終わらないパレスチナの苦難 「言葉ではなく行動を」
マレーシア紙とパキスタン紙が問う、国際社会の責任
- 2026/10/11
9月24日、国連総会でイスラエルのネタニヤフ首相が演説を始めると、複数の代表団が抗議の意を示して退席した。一方、パレスチナ自治政府のアッバース議長は、アメリカからビザが発給されなかったため、ビデオで演説した。
2023年10月、イスラム主義組織ハマスがイスラエル南部へ越境攻撃を行ったことで始まったガザ地区での戦闘開始から丸3年。停戦合意が発効した後も、現地では民間人の犠牲が続き、ヨルダン側西岸でも入植をめぐる問題が深刻化している。
マレーシア紙はパレスチナ問題をめぐる長い歴史を振り返りながら、イスラエルだけでなく欧米諸国やアラブ諸国の責任にも言及。パキスタン紙は、国連総会でいくら懸念を表明しても、「言葉」だけでは暴力を止められないと訴えた。
パレスチナの苦難を終わらせるために、国際社会に何が求められているのか。二紙の論調から考える。
「沈黙は選択肢ではない」 歴史的責任を問う
マレーシアの英字紙、ニューストレーツタイムスは、9月5日付の評論記事で、パレスチナ問題の歴史を振り返りながら、イスラエルを厳しく非難した。
記事は、パレスチナへのユダヤ人入植が進められた歴史に触れ、「当時も今も変わらない事実は、パレスチナが決して『人のいない土地』ではなかったということ、また土地のない人々のための土地でもなかったということだ」と主張する。
さらに、イギリスがユダヤ人入植に果たした歴史的な役割を取り上げ、「当時も今も、パレスチナ人をパレスチナから締め出すことに最も罪深いのはイギリスである」と批判。アメリカやドイツ、欧州連合の責任にも言及した。
一方で、記事は「アラブ人にも責任はある」とする。ユダヤ人を受け入れ、少数派としてパレスチナ人と共存するだろうと考えたものの、その予想は裏切られたという。
そのうえで、アラブ諸国に対し、「イスラエルのアパルトヘイト体制に立ち向かわなければならない。沈黙は選択肢ではない」と訴える。
そして、国連安全保障理事会や国際司法裁判所(ICJ)、国際刑事裁判所(JCC)についても、「機能不全に陥り、何の行動も取れていない」と厳しく批判し、「国際社会は、イスラエルのジェノサイド的な体制に立ち向かわなければならない」と、行動を求めた。
「熱のこもった演説」だけでは暴力は止まらない
一方、パキスタンの英字紙ドーンは、9月25日付の社説で、国連総会で繰り返されるパレスチナへの連帯表明と、現地で続く暴力との隔たりを問題視した。
社説によると、2025年の停戦以降も、ガザではイスラエル軍によって民間人を含む約1400人が死亡した。ハマスが武装解除に合意してもイスラエルはガザ地区の占領を終わらせず、ヨルダン川西岸では違法な入植が「爆発的に増加」しているという。
社説は「このような状況が続く限り、ガザにいくら資金を投じても、ほとんど意味はない」と言い切る。
国連総会では、ガザをめぐる議論が続いている。しかし、「熱のこもった演説だけでは、パレスチナ人に対する暴力を止めることはできない」と指摘。国際社会が本当にパレスチナ情勢を懸念しているのであれば、言葉だけでなく行動で示すように求める。
さらに、イスラエルには、ガザにおけるジェノサイド的な暴力について責任を負わせるとともに、ヨルダン川西岸地区でパレスチナの土地を占領し、住民への暴力を繰り返す入植者も処罰すべきだと訴える。
社説は、今後についても悲観的だ。イスラエルで10月に予定されている選挙でどのような政権が誕生しても、「主権を持つパレスチナ国家の誕生を阻止する」という姿勢は変わらないだろう」との見方を示している。
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ニューストレーツタイムスが振り返るのは、現在の惨状につながるパレスチナ問題の歴史と、そこに関わってきた国々の責任だ。そしてドーン紙が問うのは、その歴史を踏まえながらも、今なお国際社会が「言葉」を「行動」に変えられていない現実である。
国連総会でどれだけ強い言葉が交わされても、現地で暴力や占領が続く限り、パレスチナの人々の暮らしは変わらない。
「沈黙は選択肢ではない」「言葉だけでなく行動を」――。二つの記事が共通して求めているのは、国際社会が表明する懸念を、具体的な行動につなげることだ。
(原文)
マレーシア:
https://www.nst.com.my/opinion/leaders/2026/09/1525986/nst-leader-gaza-cannot-be-emptied-plain-sight
パキスタン:
https://www.dawn.com/news/2032517/palestine-in-focus













