アメリカのトランプ大統領が中国の習近平国家主席と6年ぶりに会談
インド紙の報道ぶりに見る「G2復活」の真意
- 2025/11/19
アメリカのトランプ大統領は10月30日、アジア歴訪の最後の訪問地である韓国で、中国の習近平国家主席と会談した。2019年以来、6年ぶりの直接対面となった。
「対等な立場」で国際情勢を管理
このトップ会談について、インドの英字紙タイムズオブインディアは10月30日付で「G2の復活」と題した社説を掲載した。
G2とは、トランプ大統領が、習主席との会談を「G2サミット」と位置付けたことによる。社説は、「両氏の『釜山休戦』は、戦術的なものかもしれない。しかし、自信を取り戻した中国が再び威圧的姿勢に戻る可能性もあり、インドは警戒するべきだ」と主張した。
社説はこの会談の地政学的な側面で「二つの注目点」が浮かびあがるという。一つは、トランプ大統領と習主席が、ロシア・ウクライナ戦争の終結に向けて協力することで合意した、と報じられていること。もう一つは、トランプ氏が会談を「G2サミット」と位置付けたことにより、アメリカと「対等な立場で国際情勢を管理したい」と望んできた中国を喜ばせたであろうことだ。
その一方で社説は、アメリカとロシアの関係についても考察する。社説は、トランプ大統領が中国に対する姿勢を変えたのは、プーチン大統領を信頼できなくなったためかもしれない、とみる。中ロ関係に亀裂を入れることは、アメリカの「重要な目標だ」という。
しかし社説は、トランプ大統領が核実験の再開を命じたことに注目する。「これは釜山での休戦が、戦術的なものにすぎず、根本的な戦略問題は未解決であることを示す。アメリカと中国は、次の対決に向けた準備を進めただけかもしれない」
見通せないウクライナ和平の実現の可能性
そのプーチン大統領とアメリカとの関係について、同じタイムズオブインディア紙は10月25日付の社説で解説している。
トランプ大統領は、ロシアの主要石油輸出企業2社に対し、直接、制裁を発動した。これが効果を発揮するかどうかについて、社説は「この2社はロシアが毎日輸出する原油440万バレルのうち約3分の2を供給している。したがって、今回の制裁は重大だ」と述べる。そのうえで、プーチン大統領はその影響を軽視しているとも指摘する。
さらに、この制裁をもってプーチン大統領を交渉の席に着かせることができるのか、という問いに対しては、「現時点では可能性は低い」との見方を示す。その理由の一つは、トランプ大統領が「気まぐれ」であり、現在は安定しているアメリカ国内のガソリン価格が国民に打撃を与え始めた場合は、再び方針転換する可能性がある、ということだ。
「つまり、複数の変数が作用している。トランプ大統領がこの路線を貫くかどうか、ウクライナでの和平実現の可能性はあるのかどうか、依然として見通すことができない」
ロシアに対する沸騰するほどのいらだち
また、インドの英字紙ヒンドゥーも10月25日付の社説でアメリカによる石油輸出企業への制裁に触れ、「トランプ大統領はプーチン大統領の戦略的意思をくじき、交渉の席につかせようとしている」と論じた。
社説は、「ホワイトハウスの動きの核心には、トランプ大統領の沸騰するほどのいらだちがある」と表現した。「いらだち」とは、プーチン大統領を交渉のテーブルにつかせようとした試みが数回にわたり失敗に終わり、戦闘停止につながる短期的な合意ですらロシア側に促せなかったことへの焦りだ。
社説は、「今回の制裁に実効性があるかどうかは、その執行の一貫性にかかっている」と、指摘する。制裁を課しても、ロシアが海外への石油販売を継続する抜け穴はある。制裁が確実に、停戦交渉へとつながるかどうかは、やはり不透明なままだ。
(原文)
インド:
https://timesofindia.indiatimes.com/blogs/toi-editorials/g2-returns/
https://timesofindia.indiatimes.com/blogs/toi-editorials/more-war-not-peace/













