「黄金のガチョウ」を殺すな
タイ観光産業が直面する課題
- 2019/9/20
他都市の追い上げ
さらに社説は、タイの観光産業が抱える課題として、観光客相手の詐欺が横行していることや、公共交通機関の安全対策が不十分であること、地方での観光サービスが不足していることを挙げ、観光当局が長い間、問題解決に取り組んでこなかったと批判する。
また、大気汚染と、その原因でもある交通渋滞を新たな課題として指摘する。
「バンコクは、2019年に全世界の中でもトップクラスの観光都市として栄誉を受けた。しかし、ヤンゴンやビエンチャン、ハノイといったアジアの都市も、すぐにバンコクに追いつくだろう」「いかなるマーケティング戦略も、問題の本質に気づいて立案されたものでなければ意味がない。観光客を搾取することばかり考えるビジネスや悪意のある人々が、その根っこにいるためだ」
社説からは、アジアの一大観光国タイも危機感を有していたことが分かる。近年、タイ人観光客のアウトバウンドが国際的に注目を集めているが、インバウンドには長期的に取り組むべき課題がありそうだ。「表層的な観光政策では国際市場での競争に勝てない」と、社説は主張している。
(原文:https://www.bangkokpost.com/opinion/opinion/1753319/killing-the-golden-goose)