米国のニューカレドニア政策はハリス政権とトランプ政権でどう変わるのか
フランスへの配慮、ニッケル採掘権、中国の影響力抑制――南太平洋を舞台に渦巻く思惑の行方を読む

  • 2024/9/3

終わらないカナック人独立問題

 このように、ニューカレドニアのカナック人独立問題は、宗主国フランスにおける政治混乱や、南太平洋への関与を強めたい米国の政治分断に翻弄されている。その行方は混とんとしており、予想がしにくい情勢だ。

ほら貝を吹くニューカレドニア先住民カナキーの男性 (c) ニューカレドニア観光局

 だが、確実に言えるのは、カナック人が独立をあきらめていないということと、太平洋西部地域全体に覇権を唱える中国が、彼らの脱植民地化への希求を利用してニューカレドニアにまつわる国際政治の混乱に拍車をかけているということである。中国の太平洋支配を抑制しなければならないという方針からすれば、米国でこの秋に誕生するのが「第1次ハリス政権」であれ、「第2次トランプ政権」であれ、ニューカレドニアに対して支配を強めたいフランスに対する支援を行わざるを得ないだろう。

自治権拡大をフランスが約束した1988年のマティニョン協定で、カナック人代表のジャン・マリー・チボー氏がフランス側代表と握手している様子を表した、ヌーメアの公園の銅像。約束は守られて4度目の住民投票は行われるのか。(c) ニューカレドニア観光局

 一方、先祖伝来の地において独立を問う投票に長期在住の非先住民の参加が許され、それら「外部者」が数の上でカナック人を圧倒する状況は、先住民にとりフェアではない。

 ハリス氏とトランプ氏の間にはフランスに対して温度差があり、それがそのまま米国のニューカレドニア関与度の微妙な違いとなって表れるものと思われる。

 だが、次期米政権が真の当事者のカナックの人々と直接対話を行わないならば、ニューカレドニア情勢がこれ以上悪化した場合に中国が付け入る隙を与え、米国の南太平洋地域全体における利益が損害を受けることもあり得る。ハリス氏もトランプ氏も、熟慮が必要だ。

 

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