に伝えました」と話す。

ロヒンギャとして民主主義を求め、クーデターへの反対を続けている(アザド氏提供)

 ソーシャルメディアなどで見られる市民の抗議活動の様子にも感銘を受けている。「軍がロヒンギャの虐殺をしたときに立ち上がらなかったことや、ロヒンギャを誤解していたことについて人々が謝ってくれたことに感謝しています。私もロヒンギャとして軍に反対する市民に連帯を示すとともに、連邦議会代表委員会(CRPH)や若い世代が民主主義のために共に戦ってくれることを望んでいます」。アザド氏は、希望を込めてそう語った。

 

 

ページ:
1

2

関連記事

 

ランキング

  1.  ミャンマー西部ラカイン州に多く暮らす少数派イスラム教徒ロヒンギャ。長年にわたり市民権を認められ…
  2.  中国の王毅外相がASEAN関連外相会議で展開した精力的な「密集外交」が注目を集めました。わずか…
  3.  きたる11月のアメリカ中間選挙を前に、人工知能(AI)が新たな政治争点として急浮上しています。…
  4.  2016年7月1日にバングラデシュの首都ダッカで発生したホーリー・アーティザン・ベーカリー襲撃テロ…
  5.  「また過去に戻ってしまう」――。今年6月に大統領選挙が行われた南米・コロンビアで軍事力による治…

ピックアップ記事

  1.  2016年7月1日夜、バングラデシュの首都ダッカで、日本人7人を含む多くの命が奪われたホーリー…
  2.   ミャンマーの街角や人々の暮らしを伝える「Yangonかるた」と、その発想に触発されて誕生した…
  3.  世界で最も権威のある報道写真コンテストの一つ、「世界報道写真(World Press Phot…
  4.  30年前、内戦直後のカンボジアで、戦火をくぐり抜けて残った数本の在来種の胡椒の木を大切に育てる老農…
  5.  少数派イスラム教徒ロヒンギャの人々の証言を基に紡がれた映画『LOST LAND/ロストランド』…
ページ上部へ戻る