マレーシアで新型コロナの新たな波
地元英字紙が封じ込めに向け覚悟を呼び掛け

  • 2020/10/17

 マレーシアで、新型コロナウイルスの感染が拡大している。早期に都市封鎖に踏み切り、厳しい活動制限をして感染拡大を封じ込めてきたが、ここへきて「新たな波」が懸念されている。10月4日のマレーシアの英字紙ザ・スターは社説でこの問題を採り上げた。

マレーシアで新型コロナの新たな感染拡大が起きている (c) Alex Block / Unsplash

サバ州で発生したクラスター感染

 ロイター通信によると10月1日、マレーシア保健当局は「サバ州で実施された議会選挙の後に新たな感染の波が発生した」と警告した。クラスター感染が発生したとみられている。同日に確認された新規感染者は260人。そして翌2日、1日当たりの新規感染者は287人にのぼり、これまで感染者数が最多だった3月以降で最多を記録した。

 感染はこの社説が掲載された後も拡大し、1日当たりの新規感染者が10月5日には400人を超え、最多を更新した。また同日、ムヒディン首相は感染が判明した閣僚との接触があったとして、14日間の隔離に入ると発表。国防省は必要不可欠な活動以外はサバ州3地区への出入りを禁止するとともに、ほとんどのビジネス活動を休止して外出を制限する「条件付き活動制限令」を7日から施行すると発表した。

 しかし社説は、「これは突然のことではなかった。サバ州では1カ月前にすでにクラスター感染が発生していた」と指摘する。社説によれば、8月31日にサバ州内の警察署にいたフィリピン人2人が陽性と確認された後、約150キロ離れたタワウ刑務所で感染が広がった。陽性が確認されたこの刑務所の服役囚は、最初に感染が確認されたフィリピン人と同じ警察署にいたことがあったという。

 「ほんの数日で、感染は野火のように広がってしまった。今や、マレー半島でも感染が再拡大しつつあり、私たちがいかに感染予防に無関心で不注意であったかの現れだ」と、社説は警告する。「マレーシアで6月以降、感染拡大が比較的抑制されていたことで、油断を招き、国民の無関心につながったかもしれない。これ以上の感染拡大を防ぐためには、保健省が示す予防策を思い出さなくてはならない」

受け入れがたい経済活動の再制限

 マレーシア保健省は、コロナ対策を「3C」と「3W」で呼び掛けている。3Cは、日本で言う「3密」。3Wは、手を石けんでよく洗い、消毒すること(Wash hands)と、たくさんの人がいる場所でマスクを着用すること(Wear face masks)、もし症状があれば握手をしたり他人に触れたりしないこと(Warn self and others not to shake hands or touch)だ。

 「せきやくしゃみをする時は、エチケットに気を付けたい。よく触るものは消毒を心掛け、症状がある時は家にいてほしい。一人ひとりが自分のすべきことをして、社会や国を守るために役割を果たさなくてはならない」。社説が説く内容は、新型コロナウイルスの感染拡大が始まったころと全く変わっていない。

 マレーシア国内では、これまでに1万人以上の感染者、136人の死者が確認されている。東南アジアの中で見るとその数は決して少ないわけではないが、マレーシアでは6月をピークに感染拡大が比較的抑制され、1日の新規感染者数が1桁台で推移していた時期もあった。

 今回、新規感染者の急増加を受けて、保健省は関係する政府機関にコロナ対策の強化を指示したという。「不便だったり、窮屈な状況に置かれたりするかもしれないが、マレーシアの人々と国の安全を確保するために、ここは歯を食いしばってこらえなければならない。再び経済活動を中断する余裕は、私たちにはない。今一度、新型コロナウイルスとたたかう覚悟を固めよう。マレーシアを安全にしよう」

 東南アジアでは、ミャンマーでも感染の急拡大が起きている。域内外の人の移動が各地で再開している今、「感染拡大の新たな波」は、それぞれの国内だけの問題ではない。

 

(原文: https://www.thestar.com.my/opinion/columnists/the-star-says/2020/10/04/cement-resolve-to-fight-covid-19)

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